「“プロレス界のジュニアヘビー級の顔”となれるよう、優勝するのはKUSHIDAです」7.20後楽園の1回戦で石森太二との激闘を制したあと、堂々と『SUPER J-CUP』制覇を宣言したKUSHIDA。2回戦の相手はノアの実力者、拳王。互いに格闘技の素養を持つ者同士、刺激的な戦いが展開されることは必至。大舞台に向けて闘志も燃やす、KUSHIDAの意気込みをお届けしよう。
■vsノアという部分では、『G1』開幕戦を観て「負けられねえな」って思いました
——1回戦の石森太二との試合は、一進一退の激闘となりました。振り返ってみて率直な感想は?
KUSHIDA まず、会場の雰囲気がいつもの新日本とは違うなと思いましたね。直前までメキシコ遠征でべつのリングに上がっていたこともあって、その続きみたいに感じる部分もあったし、どこか他団体に上がるような新鮮な気分でしたね。それぞれの団体のお客さんが、思い入れのある選手を応援していたというか。これが『SUPER J-CUP』ならではの独特な雰囲気なんでしょうね。
——メインという部分や、現役のIWGPジュニアヘビー級王者としてプレッシャーは?
KUSHIDA それはまったくなかったです。海外のリングで戦ったことない相手と試合をするチュエーションも多いですし、いまは「なんでも来い!」っていうくらい自分のファイトスタイルも固まっているので、自信を持って臨めました。
——KUSHIDA選手は少年時代に、第1回『SUPER J-CUP』を会場でご覧になったそうですが、今回の初参加は感慨深いものはありますか?
KUSHIDA そうですね、第1回の首元がデロンデロンになった記念Tシャツも持ってますから(笑)。歴史ある大会に出られることに感謝しながら、喜びを感じながらリングに向かいました。でも、感慨深いのはそこまでで、リングに上がったらいつもどおりでしたね。
——セミとメインはくしくもノアvs新日本という図式になりました。
KUSHIDA 入場前に歓声だけ聞こえてくるんですけど、田口(隆祐)さんが勝ったときは気が引き締まりましたよ。あと、vsノアという部分では、『G1』の開幕戦でウチのヘビー級のチャンピオンであるレインメーカーが丸藤(正道)選手にやられているので、「ここは負けられねえな」っていうのはありました。
——じつは石森選手とは、共に2010年の『BEST OF THE SUPER Jr.』に出場したときに、一度だけタッグを組んだことがあるんですよね。
KUSHIDA そうですね。でも、覚えていないくらいというか、まだまだ僕もレスラーとしてヨチヨチ歩きみたいな頃だったので。
——石森選手にお話を聞いたら、「その頃のKUSHIDA選手はハイフライヤーのイメージだったのが、いまはグラウンドにこだわりを持っていてファイトスタイルが変わった」と言っていて。
KUSHIDA ああ、なるほど。逆に石森選手はハイフライヤーとして進化していって、日本屈指の使い手というイメージですね。でも、コッチもリコシェとか(ウィル・)オスプレイとか、世界標準を日々相手にしているので、免疫があったというか。ただ、石森選手のビルドアップした肉体は凄かったです(苦笑)。
——試合でもパワーに手こずっているように見えましたが?
KUSHIDA そうですね、あの力強さは見た目以上ですし、クローズラインもヘビー級でも通用するんじゃないかって思うほどの威力でしたね。
——KUSHIDA選手の三角絞めを持ち上げて、そのまま反撃した場面も凄かったです。
KUSHIDA そうそう! あと、トップコーナーからブロックバスターみたいに1回転したじゃないですか? あんなの相当な背筋力がないと、首から突っ込んじゃいますよ。ただ、僕のファイトスタイルは石森選手と相性がよかったからこそ、最後は一本取れたのかな、と。
——決まり手は初公開のミスティカ式ホバーボードロックでしたね。
KUSHIDA あれはメキシコ遠征のひとつの成果です。アミーゴのミスティコから伝授されて。ちょっと、『BEST OF THE SUPER Jr.』と6.19大阪のオスプレイ戦で、どこか“出し切った感”があったんですけど、メキシコ遠征に行ったことで、僕の中で眠っていたルチャの部分を補充できたというか。それがあの勝利につながったと思います。
■『SUPER J-CUP』を継続開催するためにも、今回を爆発させないと
——そして、2回戦の相手は拳王選手に決まりました。1回戦のグルクンマスク戦はご覧になりましたか?
