ライガーがアメリカ遠征で陥落したNWA世界ジュニアヘビー級王座の奪還に挑む一戦。開始前、NWAのブルース・サープ社長は、ライガーのマスクを串刺しにした長い棒を持って挑発。
序盤、ライガーはアンソニーをグラウンドで翻弄。サーフボードストレッチ、そして足関節やヘッドシザーズで王者のスタミナを奪っていく。さらにライガーはヘッドロックに固めていくが、アンソニーが切り抜けてライガーをロープに飛ばすと、タックル合戦に突入。これはアンソニーが制するが、ライガーはスキをついて場外に王者を投棄。そしてスライディングキック、さらにエプロンからトペコンヒーロを敢行する。
リング上、ライガーがロメロスペシャルでアンソニーを釣り上げると場内は大歓声。そこからカベルナリアに繋ぎ、王者を攻め立てていく。しかし、ライガーがロープに飛ぶと、サープ社長がその足を取って妨害。怒ったライガーはサ—プ社長を追いかけるが、その背後からアンソニーが攻撃。さらに王者はライガーを鉄柵に叩きつけ、リングに戻ると河津掛けからセカンドロープを使ってムーンサルトプレス。
劣勢のライガーだったが、アンソニーの串刺し攻撃をキックで返すと、ジャンピングネックブリーカー。しかし、これは相打ちのようなかたちになってしまう。だが、ライガーは串刺しの掌底、さらに雪崩式フランケンシュタイナー、ライガーボムと畳掛ける。しかし、続くダイビングボディプレスは、アンソニーがヒザを立てて迎撃。そこから王者はタイガードライバーの体勢から危険な落としかたを見せる。
ここを勝負と見たアンソニーはミサイルキック、さらにエプロンサイドにライガーを固定すると、場外を走り込んでドロップキック。続いて両者はバックの取り合いを展開するが、ここでレフェリーが巻き込まれてダウン。ライガーはアンソニーに垂直落下式ブレーンバスターを見舞い、すかさずフォールに入るも、レフェリーは不在。すると、サ—プはライガーに急所攻撃。さらにアンソニーはベルトでライガーの脳天を一撃。最後はアンソニーがグロッキー状態のライガーを両肩に担ぎあげると、そのままジャンプと同時にライガーのアゴを肩に叩きつける荒技で勝利。王者がダーティファイトで王座防衛に成功した。
アンソニー「お前ら、見ただろ? この“エクスクラメーションポイント”スティーブ・アンソニーを。俺はこの日が来るのを、首を長くして待ちわびてた。 この日のためにプロフェッショナルレスリングをずっと長く続けてきた。見ただろ? これで俺は2度、ジューシン・サンダー・ライガーを倒した。ラスベガスとここでだ。これからも見てろ。この“エクスクラメーション・ポイント”スティーブ・アンソニーを。俺はまたここ、クマモトにやって来る。俺はここで日本の魂を感じたからだ。ライガー、お前は偉大なレスラーで、偉大なチャンピオンだ。ひとつ違うのは、お前はキングだったが、それはすでに過去のことだ。もうすでに俺のほうが、お前より少しだけだが素晴らしいレスラーになっているんだ」
ライガー「情けない。(サープ社長が)手出すのはわかってんだ。わかってて負けるんだから、これは俺の責任だ。向こうが手を出すか? 出さないか? わからないならまだしも。ラスベガスのときもそうだった。(ロブ・)コンウェイが出て来て。サープが出て来て。今日、またサープだよ。いまNWAのテーマ曲(※NWAヘビー王者・天山の入場曲)が流れてるけど、これだけは言いたい。そのままじゃNWAのベルトの権威は落ちる一方だぞ!? この天山の試合でも、サープが手を出すようなことがあれば。俺もそうだし、ファンもそうじゃないのかな!? 『ああいうことをするならもういいよ』と、なるんじゃないかな!? だが、俺はそうはいかない。2回も同じような手でやられてるんだ。額に受けたベルト(攻撃)は、あのベルトの痛みだと思う。サープが入って来ようが何しようが、コンウェイが入って来ても、何なら最初からサープがいたっていい。1対2でやってやる。獲るぞ、こうなったら本気で」
——アンソニー選手の実力をどう思いますか?
ライガー「パワーもあるし、柔軟性もあるし、空間を利用した技も使うし。あれはちょっとビックリしましたね。ラスベガスのときより、逆に今日のほうが生き生き動いていたんじゃないかと思う。チャンピオンとしての風格なのか? 自信なのか? それはわからん。逆に俺が何か精神的に追い詰められていたのかもしれない。『ここで負けたら』っていうね。でも、結果はこうなんだ。ファンに申し訳ないし、自分自身が情けない。何度も言うように同じ手でやられてるんだよ。悔しい。悔しい・・・」
——サープ抜きでアンソニーと1対1でやりたいですか?
ライガー「それはレスラーとして気持ちはあるよ。でも、NWAが許さないだろ? だからさっき言ったんだよ。『1対2でいいよ』と。向こうはサープを入れて“2対”、俺は1人で“1”。2対1でやったっていい。必ず獲ってやる! 必ず獲ってやる。もう1回だ。もう1回。もう1回・・・」