12月23日(木・祝)、東京・大田区総合体育館で『プロレスリング・ノア 旗揚げ15周年記念大会 DESTINY 2015』が行なわれ、3210人(超満員)を動員。鈴木軍の面々とノアの精鋭たちによるGHC4大選手権をはじめ、激闘が続出。満員のファンの興奮を呼んだ。
■「アイツはこんなもんじゃない」潮崎がマイバッハを粉砕!
第2試合ではキャプテン・ノアがクワイエット・ストーム&平柳玄藩とのトリオで、齋藤彰俊&モハメド ヨネ&北宮光洋組と対戦。6人それぞれが持ち味を発揮したタッグ戦は、最後にヨネがキン肉バスターでキャプテン・ノアをピンフォール。
第4試合では全日本プロレスを退団し、11月から古巣であるノア復帰を果たした潮崎豪が、かつてコンビを組んでいたこともあるマイバッハ谷口と一騎打ち。潮崎はこれまで鈴木軍に軍団入りの誘いを受けるも完全拒否の構えを見せ、今後の動向が注目を集めている。
試合はゴングを待たずに、谷口が刺又で潮崎を急襲。その後も場外戦やラフ殺法でペースを握る。しかし、潮崎も谷口のブレーンバスターを力ずくで切り返し、さらには逆水平チョップで快音を響かせて反撃開始。そしてノータッチのトップロープ越えトペ・コンヒーロを敢行し、場内をどよめかせる。
その後も潮崎はフライングショルダー、トラースキック、フィッシャーマンバスターと一気呵成に攻め込み、とどめとばかりにラリアットを狙うが、これは逆に谷口がラリアット。そして潮崎にハイアングルのパワーボム、高角度のチョークスラムをお見舞い。だが、続くフライングボディプレスは潮崎がヒザを立てて迎撃。その後も一進一退の攻防を繰り広げる両者。終盤、潮崎は得意技のゴ—フラッシャーを決めるが、谷口はカウント3ギリギリでキックアウト。そして、谷口はなりふり構わず頭突きを連発するも、最後は潮崎が豪快なショートレンジのラリアットをお見舞いし、ピンフォールを勝ち取った。
●潮崎豪のコメント
潮崎「正直、いままでの北宮選手、クワイエット・ストーム選手、ヨネ選手、齋藤選手、その4つは自分の中で、意味を込めて闘ってきたつもりです。ただ、今日のマイバッハ谷口選手に関しては、俺自身が、俺がノアに上がり続けることになるとしたら、マイバッハ谷口選手は俺はノアをもっと高い位置に上げていけるレスラーの一人だと思ってね、今日は試合しました。が! まだまだ。ウン。俺がいなくなって、ノアを一度離れて、その月日……マイバッハ谷口が歩んできた道筋というのを今日の試合でまったく感じなかった。俺はまだ、マイバッハ谷口の強さというものはまったく感じていないですね。たしかにパワーはある。でも、そこはそれだけ。今日の彼に関しては、もっともっと熱い闘い。彼が俺を潰しに来るような試合ができると思ってたし、そこまで観ている人たちもあんまり納得いっていないんじゃないかな。俺はまだまだアイツに関しては、もっと厳しくいきたいし、厳しく来てほしいし。絶対にアイツはこんなもんじゃない。それを感じましたね」
——これから組むのではなく、これからも激しく闘って、高見を目指していく?
潮崎「俺なんて、ノアに戻ってきましたけど、一人ですからね? ノアの人間、誰かと組むということは考えていないし。みんな、誰も俺に関しては、いい感情を持っていないと思うし。その感情は試合に出ると思うんですよね。まあ、マイバッハ谷口……いや、谷口だな? 谷口には厳しさというものは感じなかったっすね」
——来年に関しては?
潮崎「そうすね。やはり、今日の大会名も『DESTINY』、運命という名前が付いてますけど、俺がここに戻ってきた、ノアのリングに立つことも運命だと思うし、その運命の歯車を動かす試合をもっともっとしていきたいっすね」
■杉浦が飯塚に完全勝利! 中嶋はベンジャミンから逆転勝利!
