• 2015.10.27
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前田日明氏×木谷高明オーナーが10.12両国大会観戦後に初対談!「ベストバウトは真壁vs石井。オカダはまだまだ“伸びしろ”ありますよ」 
“新日本プロレスOB”であり、UWF〜リングスでも一時代を築いた“格闘王”前田日明氏が、10月12日の両国国技館大会に来場し、リングサイドで試合を観戦。試合後に、新日本プロレスオーナーであるブシロードの木谷高明社長と対談が行われた。
 
はたして前田氏の目は “現在の新日本プロレス”はどのように映ったのか?
 
■会場が本当に上までギッシリと満員だったでしょ? そこにまずビックリしましたね(前田)
 
——さて、前田さん、新日本プロレスの大会を生でご覧になったのはどれくらい振りですか?
 
前田 いや〜、新日本の大会はもうホント、何十年ぶりくらいやね。
 
——2009年(3月6日・後楽園ホール)には「GREATEST WRESTLERS」で表彰されて、リングに登壇されたこともありました。
 
前田 そうだね。でも、あの時も試合自体は見てないんですよ。用事があったからすぐ帰ったんで。
 
——今回、前田さんが両国大会に来場された経緯は、木谷さんからオファーをされたということですか?
 
木谷 そうですね。以前、前田さんとは食事を1回させて頂いただけだったので。ただ、いろいろなお話を伺っていた中で、前田さんに最近の新日本プロレスの試合も是非1回、生で見ていただいてご意見を伺いたいなと。「そこからまた、おもしろいモノが生まれるんじゃないかな」という気持ちがあったので。
 
——今回、前田さんが来場されるということで、昔からのプロレスファンにはかなりの注目、反響がありましたね。
 
木谷 いや〜、やっぱり前田さんがリングサイドに座ってたら、お客さんはザワザワしますよね。
 
——木谷さんは前田さんと並んで試合をご覧になって、前田さんの反応は気になりました?
 
木谷 それは気になりますよ(笑)。やっぱり頷くところは頷いて、こうやって手を叩いて拍手したりとか、「どのへんで反応されるのかな?」とか、ちょっと気になりましたね。
 
——前田さんは、実際に新日本プロレスの両国大会をご覧になって、全体の雰囲気はいかがでしたか?
 
前田 いや〜、会場が本当に上までギッシリと満員だったでしょ? そこにまずビックリしましたね。あと「客層に女性が多い」って聞いたんですけど、見たら実際に多かったんで。女性が多いのと、若い男の子とか、熱狂的なファンもいたりとかして。だから昔のプロレス界とは真逆ですよね。昔はどっちかって言ったら、なんか社会人の大人が中心で、それに連れられてきた若い人だとか、女の人がいてって感じで。
 
——とくに前田さんが、印象に残った選手や試合はありましたか?
 
前田 あの〜、木谷さんから今回、誘われてですね。最初、まだ試合を見ていない段階で、冷静に外部にいて聞こえてくる選手の名前は、オカダ・カズチカ君。「オカダ、オカダ」っていうのがずっと聞こえてたんですよね。
 
——新日本を観てない前田さんの耳にも「オカダ」選手の名前は届いていましたか。
 
前田 で、「どういう選手なんかな?」と思ってね。よく聞いたら、元は別の団体にいて、海外に行って1回辞めてから、また新日本プロレスに入り直したと。そうして彼の名前を聞くと同時に「いま、そういう選手が新日本プロレスには結構入ってる」って話を聞き始めてですね、「やれDDTだ」「やれどこだ」ってインディーズ系の選手のいい子たちを新日本プロレスに引っ張って来て、積極的にマッチメイクされてるという話を聞いて。「あっ、それはいい考え方だな」と思いましたね。
  
——ここ数年、生え抜きだけではなく、インディーからもいい選手は起用する姿勢はありますね。
 
前田 インディーズ系でも団体によって、レベルの高い子っているんですよ。一概にインディーズと言っても、毛嫌いせずによーく冷静な目で選手を観察して評価してね。で、いい選手は、新日本に連れてきて。それに対して新日本の選手も発奮して奮起すると。そういう相乗効果でいい効果って出ると思うんですよね。だから「あっ、そういうモノを狙ってるのかな?」と。「木谷さんは凄く大事なことをやられてるな」と思ってましたね。
 
——なるほど。
 
■「どういうことをすれば、新日本のカンフル剤になるんかなあ」と考えたりしたこともあった(前田)
 
前田 そんなこと思ってたら、最近は観客動員の部分でも「あっちでも満員。こっちでも満員」となってきたと。地方の中堅都市でも、ちょっと前まで、1000人も入らなかった場所に、いまは結構3000人、4000人、5000人と入れるようになったと。「ああ、凄いなあ」と思ってね。
 
——観客動員の好調さも耳に入っていましたか。
 
前田 ただね、じつは、最初に木谷さんが新日本を引き受けた時に、「どうするんかな?」と思ってたんですよ。なんか、その当時は、いまの選手はわかってるような気になって上の人の意見に耳を貸さない、というような話も耳にしてたんで……。
 
