今年もやってきた新日本プロレス“タッグの祭典”『WORLD TAG LEAGUE 2015』が開幕目前! これを記念して、ブルーザー・ブロディとの“超獣ミラクルパワーコンビ”で知られる超レジェンド、“不沈艦”スタン・ハンセンさんにタッグマッチ、タッグリーグの魅力を直撃! さらに優勝予想もアリ!
■「なぜタッグリーグは冬にやるのか」だって? それは私にもわからないよ(笑)
——ミスター・ハンセン、お会いできて光栄です。
ハンセン フフフ。よろしく頼むよ。私が答えられることなら、なんでも聞いてくれ。
——11月21日から新日本プロレスでは『WORLD TAG LEAGUE 2015』が始まりますが、今日はハンセンさんに“タッグマッチ”や“タッグリーグ”の魅力についてうかがいたいと思います。
ハンセン オーケー。これまで日本ではたくさんのタッグリーグの大会が開催され、多くの素晴らしい選手、タッグチームが参加してきた。それはなぜか? 日本プロレス界において、タッグリーグが非常に重要なイベントだということが知られているからだ。
——たしかにそういった傾向はありますね。
ハンセン イエス。過去、日本のタッグリーグではたくさんの名勝負が生まれている。新日本プロレスもそうだし、もちろん全日本プロレスの『世界最強タッグリーグ』もよく知られている。
——ハンセンさんはその両方の団体のタッグリーグに参加されてきました。
ハンセン イエス。そのタッグリーグでは、たくさんのチームが活躍している。ハーリー・レイス&ラリー・ヘニング、テリー(・ファンク)&ドリー(・ファンクJr.)、ハンセン&(ブルーザー・)ブロディ、ジャンボ(鶴田)&(ジャイアント)馬場、(アントニオ)猪木&藤波(辰爾)……。とにかくメニー、メニー(笑)。数えきれないほどの名タッグチームが参加してきた。
——おっしゃるとおりです。ところで、日本ではなぜか冬にタッグリーグが恒例になっていることについて、どう感じていますか?
ハンセン 「なぜ冬にやるのか」だって? フフフ。それは私にもわからないよ(笑)。でも、たとえ外は寒くても、会場では非常にホットな闘いが繰り広げられている。そういった季節感込みの風情が日本のタッグリーグを豊かにしているとは思うね。
——アメリカでもタッグトーナメントというものはポピュラーなんですか?
ハンセン いや、アメリカでもタッグマッチはとても重要な試合形式だけど、日本のようなリーグ戦形式でのタッグ戦というのは聞いたことがないね。これは、日本特有のシステムだと思うよ。
■私とブロディとのタッグは「モスト・ストロング」であり、「常にベスト」だった
——あなたは、新日本プロレス時代の1980年の年末には、『MSGタッグリーグ』でハルク・ホーガン選手と組みました。当時のホーガン選手はタッグパートナーとしていかがでしたか?
ハンセン フフフ。ひとことで言うと非常にグッドだった。ちょうどホーガンがこの業界のトップにかけ昇ろうとしている最高のタイミングであり、選手としてノリにノッているおもしろい時期にタッグが組めた。知ってのとおり、そのあと彼は世界的スーパースターになっていったからね。
——なるほど。そして、ハンセンさんとのタッグで一番人気が高いのは、やはりブロディ選手との“超獣ミラクルパワーコンビ”です。ブロディ選手はハンセンさんにとってどんなパートナーでしたか?
ハンセン そうだね……ブルーザー・ブロディは、私にとって本当にグレートなパートナーだった。そして、我々のタッグは「モスト・ストロング」であり、「常にベスト」だったと言える。ブロディとのタッグで、数々の成功を重ね、目の前に立つ数々の敵をことごとく粉砕してきた。誰も俺たちを止めることはできなかったね。
——まさに史上最強のタッグチームでした。パートナーであると同時にライバルでもあったと思いますが、やはりブロディ選手とのタッグは特別でしたか?
ハンセン いや、自分はブロディのことをライバルだと思ったことはまったくないよ。
——あ、そうなんですか?
