6.27後楽園ホールでの『G1 CLIMAX 26』出場メンバー発表にて、発表直後に異議を唱えたのが、“猛牛”天山広吉。3度の優勝経験を持つ“夏男”が、「『G1 』、俺の名前ないやんけ!」「新日本、ふざけんなよコラ!!」とマイクアピールを行った。
怒り心頭の天山の強い希望もあって、公式サイトで緊急インタビューを敢行。はたして天山の心中は?
■「なんかの間違えちゃうんか?」「まさかCブロックがあるんか?」とまで思いましたから
——さて、天山さん。今日は、天山さんの強いご希望もあって、緊急インタビューを行うことになりました。
天山 すんません。お忙しいときに。ちょっとね、『G1』のことで、どうしても言っておきたいことがあって……。
——今年の『G1』にエントリーされなかった件ですね。6.27後楽園では「俺の名前ないやんけ!」と怒りのマイクアピールも行いました。
天山 いや、ホントにね。毎年『G1』は、当然のように「出るのが当たりまえ」と思ってたから。あの6.27後楽園の、ちょうど試合前の休憩の間に出場メンバー発表があったんで。半分ドキドキ、半分は「いつ名前が出てくるかな?」って感じで聞いてたんですけど。いつまでたっても自分の名前が出てこんかった……。それが凄いショックでね。出れないとわかった瞬間、全身の力が抜けて。魂がスーッと抜けていくような、それぐらい衝撃でしたね。
——まさに失意のドン底状態というか。
天山 しかも休憩はさんで、すぐ試合やったからね。「これはないやろう!」って感じで、ちょっと起こってることが信じられなかった。試合後は思わずマイクを握ってましたね。
——発表はどこで聞かれてたんですか?
天山 控室を出て、モニターがあるところですね。試合前やったから、体を動かしながらモニターをチラチラ見てて。まあ、アナウンスは聞こえてくるんで。でも、Aブロックが終わっても名前が出てなかったから、「あれ?」と思ってたらBブロックも終わって。「なんかの間違えちゃうんか?」と。「まさかCブロックがあるんか?」とまで思いましたから。
■自分的には「今年こそ最後!」っていう気持ちでやってきた。それにしても、まさかね……
——たしかに今年も『G1』に向けて調整されたでしょうし、試合後も『G1』に向けたコメントを出してましたから、意気込みは伝わってきてはいたんですけど……。
天山 自分は、毎年、「夏の『G1』に向かってコンディションを作ってる」と言っても過言ではないですから。まあ、ここ最近は毎年、「今年で最後じゃないか?」と思ってやってきましたけど。ただ、去年はだいぶコンディションがヒドくて、前半からなかなか調子が出んかった。身体がついていかんかったっていうか。それもあって、今年はもう1回シッカリしなきゃいけないと。今年こそ自分のすべてを懸けるつもりで。ここ2、3カ月、調子が戻りつつあるのを感じてたんですけどね。
——それはムーンサルトプレスやカーフブランディングを解禁するなど、試合にも表れてましたね。
天山 最初は、不安な部分もありましたけど、だんだん「いけるんじゃないか?」って感じになってきてた。それこそ、自分的には「今年こそ最後!」っていう気持ちでやってきた。それにしても、まさかね……。
——エントリーがないとは予想しなかったと。去年はたしかにバッドコンディションでしたけど、それでも最後まで欠場せずに乗り切りました。
天山 前半はキツイ闘いが続いて。最後の最後に内藤(哲也)戦があって、「あいつをぶちのめさんと終われるか!」って思いで乗り切れましたね。でも全体を通して、傍から見たら少しふがいなかったというか……。そこはたしかに、そうかもしれんね。だから「今年選ばれなかった」というのはあるかもしれんけど、いまの体調は去年と全然違うんで。「去年の分を挽回してやる!」って意気込んでた矢先の発表やったんで……。
——天山さんは首を手術したときも、2010年『G1』での復帰を目指して急ピッチで調整していました。結局、間に合いませんでしたけど。それだけ『G1』に懸ける思いが強い?
天山 ええ。あの時も「なんとか間に合わせたい!」って一心だったんですけど。ケガもあったんで仕方なかった。あの時はあきらめもついたんですけど、今年はねえ……。駄々をこねるようで申し訳ないけど、ホンマにあきらめがつかないですわ!
——今年だけは、あきらめがつきませんか。
天山 これだけ、調子が戻ってきてる中ですから。出る気マンマン、やる気マンマンで、身体もシッカリできてるんで。……あとね、今年に入って、柴田(勝頼)との抗争があったり、永田(裕志)がベルトを獲ったりして。第三世代が元気を取り戻してきてるっていうか。俺も「まだまだ負けない!」って気持ちを持って試合してきてたんですよ。『G1』はそれをファンに見せるチャンスだって思ってたんですけど……。
■今年は初出場が多いじゃないですか? そのへんのメンバーが俺を差し置いて出るのは納得いかないですね
——いまはどんな手を使っても、誰かを引きずり下ろして出てやるというくらいの気持ちですか?
天山 そりゃあ「何としてでも出たい!」って気持ちはありますよ。まだ、あきらめてへんから。ただね、発表の前までは「今年こそ、やってやる!」っていう気持ちがもの凄く強かったけど、今回の件で、その気持ちが折れかけてるっていうか……。
——ああ、そこまで思い詰めてましたか。
天山 「『G1』で復活してやる!」って気合が入ってたのにね。でも、ここで簡単に引き下がってる場合じゃない。もう「誰かをブチのめしてでもいいから、出たい!」ってぐらい、この気持ちは強いですね。
——出場メンバー全体を見ての感想は?
天山 まあ、今年は他団体からの枠もありますけど、それよりも、初出場の選手がけっこう多いじゃないですか。そのへんのメンバーが俺を差し置いて出るのが納得いかないですね。「なんでコイツらが出られて、俺が出られへんねん!」って。まあ、言いたいことはいっぱいありますわ。ホント、ふざけんなよって! 開幕まで3週間ほどしかないけど、なんとかアピールはしようかなと思いますけど。
——天山さんは、最多出場記録保持者ですから、やはり『G1』には特別な思いがある?
天山 新日本プロレスでずっとやってきたなかで、誰よりも自分が一番『G1』に思い入れがあると思ってますから。1.4東京ドームよりも正直、思い入れは強いですよ。自分がまだ若手の時に始まった大会ですから、「『G1』は俺のものだ!」「『G1』は俺に任せろ!」っていう気持ちがある。だって、『G1』の歴史、それは俺の歴史でもあるからね。
——『G1』には、天山ヒストリーが詰まっていると。
天山 だからこそ、「今年の夏こそ、“俺の『G1』”をもう1回見せたい!」っていう思いがありましたから。まあね、自分が納得するまで。最後まで俺は出場をアピールし続けますよ。でも時間もないし。何とかしないとね……。
聞き手/橋爪哲也