——あ、そんな話がありましたか。
 
前田 それは何かっていうと、自分が一番最後に(山本)小鉄さんと会話したのが、亡くなる3カ月か4カ月くらい前なんですけど。そのとき、小鉄さんが「日明、聞いてくれよ!」と。「会場で試合観てたら、ある選手がつまんない試合してたんで、花道を降りてきた時に、『おまえ、いい試合しなきゃダメじゃないか!』と注意したら、その選手が『じゃあ山本さん、いい試合ってなんなんですか?』と食って掛かってきたんで、俺は殴ってやったよ!」と。自分は「えっ? 小鉄さんにそんなこと言う選手がいるんですか?」と驚いたんですけど、「そうなんだ、いまのヤツは……!」っていうね。そういう話も聞いてたので「いや〜、新日本は今後、どうするんかなあ」ってのが、当時の正直な感想でしたね。
 
——亡くなる前の小鉄さんと、そんなエピソードがあったんですか。
 
前田 だから、自分もその頃にチラッとですけど、「どういうことをすれば、新日本のカンフル剤になるんかなあ」と考えたりしたことがあってね。たとえば、インディーズ系や外部からいい選手を入れて、内部で競争心を煽って、出来高主義というか。いい試合をしたヤツをどんどん上に上げる、ダメな試合をしたヤツを落としていく。「それぐらいしかないんかなあ」と思ったこともあるんですよ。
 
——まさにいまの新日本の体制に近いアイデアを持っていたと。
 
木谷 ただ、前田さん、じつはボクがブシロードで新日本プロレスを始めた時と、今日の試合って、そんなには変わってないんですよ。
 
前田 あ、そうですか?
 
木谷 ええ。個人的には、今回よりも4月の両国大会の方が内容的にはよかったかな、と思いますけど。まあ、夏の疲れがまだあるのかもしれない(笑)。ただ、いまの新日本プロレスは、どの選手にも“艶”が凄い出てきてるなっていうのは感じますね。
 
——艶が出ている、選手個人の色気が増してきているというか。
 
木谷 やっぱり観客動員が増えて、お客さんが入るにしたがって、凄くみんな動きや雰囲気がドンドンよくなっていったんで。同じことをやってるんだけども。ですから、じつはブシロードになってから、それほど大変な思いってしたことはないんですね。
 
前田 ああ、そうなんですか。
 
木谷 まあ、内部のことに関しては、ボクは口出ししてないんで。まあ、いくつかお願いはすることはあるんですけども、なかなかボクが言うことも受け入れてもらえないというか(苦笑)。けど、年始の東京ドームの時間差バトルロイヤルなんかはボクからのアイデアだったんですけど。
 
——前田さんが、よくご存じの藤原喜明選手も出られましたよね。
 
前田 ああ、藤原さん、試合してたね。
 
木谷 藤原さんのテーマ曲が鳴った瞬間も、「オオ〜!」っていう大きな反応があって。だから年齢層、お客さんは若いんですけど、なんとなく知っているプロレスの歴史って、やっぱあるんですよね。
 
■ところで、前田さん、試合はおもしろかったですか? どうですか?(木谷)
 
——今日、まさに前田さんが出られた時も、凄くお客さんが盛り上がってましたから。
 
木谷 10代はまだ少ないですけど、20代30代は結構多くて、でも40代50代のベテランのファンの方もちゃんといるんで、年齢のバランスは非常にいいですね。男女の割合はだいたい、3分の1は女性だと思うんですけど、そっちのバランスも非常によくなってるかなと。……ところで、前田さん、試合はおもしろかったですか? どうですか?
 
前田 今日、一番おもしろかったのは、真壁(刀義)の試合が今日のベストバウトでしたね。
 
——ファンの方も、石井(智宏)選手が勝った瞬間、前田さんが拍手をしていたとTwitterで話題になっていましたね。
 
前田 まあ、真壁の試合がベストバウトで、その次は、オカダの試合もよかったですね。AJ(スタイルズ)を相手にこう、うまーくね。なんか結構AJはせっかちで、パッパといこうとするんですけど、うまく試合を引っ張ろうとするんですけど。いくつかちょっと違うなという部分もあったけど。一番最後は、オカダがシッカリ試合を締めくくりましたから。……いや、オカダはね、まだまだ“伸びしろ”ありますよ。少し試合中にバタバタするところもあるけど、そういう部分が直ってね、もっと試合の引っ張り方を考えたり、アクションとかの動作を大きくしてたら、さらによくなる思いますね。あと身体も作って。彼はもう少し身体の線が太い方がいいよね。
  
——前田さんの関わりのある選手だと、柴田勝頼選手はいかがでしたか?
 
前田 あの〜、柴田はせっかちなんだよなアレ、凄い(笑)。「なんであんなに焦るのかなあ?」と思って観てましたけど。
 
——柴田さんの試合を観たのは、ひさびさでしたか?
 
