矢野が棚橋を挑発しつつ、体をロープから外へ出してブレイクを連発。ところが、棚橋が素早く場外に下りて矢野の両足を引っ張り、ロープを体へ食い込ませる。
　リングへ戻った棚橋は、カウンターバックエルボーからフライングボディアタックを繰り出すが、矢野が受け止めて丸め込む。これを跳ね返した棚橋は、電光石火で逆襲。
　その後、両者が同時にニュートラルコーナーへ行き、クッションを外しにかかる。しかし、矢野がいち早くクッションを取り去り、それで棚橋の背中を殴る。それでも棚橋は、むき出しになった金具へ矢野をスローイング。しかし、矢野が直前で急停止し、棚橋の突進をかわして金具へ激突させる。
　それでも棚橋はコーナー最上段へ乗るが、矢野が脚を引っ張って転落させる。これで場外戦になり、棚橋が鉄柵攻撃からフライングボディアタック。ところが、矢野にかわされて場外フロアに転落。そのまま矢野が観客席へ連れ込み、イス攻撃を見舞う。
　棚橋がカウント19で辛うじてリングへ戻ると、矢野は顔面攻撃、金具攻撃などで追い討ち。さらに、観客へ見せつけるようにして顔面を変型させるが、棚橋が金具攻撃で逆転。
　続いて棚橋は、エルボー＆太陽ブロー、フライングフォーアーム、ジャンピングエルボードロップ、サンセットフリップとラッシュ。苦しくなった矢野は髪の毛を掴むが、棚橋が反対に髪を引っ張って転倒させる。
　すると矢野は、棚橋を場外めがけて突き飛ばし、YTRアピールを開始。しかし、棚橋がトップロープを利用した逆上がりで復活し、フルネルソンで矢野を捕獲。そこから棚橋がバックを取ると、矢野はトップロープを掴んで抵抗。しかし、マーティー浅見レフェリーがその手を蹴って振り解き、棚橋がジャーマンスープレックスホールド。
　次に棚橋はコーナー最上段へのぼるが、矢野が浅見レフェリーを突き飛ばしてロープを揺らし、バランスを崩した棚橋が金具で急所を痛打。しかし、マンハッタンドロップで矢野に報復。
　その後、矢野がカウンター鬼殺しで巻き返すが、棚橋が低空ドロップキックで逆襲。続いて串刺しフライングボディアタックを放つも、矢野が身をかわすと同時に浅見レフェリーを引き込み、誤爆させる。
　浅見レフェリーがこん倒する中、矢野がパイプイスで棚橋を殴打。しかし、2発目のイス攻撃は棚橋がかわし、スリングブレイドでなぎ倒す。そして、コーナー最上段からハイフライフローを放つものの、矢野がパイプイスを抱えて防御。
　続いて矢野は、マンハッタンドロップで棚橋に追撃。さらに、シーソーホイップで金具へぶつけ、鬼殺しでパイプイスへ叩きつける。その直後、ようやく復活した浅見レフェリーがカウントを数えるが、棚橋が跳ね返す。
　さらに矢野は、棚橋を突き飛ばして金具へ激突させ、スクールボーイで丸め込む。これを棚橋が返すと、矢野が背後から突き飛ばし、急所を殴打。そのまま髪の毛を掴んで押さえ込むも、カウントは2。
　この判定に怒った矢野が浅見レフェリーに詰め寄ると、棚橋が背後から急所攻撃をお返しし、髪を掴んで丸め込む。
　これを矢野が返し、両者が同時に急所を押さえてうずくまる。しかし、そこから棚橋が変型ネックブリーカーを食らわせ、スリングブレイドで追撃。そして最後は、ハイフライフローで勝利を収めた。

−−ようやく捕まえることができましたね。
棚橋「はい。シングルマッチがもっと早く組まれてれば、ここまで時間かかることなかったんだけど、それにしても（矢野は）俺と違った意味でうまいね？」
−−これで気持ちよく『G1』に向けていけますね。
棚橋「それは一番大事です。どういう状態で『G1』に臨むかっていうのが、試合内容、結果を左右していくんでね。とりあえず今日、矢野に一つ傷つけて、全部取り戻す気持ちで『G1』行きます」
−−セミ、メインと注目の試合が組まれてます。正直、“置いていかれる”“このままじゃいけない”という焦り、危機感はありますか?
棚橋「今日の試合順で一番悔しいのは、俺がメインじゃないこと。21年ぶりの大阪城ホール、記念すべき歴史に残る大会でメインに出たかったなぁ……」
−−その逆襲のための一歩が『G1』ですか?
棚橋「そうですね。『G1』のいいところは、飛び抜けてるチャンピオンでも、ようやく上がって来れた選手でも横一線で始まるから。チャンピオンの時はそれが気に食わなかったけど、今の状態にしてみれば願ってもないチャンス」
−−『G1』ではまた矢野選手と闘うことになりますが……。
棚橋「今日は、今までやられた分を全部試合で返してやろうと思って、ちょっと欲が出たけど、今度はストレートで勝ちにいきます」
−−改めて矢野選手はクセ者でした?
棚橋「スタミナもあるし、力もある。普段は隠してるけど。プラス、凶器攻撃と。まいりますね」
−−会場のファンから悲鳴が上がるような痛めつけられ方をしましたけど……。
棚橋「結果的に先シリーズから使ってるブレーンバスターの横回転的なヤツ（技）を自分のものにしてきたんで、これを新しい武器として『G1』で。僕、ブレーンバスターは使わないんですけど、ブレーンバスターを仕掛けてくる選手は多いんで、カウンターというか。基本的に、カウンター技で試合を作っていくんで。カッコいい名前を考えます」
−−大阪城ホールのリングの感触は?
棚橋「もっと長く味わいたかったですね。ライトで客席が見える見えないはあったけど、お客さんには感謝で……」
−−コスチュームは新しいもので「ACE」の文字が際立つようになってます。夏に闘い安そうな素材で……。
棚橋「そこまで考えてませんけど（笑）」
−−最後は丸め込みじゃなくて、ハイフライフローで決めてやろうと?
棚橋「それが一番、応援してくれたファンがすっきりしてくれるだろうと」
−−その髪型は武将というか、大阪城仕様?
棚橋「その通りです（ニコリ）。戦国モードで」
 
※矢野はノーコメント