第5試合では飯塚高史が杉浦貴と激突。飯塚はリングインと同時に相手に襲いかかるが、杉浦はこれを予期していたかのように迎撃。そして、飯塚をエプロンサイドに追い出すと、助走をつけてフロントキックを狙う。だが、飯塚はこれを受け止めると、その足に噛みつき攻撃。そして、そのまま場外戦に引きずり込み、ラフ殺法でペースを握る。さらに飯塚はヒモを用いて、杉浦に対して執拗にチョーク攻撃。
怒りの杉浦はブレーンバスターで抱え上げると、そのまま前方に放り投げ、飯塚の顔面に串刺しニー。そしてオリンピック予選スラムを狙うも、飯塚はレフェリーを巻きこむかたちでディフェンス。さらに飯塚はチョーク攻撃から杉浦の股間に一撃を叩きこみ、場外からイスを持ちこむ。それを杉浦は阻止しようと体当たりを食らわせるが、レフェリーも巻き添えとなって昏倒。このスキをついて飯塚はイス攻撃の連発からアイアンフィンガーフロムヘルを狙うが、杉浦はこれを交わすと投げっぱなしジャーマン。そして、ダッシュして飯塚の顔面にニーを叩きこむと、さらに後頭部にエルボーを連発。最後はオリンピック予選スラムを完璧に決め、3カウントを奪取した。
第6試合ではシェルトン・X・ベンジャミンが、中嶋勝彦と対峙。ゴングが鳴っても、しばしにらみ合いを続ける両者。そこからベンジャミンが張り手を食らわすと、中嶋は鋭いキックを連発。そしてベンジャミンをフロントキックで場外投棄。さらに中嶋はプランチャを敢行するが、ベンジャミンはこれを受け止めると、エプロンにパワーボム。そして中嶋の腰回りを持ちあげ、振り子のように鉄柵に叩きつけて、怪力ぶりを見せる。勢いの止まらないベンジャミンは、セコンドのヨネと北宮にも攻撃を見舞う。
リングに戻っても、ベンジャミンの猛攻は止まらず。中嶋は丸め込みを連発するも、ベンジャミンは首固めをブレーンバスターで切り返す離れ業を披露。劣勢の中嶋だったが、延髄斬りでベンジャミンをひるませると、左ハイでダウンを奪う。そして、ドラゴンスクリューを挟んでトップコーナーに登るも、ベンジャミンはこれを追いかけるようにジャンプでコーナーに登り、雪崩式フロントスープレックスで場内のどよめきを誘う。
続いてベンジャミンがトップコーナーに登ると、今度は中嶋が雪崩式フランケンシュタイナーでお返し。だが、続く串刺し攻撃はベンジャミンがカウンターのトラースキック。そして、ベンジャミンはペイ・ダートを狙い、これが中嶋にかわされると、アンクルホールドに切り替えてギブアップを迫る。
ピンチの続く中嶋だったが、ベンジャミンのペイ・ダートを受け止めると、両肩に抱え上げてサイドに落とす。そしてトラースキックの連発から、ハイキックの相打ちを挟んで、ハイアングルのドロップキック。キックの乱れ打ちで相手の動きを止めた中嶋は、尻もち状態のベンジャミンの胸板に強烈なランニングキック。最後は垂直落下式のブレーンバスターでベンジャミンの脳天をマットに突き刺して、逆転勝利を収めた。
■原田&小峠がTAKA&デスペラードに防衛で、V1達成!
第7試合では前GHCジュニアタッグ王者組のエル・デスペラード&TAKAみちのく組が、現王者組の原田大輔&小峠篤司の“桃の青春タッグ”と、王座を賭けてリマッチ。先発のTAKAは原田に目つぶしを見舞うも、青春タッグはコンビネーションで一蹴。さらにデスペラードにもダブルのドロップキック。だが、鈴木軍はうまく原田組を場外に誘い出すと、鉄柱攻撃を敢行。リングに戻ると、デスペラードはコーナーにイスを固定し、そこに小峠をハンマースルーで叩きつけるラフ殺法。鈴木軍がダーティファイトでペースを握る。
小峠をターゲットに絞った鈴木軍はトレイン攻撃。劣勢の小峠だったが、デスペラードにカウンターのニーを叩きこんで原田にスイッチ。原田は鈴木軍二人にフロントスープレックスをお見舞い。そしてデスペラードにエルボーの乱れ打ちから、ノーザンライトスープレックスで固めるが、これはカウント2。続いて、TAKAと対峙した小峠はマグザム。さらにダウン状態のTAKAの顔面にニーを叩きこみ、原田と時間差でトップコーナーからエルボーとボディプレスを見舞う。ここを勝機と見た小峠は、しつこくキルスイッチを狙うが、TAKAも負けじと執拗にジャストフェイスロック。ここでグロッキー状態となった小峠に対し、デスペラードがトップコーナーから攻撃を狙うが、これは原田が雪崩式ブレーンバスター。さらに原田はTAKAを強烈なエルボーで場外追放。
リング上ではデスペラードと小峠がエルボー合戦。小峠は劣勢となるも、ここで原田がデスペラードに強烈なエルボーを食らわしてサポート。そして、小峠はデスペラードにキルスイッチを狙うが、逆にデスペラードはギターラ・デ・ラ・ムエルタの体勢へ。だが、小峠はリバースのフランケンシュタイナーで切り返す。ここで青春タッグはデスペラードに二人がかりでエルボーを叩きこむと、最後は原田のジャーマンから小峠のキルスイッチに繋いで、カウント3を奪取。鈴木軍を返り討ちにし、王座初防衛に成功した。
※TAKA、デスペラードはノーコメント
■12月23日(水)プロレスリング・ノア旗揚げ15周年記念大会
「DESTINY 2015」大田区総合体育館
第2試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負
○モハメド ヨネ&北宮光洋&齋藤彰俊
(9分12秒 キン肉バスター→片エビ固め)
クワイエット・ストーム&平柳玄藩&キャプテン・ノア×
第4試合 スペシャルシングルマッチ 30分1本勝負
○潮崎豪(11分01秒 豪腕ラリアット→体固め)マイバッハ谷口×
第5試合 スペシャルシングルマッチ 30分1本勝負
○飯塚高史(11分6秒 オリンピック予選スラム→片エビ固め)杉浦貴×
第6試合 スペシャルシングルマッチ 30分1本勝負
○中嶋勝彦(16分56秒 垂直落下式ブレーンバスター→体固め)
シェルトン・X・ベンジャミン×
第7試合 GHCジュニアヘビー級タッグ選手権試合 60分1本勝負
○小峠篤司&原田大輔(20分35秒 キルスイッチ→エビ固め)
エル・デスペラード&TAKAみちのく×