“ROH”遠征の常連メンバーとしてラインナップされる男・KUSHIDA選手。日本とは違った“無差別級”のリングであるROHの魅力、その『HONOR RISING:JAPAN2016』来日メンバーについて徹底インタビュー!【前編】
■今回のリーサルは、“ROHの看板選手”として、トップの責任を背負ってくるハズ
——さて、KUSHIDAさん。まず、今回のメンバーを見て感想はいかがですか?
KUSHIDA もう「ROHのトップどころが完全にまるまる日本にやって来るな!」っていう印象です。逆に洩れてるメンバーが、ほとんどいないんじゃないですかね。
——そうですか。来日不能となったアダム・コール選手は残念でしたけど。
KUSHIDA ええ。彼を除けば、パッとは思いつかないぐらい。今回のメンバーは、ボクらがROHに行くと、必ずいるメンバー。必ず会場を主に盛り上げてるメンバーですね。
——では、選手1人1人について伺いたのですが、KUSHIDAさんから見て、“ROH世界王者”のジェイ・リーサルはいかがですか?
KUSHIDA ボクは、一昨年ROH世界TV選手権を賭けて、ニューヨークでリーサルに挑戦しました。彼は、つかみどころのないオールラウンドプレイヤーという感じで。1.4東京ドームにも来日しましたけど、日本のお客さん的には、やっぱりマイケル・エルガンに目がいったと思うんですよ。
——たしかにそうですね。
KUSHIDA だから、ドームでは少し印象が薄かったかもしれないですけど、今回は正真正銘、“ROHの看板選手”としての来日。トップの責任を背負ってくるんじゃないですか?
——なるほど。気構えが自然と違ってくるというか。
KUSHIDA しかも、ROHのトップを張るってことは、一番コアなファン、レスリングを見る目が肥えているファンが多く観られるということ。チャンピオンへの目が厳しい中、かなり長い間、王座を保持してるわけで。その実力は侮れないですよ。
——あと“必殺”のリーサル・インジェクションは華がありますよね。
KUSHIDA ボクもアレでやられましたけど(苦笑)。彼は、ジュニアとヘビーの中間ぐらいの体格、動きもそうですけども。そういう意味で、リーサルという選手が、いまのROHの“無差別級”の流れを象徴していると思います。言い換えれば、階級は関係なく、誰にでもチャンスがあるリングなんですよ。
■ロデリック・ストロングがリングに上がると、お客さんがすぐに「ROH!ROH!」って反応するんです
——では、まだ新日本プロレスマットに初上陸する、ロデリック・ストロング選手は?
KUSHIDA 彼はですね。日本で言うと誰だろう……。いわゆる“地味強”タイプですよ。派手さはそれほど無いものの、実力はたしかなモノがあり、シッカリと強さを感じさせる選手。
——ストロング選手はヘビー級ということでよろしいですか?
KUSHIDA いや、体格的には、リーサルと同じくらいですね。で、じつは自分は、去年フィラデルフィアで彼とシングルマッチして、マッチ・オブ・ザイヤーをいただきまして……。
——おっ、そうでしたっけ。
KUSHIDA いただいたというか、それは完全に自己判断なんですけども(笑)。まあ、第2試合を大いに盛り上げまして、非常にボク自身も手ごたえがあった試合です。
——自分でマッチオブザイヤーを決定してましたか(笑)。昨年、オカダ選手とも好試合を展開していましたが?
KUSHIDA ええ。彼は各種バックブリーカーの使い手ですね。いろんな角度から、バックドロップから抱え上げて、ヒザだったり、ブレーン・バスターにいくと思わせて、180度相手を回転させて、最後はヒザで剣山するみたいな。セルフ式剣山みたいな技とかやりますね。……あ! 似ている選手がいましたよ!
——誰でしょう?
KUSHIDA クリス・ベノワに近いですね! ペガサス・キッド的な、ワイルド・ペガサスっぽい選手ですね。
——どれも一緒の選手ですけど(笑)。じゃあ思い切りがいいタイプというか。ストロング選手は、ROH世界TVチャンピオンで来日しますね。
KUSHIDA ええ。彼は“ミスターROH”って言われるぐらい、長くROHで活躍してる選手。ファンの信頼度はバツグンですね。だから彼がリング上がると、お客さんがすぐに「ROH!ROH!」って反応する。まさにROHを象徴する選手ですね。
■現地では、ムースがなにか技を繰り出す度に、お客さんと本人が「ムース!」って言うんですよ
——で、今回の注目の初来日選手、ムースはいかがですか?
