6月12日、プロレスリング・ノアの「Emerald Spirits 2016 in KORAKUEN」後楽園ホール大会で、新日本プロレスのCHAOSメンバー、そして鈴木軍がノアの精鋭たちと激闘を繰り広げた。
GHCジュニアヘビー級タッグ選手権では、王者組の“桃の青春”原田大輔&小峠篤司組に対して、CHAOSの邪道%外道、そして鈴木軍のTAKAみちのく&タイチが3WAYマッチで挑戦。長らく抗争を繰り広げる桃の青春とTAKAタイチのあいだに、IWGPジュニアタッグ最多通算防衛記録を持つ邪道&外道が割って入ったかたちの王座戦。試合前、マイクアピールしようとするTAKAタイチを、外道が「しゃべるな!」と制すると、早くも場内は「外道」コールが巻き起こる。
試合は序盤、百戦錬磨の邪道外道が老獪なテクニックで見せ場を作る。さらにTAKAタイチもレフェリーのブラインドをついたゴング用の木槌で攻撃するなど、ダーティファイトを展開。挑戦者の2チームが試合をかき乱す。
なかなかペースを握れない王者組だったが、3チーム入り乱れる混戦模様の中、原田がTAKAタイチにニーアッパーを連発。最後はTAKAに対して原田の片山ジャーマンから、小峠のキルスイッチに繋いで、王者組が3度目の防衛に成功した。
ノアの5.28大阪大会でGHCタッグ王座を獲得した丸藤正道&矢野通組は、前王者のKES(ランス・アーチャー&デイビー・ボーイ・スミスJr.)を迎撃。KESは今年のグローバル・タッグリーグ戦公式戦では丸藤組に勝利するも、同リーグ決勝、そして前回の王座戦と矢野&丸藤組に連敗中。対する丸藤組は前日の記者会見で「KESとはこれが最後」と語っていた。
KESはゴング前に王者組を奇襲すると、そのまま場外戦へ。ラフファイトで試合の主導権を握る。その後もKESの猛攻は止まらない。矢野に狙いを定めると、体格を利した豪快な攻撃で追い詰めていく。丸藤も立体的な動きや、体格差をもろともしないラリアットで活路を見出そうとするが、KESを打ち崩すまでには至らず。
終盤、KESは矢野に対してキラーボムの体勢に入るが、矢野がうまく切り抜けると、丸藤がスミスの背中を踏み台にしてアーチャーに虎王をヒット。これでひるんだKESを、王者組はうまく分断。最後は矢野がスミスに急所攻撃からの逆さ押さえ込みで技アリの勝利をゲット。王者組が初防衛に成功した。
試合後、鈴木みのると飯塚高志と共に登場。鈴木はマイクを握ると、「そろそろ、それ、返してもらおうか? 俺と飯塚の狙いは、矢野! テメーひとりだ! なに救世主面してんだよ! 来週の『We are SUZUKIGUN 3』に、ちゃんとベルト持って来いよ」と挑発。
対する王者組は「6月18日、俺たちのあいだに桜庭和志が入る。さらなる科学反応を楽しんでくれ」(丸藤)、「ねえねえ、みんな? アイツら、まだ恥かき足りないらしいです。だったら、何べんでも恥をかかせてやる!」(矢野)とアピール。そして最後は「ヤノ・マル・フジ」の合唱で締めくくった。
メインではGHCヘビー級王者の潮崎豪に、鈴木軍のシェルトン・X・ベンジャミンが挑戦。前日の記者会見では、ベンジャミンが潮崎をテーブルの上にパワーボムで叩きつけ、王座奪取を強烈にアピール。「ノアを守る」と語る潮崎にとって、初防衛戦から正念場を迎えることに。
開始のゴングと同時に不敵な笑みを浮かべたベンジャミンは序盤、グラウンドの攻防で王者をコントロール。そして、場外でコーナーポスト付近にテーブルを立てかけると、そこ目掛けて潮崎にスピアー。この衝撃で机は真っ二つとなり、場内のどよめきを誘う。
その後もベンジャミンは怪物的なパワーで潮崎に怒涛の攻撃。エプロンサイドや、コーナーへのパワーボムで、潮崎を痛めつけていく。そして再び、場外にテーブルを設置すると、リング内からパワーボムで投げつけるべく、潮崎を一気に抱え上げる。しかし、潮崎はフランケンシュタイナーケンで切り返し、なんとか危機を回避。さらに、場外のベンジャミン目掛けて、決死のノータッチ式トペコン・ヒーロを敢行する。
その後、両雄は一進一退の攻防を展開。潮崎はショートレンジのラリアットからリミットブレイクを炸裂させるが、ベンジャミンは意地のキックアウト。だが、最後は潮崎が豪腕ラリアットを炸裂させて激勝。30分を越える苦しい戦いを制し、初防衛に成功した。
試合後、潮崎は勝利者インタビューでファンに感謝の言葉を送ると、「ひとつ、お願いがあります。ノアを出ていった人間が言うのは違うかも知れませんが、田上さん、丸藤さん、そしてノアの選手のみなさん、ファンのみなさん。俺をノアの一員として入れてください、よろしくお願いします!」と再入団をアピール。その言葉に場内が拍手を送る中、丸藤が姿を現し、潮崎を故・三沢光晴さんの遺影の方向に向かせると、その背中にノアのジャージかけて、リングをあとに。涙ぐんだ潮崎は「これからはノアの潮崎豪として、GHCの誇りを守っていきます! そして自分の地元の熊本にも、みなさんにも光を照らしていきます!」と宣言。
そして潮崎が花道を戻ると、なんと前GHCヘビー級王者の杉浦貴がパイプイスを持って襲撃。何度もイスを潮崎に振りおろして嵐のように去っていくと、グロッキー状態の潮崎はセコンドに担がれるように退場していった。
写真提供/プロレスリング・ノア
■プロレスリング・ノア『Emerald Spirits 2016 in KORAKUEN』
6月12日(日)
東京・後楽園ホール
★主な試合結果
●第5試合 60分1本勝負
GHCジュニア・ヘビー級タッグ選手権試合3WAYマッチ
<第27代王者組>
○小峠篤司(ノア)
原田大輔(ノア)
(16分26秒 キルスイッチ→エビ固め)
<挑戦者組>
×TAKAみちのく(鈴木軍)
タイチ(鈴木軍)
VS
<挑戦者組>
邪道(新日本プロレス/CHAOS)
外道(新日本プロレス/CHAOS)
※原田&小峠が3度目の防衛に成功
●第6試合 60分1本勝負
GHCタッグ選手権試合
<第34代王者組>
○矢野通(新日本プロレス)
丸藤正道(ノア)
(12分33秒 逆さ押さえ込み)
<挑戦者組>
×デイビーボーイ・スミスJr.(鈴木軍/K.E.S)
ランス・アーチャー(鈴木軍/K.E.S)
※丸藤&矢野組が初防衛に成功
●第7試合 60分1本勝負
GHCヘビー級選手権試合
<第26代王者組>
○潮崎豪(フリー)
(30分41秒 豪腕ラリアット→片エビ固め)
<挑戦者>
×シェルトン・X・ベンジャミン(鈴木軍)
※潮崎が初防衛に成功
※そのほかの試合結果・詳細についてはプロレスリング・ノアオフィシャルサイトでご確認下さい。