前田 ええ。でも、今日はタッグマッチだったからね。タッグマッチは、なんていうかあんまり選手を評価する試合じゃないんだよね。やっぱりシングルマッチですよ、選手を評価しようと思ったらね。
 
木谷 さっき言われた、真壁vs石井戦は、今年もう何度もやってますけど、今日の試合がベストバウトだったような気がしますね。
 
——真壁選手は試合中、かなり記憶が飛んでたみたいですね。
  
前田 まあ、石井も真壁も2人とも、わかってるんですよ、プロレスのリズムをね。観客が見ているリズムと、自分たちが見せなきゃいけないリズムと。それをうまーく合わせる感覚を持ってるんです、2人ともね。そういう部分は、オカダも結構ありますよね。
 
■昭和とかじゃなくてね。プロレスのやり方の基礎を真壁と石井はよく知ってますよ(前田)
 
——セミファイナルの棚橋弘至選手の試合(vs内藤哲也)はご覧になっていかがでしたか?
 
前田 うーんとね。まあ、自分からすると、棚橋に限らず、新日本のレスラーの悪い部分でいうと、なんかバタバタし過ぎちゃう部分があるんですよね。で、試合では、あれもこれも詰め込み過ぎちゃって。なんて言うか、観客がジックリ見てるヒマがないんですよ。あれもこれもとギュウギュウに詰め込んじゃって。なんて言うかな、キャリアはある程度、10年くらいで、だんだんわかってくると思うんですけどね。試合的にはちょっと詰め込み過ぎなのかなって。
 
木谷 そこは、おそらく4年前からあまり主要メンバーが変わってないこともありますね。だいぶ、試合を積み重ねてきてるんですよね。例えば4年前は、3の攻防をしたとしたら、次4とか5にしていかなきゃいけないじゃないですか。メンバーが変われば、攻防の種類が変わるんでいいんですけど、やっぱりメンバーが変わってないのが、一番の理由かなと。
  
——ただ、前田さんにしてみれば、こうやって古巣の人気が盛り上がってきてるのは嬉しいことですか?
 
前田 いや、いいことじゃないですか、なんかね。なんか選手は“いい男”が多くなりましたよね(ニッコリ)。なんか女の子のファンが増えるのは、非常にわかる気がしますね。
 
木谷 ただ、いい男ばかりじゃなく、矢野(通)さんみたいな選手も不思議な人気の出方もするんですよね。もう完璧な反則で勝ってるのに(苦笑)。
 
——前田さん、バックステージでは、真壁さんや柴田さん、桜庭さんと挨拶されたようですが。ほかの選手とも結構、顔を合わされましたか?
  
前田 いや、挨拶って言っても、全然知らないからね、いまの選手は。ただ、真壁は毎年ね、正月に地方の行事でいつも会うんですよ。もうかれこれ十何年前から知ってますよ、彼のことはね。
   
——その真壁選手や石井選手は、いまの時代でも昭和の匂いを感じさせるような闘いぶりをされますが?
 
前田 いや、昭和とかじゃなくてね。プロレスのやり方の基礎をこの2人はよく知ってますよ。オカダも若いんだけど、そこは肌感覚でわかってるんですよね。ただ、棚橋とかはあまり変わってないかな。まあ、いまの選手はマスカラス風に技をキレイに見せるんだよね、なんでも。棚橋のいいところは、そこだよね。キレイにピシッと決める部分がある。
 
——棚橋選手は、前田さんの眼前に、場外へのハイフライフローを見せました。
 
前田 でも、アレやね。いまのプロレスは昔より、さらに飛んだり跳ねたりが多くなったでしょ? 逆に、体重が軽くなってる分、昔に比べると、動きも複雑になってるんで、ケガも多いだろうし。いまの試合がもっとドンドン高度になって、コーナートップから「なにやる・これやる」となって、なんかアクシデントがあったら、ちょっと恐いですよね。……ただ、伸びしろある選手は結構いましたね。オカダなんか、いま何歳ですか? 
 
——28歳ですね。
 
前田 28歳か、まだまだですよ。身長は何センチある? 190センチ? 俺と同じくらいだね。じゃあ、体重は100キロあるかないかくらいかな?
 
——体重は結構、絞ってるみたいですね。あとオカダ選手は足もかなり速いですけど。
 
前田 まあ、体重は、もっと110キロぐらいあっても全然大丈夫ですよ。俺が、UWFで一番バリバリやってる頃って、だいたい110〜115キロの間でしたから。まあ、彼はまだまだ伸びしろがあると思うから、ぜひがんばってほしいですね。
 
 
■前田 日明(まえだ・あきら/1959年1月24日・大阪府出身)
1977年、佐山聡にスカウトされ、新日本プロレスへ入門。 同年8月25日、新潟・長岡市厚生会館の山本小鉄戦でデビュー。 1982年2月より渡英して武者修行を開始。12種類のスープレックスをひっさげ凱旋帰国する。
1984年4月に第1次UWF旗揚げに参加した後、1986年1月に新日本のリングに復帰。1988年の第2次UWF旗揚げを経て、 1991年に「ファイティング・ネットワーク リングス」設立。1999年2月21日、横浜アリーナにおけるアレキサンダー・カレリンで現役を引退。
現在は、リングスCEO、総合格闘技イベント「THE OUTSIDER(ジ・アウトサイダー)」のプロデューサーとして活躍中。
 
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