KUSHIDA ムースはですねえ。じつはボクはその昔、1カ月ほど、彼とルームシェアをしてましたね。彼は身長198cmぐらいあるんで。めっちゃくちゃデカいです!
——アメフト出身なんですよね?
KUSHIDA ハイ。プロのアメフトで凄く有名な選手だったらしいですよ。で、それを辞めて、プロレスに転向すると決めた時、カナダのカンナム道場ってところがあるんですけど、そこにボクもいたんです。で、2010年に彼がその道場に入門して来たんですよ。
——ホントに駆け出しの頃をよく知ってましたか。
KUSHIDA ええ。しかも最初の第一歩ですから(笑)。まず、受け身からスタートして。その道場では、スコット・ダモールっていう人がコーチで、その人を頼ってボクのアパートまで来たんですね。で、「おまえ、KUSHIDAと一緒に住めよ!」って感じで。
——ただ、この巨漢ですし。ルームシェアって言っても、そんなにアパートも広くないですよね?
KUSHIDA いや、カナダなんで部屋自体、広いは広いんですけど。各部屋があって、キッチンだけ共用なタイプで。ただ、あの体格ですから、圧迫感はありました(笑)。まあ、当時はそれほどコミュニケーションはとってなかったんですけど、一昨年かな? フィラデルフィアのROHと新日本プロレスのトライアウトの時に偶然再会して、「あっ! あん時のヤツだ!」って感じで向こうから話し掛けてきました(笑)。
——見た印象では、ルックス的にも、プロレスをやっていた時のボブ・サップみたいな選手というか。
KUSHIDA ええ。なんか現地では、チョップとか、ムースがなにか技を繰り出す度に、お客さんと本人も「ムース!」って言うんですよ。これ、できれば、日本でも言ってほしいですね。
——日本人選手のエルボー時に「オーイ!」みたいな声を出す感じで。あと、入場の時も音楽に合わせて「ムース! ムース!」って掛け声がありますよね。
KUSHIDA あれ、やってほしいですね。まあ、ムーズはイイ意味で、メチャクチャ荒削りです。ただし、自分の体格や瞬発力はよく知っている。キャリアは全然ないですけど、将来性という意味ではピカイチですね。
■ムースが大ブレイクして、エルガンがジェラシーを抱く。ボクの目は、もうそこまで見えてます
——ここまで大きい選手だと、新日本プロレスのどの選手と闘えばいいですかね。やっぱり、オカダ選手ですかね。
KUSHIDA そうですね。まあ、ムースは年齢的にも若いですし。しかも「これから成り上がってやろう!」という気概をビンビンに持ってます。ROH遠征に行っても控室で「俺は、いつ日本に呼んでくれるんだ?」みたいな。控室でもアピール度が凄いですね、ガツガツきますよ(笑)。
——自分を積極的にアピールしてくるタイプですか。
KUSHIDA だから、今回の来日には、相当に気合い入って来るんじゃないですかね。彼にとったら、憧れのジャパンなんで。ここで評価を高めれば、世界的な評価もイッキに上がるので。本当にビッグチャンスだと思いますね。
——しかもそのムースと2日目に、タッグを組むことになりました。
KUSHIDA ええ。実質は2週間くらいでしたけど、“チーム・ルームメイツ”もしくは“チーム・カナダ”としてがんばろうかなと(笑)。まあ、今回はボクがムースをコントロールして、彼の日本デビューのお膳立てをしたいなと。まあ、ボクの目は、ムースが今回大ブレイクして、マイケル・エルガンがジェラシーを抱く。もう、そこまで見えてます(ニヤリ)。
——エルガンが地団太を踏むところまで見えてますか(笑)。
KUSHIDA ええ。そのくらい爆発力と可能性を秘めた選手なので。振り返って、今回はムースの大会だったなと思わせる。そのくらいの強力なポテンシャルを秘めていると思いますよ。
※後編に続きます!
■『HONOR RISING:JAPAN 2016』 2月19日(金)18:30〜東京・後楽園ホール ★チケット情報はコチラ!
※「指定席」は残り僅かとなりました。
※当日券は「16:00」より発売いたします。