ハンセン イエス。一度だけ、全日本プロレスで彼がジミー・スヌーカと組み、私がテリー・ゴディと組んでタッグで闘ったことはあったが、そのときも単に“対戦相手”という認識があっただけなんだ。まあ、本当はハンセンとブロディが闘うことを望んでいたファンも多かったのかもしれない。ただ、自分の中では“盟友”であり、“パートナー”という気持ちのほうが強かったね。
——タッグチームにはリーダーがいる場合が多いですが、ハンセン&ブロディ組の場合はどうだったのですか?
ハンセン フフフ。見ればわかるとは思うけけど、我々のチームはノー・リーダーさ。2人とも同じように、ともにパワフルでストロング。おたがいがやりたいことをやる。たがいに競い合って、高いレベルをキープし続けたタッグだった。
——ブロディ選手と組むとき、ハンセンさんはどのようなことを心がけていましたか?
ハンセン 心がけていたというより、常に「勝利しなければならない」とは思っていたね。ただただ「勝つこと」にフォーカスしていたよ。ドリー&テリー、ジャンボ&馬場、ジャンボ&天龍(源一郎)、強敵ばかりだったが、いい試合なというよりも、すべてのチームを叩き潰すことばかりを考えていた。
——ハンセンさんがタッグで一番重要だと思うことはなんですか?
ハンセン そうだね、やっぱり、シングルとは違って、2人でリングに立つという意識を持つこと。そして、自分のタッグパートナーのことをよく知ること。これがタッグマッチで非常に重要なことだと思う。けして、シングルマッチのかけ合わせじゃないのさ。
——いままで一番心に残っているタッグマッチは?
ハンセン う〜ん。たくさんありすぎて、「これ」と絞るのは非常に難しいね(苦笑)ただ、ブロディとのチームで闘った馬場&鶴田、テリー&ドリーの数々の試合、それは印象に残っているよ。
——日本のファンが期待していたハンセン&ブロディvsロードウォリアーズ(ホーク・ウォリアー&アニマル・ウォリアー)が実現しなかったことについて、どう感じていますか?
ハンセン これは残念ながら、実現のタイミングを逸してしまったということだろうね。ロード・ウォリアーズはたしかにベリー・ストロングなチームだった。彼らの実力は認めていたし、我々としても非常に興味があったのは事実さ。実際に闘ったら、どんな試合になったかな? まあ、この試合を「どうしても見たかった」というファンの気持ちは、私にもよくわかるよ(ニッコリ)。
■ワタシは、ナカムラ(中邑真輔)のファイトスタイルを凄く気に入っているんだ
——ありがとうございます。それでは、最後になるんですが、最後に新日本おプロレスの『WORLD TAG LEAGUE 2015』の優勝予想をお願いします。ご存じの選手がどのくらいいらっしゃるでしょうか。
ハンセン (写真を見ながら)フフフ。いや、東京ドームのゲストに呼んでもらったこともあるから、知っている選手も結構、いるよ。たとえばオカダ(・カズチカ)。彼は非常に才能があるね。
——オカダ選手はハンセンさんもご存じでしたか。
ハンセン イエス。あとは、彼はナガタ(永田裕志)でよかったかな? ナガタの試合も好きだよ。あと、コジマもいるのかい? コジマにはラリアットを教えた関係だから、ぜひがんばってほしいね。それから、ナカムラ(中邑真輔)。ワタシは彼のファイトスタイルを凄く気に入っているんだ。
——あ、中邑選手のファイトスタイルがお好きでしたか?
ハンセン イエス。じゃあBブロックはナカムラ組にしよう。それとAブロックはナガタ組。そして最後に優勝するのは……。(手元を見ないように手を空中で回して)彼らだ!
——おお〜、中邑&石井組の優勝を予想されましたね。
ハンセン フフフ。ナカムラのあの独特の動き、試合スタイルは本当に素晴らしい。それからイシイは天龍の弟子らしいじゃないか。彼らに優勝してほしいね。
——『WORLD TAG LEAGUE 2015』にどんなことを期待していますか?