KUSHIDA 観ました! ちょっと、蹴りが独特なフォームですよね。僕が習ってきた総合格闘技の蹴りとはまた一味違うというか。ベースは日本拳法なんですよね? しかも、あの分厚い身体から繰り出すわけですから、警戒が必要ですね。
——しかも、1回戦では拳王選手の相棒である、大原はじめ選手の介入も見られました。大原選手といえば、KUSHIDA選手が新日本入団以前にしのぎを削った相手というか。
KUSHIDA そこはまあ、「拳王選手はセコンドの介入なんかいらないくらい、実力のある選手だと思う」とだけ言っておきましょうか。
——拳王選手の評価は高い、と。
KUSHIDA 凄くいい選手だと思いますよ。「成り上がってやろう」みたいな反骨精神にあふれている選手というか。『SUPER J-CUP』で初めて試合を観たんですけど、いまの新日本ジュニアにはいないタイプの選手だなと思いました。戦うのが楽しみですね。
——準決勝はライガー選手かタイチ選手の勝者となります。
KUSHIDA ライガーさんといえば『SUPER J-CUP』の象徴ですからね。今年の5.3福岡の防衛戦では僕が勝ちましたけど、「また戦いたい」って言ってくださっているので、もしこの大舞台で当たることができたら、それもまた感慨深いというか。
——では、対抗ブロックから優勝決定戦に上がってきそうな選手は誰だと思いますか? 勝ち残っているのは新日本を主戦場にしている田口選手、オスプレイ、サイダルの3人と、現GHCジュニアヘビー級王者の金丸義信選手になります。
KUSHIDA 僕もベルトを持っているので、金丸選手は気になりますね。初対決というのも、『SUPER J-CUP』の醍醐味だと思いますし。金丸選手のイメージは“巧いレスラーの究極”というか、昔でいう保永昇男選手、いまだと外道に近い雰囲気がありますね。1回戦でBUSHIも手のひらで転がされていた感じはありましたし。
——ベテランの成せるわざというか。
KUSHIDA あとはいまのオスプレイから、充実感が漂っているのが気になるかな。怖いものナシの空中殺法にプラス、新日本の戦いにもうまくアジャストしてきたし、“近未来感”がありますよね。なんでもできると器用貧乏に見えがちですけど、ちゃんと若さゆえの荒削りな部分も残っていて、そこもまた魅力につながっているというか。
——まだまだ伸びシロがありそうですね。8.20有明は勝ち進むと一日3試合行なうことになりますが、そのあたりについては?
KUSHIDA とくに問題ないと思います。今回のメキシコ遠征で初日に3試合やりましたし、帰国直前も3試合やっているので(笑)。かつ、メキシコは高地なんで、スタミナトレーニングもバッチリですよ、心臓がデカくなった気がします。
——『SUPER J-CUP』に向けて万全だ、と。
KUSHIDA はい! あと、ちょっと個人的にはせっかくこういう舞台が復活したので、これからも継続開催させたいなっていう思いがあって。そのためにも今回の大会を爆発させなきゃいけないな、と。ヘビーに『NEW JAPAN CUP』と『G1 CLIMAX』があるなら、ジュニアも『BEST OF THE SUPER Jr.』と『SUPER J-CUP』の両方あってもいいと思うんですよね。まだまだ、他団体におもしろい選手はいると思いますし。
——では最後にファンへのメッセージをお願いします。
KUSHIDA 勝負論のあるトーナメントはもちろん、今回の有明はスペシャルマッチも見逃さないでほしいですね。ひさびさに僕のパートナーのアレックス・シェリーが来日しますけど、モーターシティマシンガンズvsヤングバックスというカードは、いまのアメリカのジュニアタッグの最高峰の戦いだと思うので。そういうジュニアのオールスター的な舞台で、“プロレス界のジュニアヘビー級の顔”にふさわしいのはKUSHIDAだということを証明します!
■『SUPER J-CUP 2016』<SUPER J-CUP 2016決勝トーナメント>
8月21日(日)15:00〜 東京・有明コロシアム
★対戦カードはコチラ!
★一般チケット情報はコチラ!
※「ロイヤルシート」「アリーナA」が完売となりました。
※「アリーナB」「スタンドA」が残り僅かとなりました。