柴田と天龍が初タッグを結成し、鈴木&飯塚に快勝! 天龍は引退試合の相手オカダを挑発!「あのヤローをブッ潰してやります!」【9月2日(水)天龍プロジェクト試合結果】
■天龍プロジェクト『〜天龍源一郎 引退〜Revolution FINAL TOUR in KORAKUEN』
9月2日(水)
東京・後楽園ホール
観衆:1648人(超満員)
天龍源一郎の引退シリーズとして開催された“最後の”後楽園ホール大会に、新日本プロレスの選手たちが出場。
天龍は今大会の直前に記者会見を開き、11月15日(日)の引退興行で行われる引退試合がオカダ・カズチカとのシングルマッチになったことを発表した。
●第5試合 30分1本勝負
空牙
〇石井智宏
(16分55秒 垂直落下式ブレーンバスター→片エビ固め)
×藤田ミノル
火野裕士
■試合経過
新日本プロレス随一のタフガイである石井が、“師匠”天龍の後楽園ラスト興行へ出場。道頓堀プロレスの空牙とタッグを組み、KAIENTAI-DOJOの火野&東京愚連隊の藤田と対決。
石井がショルダータックルを連発するも、火野が受け止めて反対に石井を吹き飛ばす。そして、強烈な逆水平チョップを3連発で見舞うが、石井はカウンターショルダータックル、ヘッドバットで報復。
空牙対藤田の場面。空牙の霧吹き攻撃を藤田が回避し、替わった火野がショルダータックル。さらに、石井を軽々と持ち上げ、後方へ投げ捨てる。そして、セントーンを繰り出すも、石井が回避し、空牙がスイングDDTで逆襲。
石井対火野となり、ブレーンバスターを仕掛けた石井を火野が反対に投げ捨て、セントーンをお見舞い。その後、激しいチョップ合戦が繰り広げられ、物凄い衝撃音で場内が騒然となる。すると、火野が手を後ろで組み、胸を突き出して挑発。石井が逆水平チョップ連射、ヘッドバットを食らわせるも、火野がカウンターラリアットでなぎ倒した。
石井対藤田の場面。藤田が石井の頭部へジャンピングハイキックを浴びせ、雪崩式フランケンシュタイナー。そこから藤田と火野がトレイン攻撃を敢行し、藤田のボディスラムから火野がボディスプラッシュ。
だが、空牙が援護に入って藤田を変型大外刈りで叩きつけ、石井がパワーボムで追い討ち。そして、石井と空牙がダブルショルダータックルで追撃し、石井がスライディングラリアットを食らわせる。その後、石井が火野をジャーマンスープレックスホイップで叩きつけるも、藤田が石井に飛びつきスタナー。
次に藤田は、延髄斬りからのツームストンパイルドライバーで石井を突き刺す。そして、ブレーンバスターの掛け合いから石井を丸め込む。だが、キックアウトした石井がカウンターラリアットで逆転。そこから垂直落下式ブレーンバスターをさく裂させ、藤田を倒した。
●第6試合 60分1本勝負
〇柴田勝頼
天龍源一郎
(20分26秒 PK→片エビ固め)
×飯塚高史
鈴木みのる
■試合経過
天龍が柴田と組み、鈴木軍の鈴木&飯塚と闘うメインイベント。柴田は新日本プロレス在籍の若手時代に何度も天龍と対戦しており、今回が最初で最後のタッグ結成となる。
柴田対鈴木で試合が始まり、鈴木がヘッドシザース。これを柴田が脱出し、間髪入れずにローキックを放つも、鈴木が回避。その後、今度は柴田がヘッドシザースを極めるが、鈴木が脱出。そして、控えの天龍にフロントハイキックで不意打ち。
これで天龍対鈴木となり、天龍がいきなり張り手。そこから激しいチョップ合戦になり、両者がもつれてロープ際に行く。すると、控えの飯塚が背後から天龍にチョーク攻撃。
これで天龍の動きが完全にストップし、飯塚が顔面攻撃、チョーク攻撃、鈴木が“反則”腕ひしぎ逆十字固めなどで集中攻撃。それでも天龍はグーパンチと逆水平チョップで飯塚に逆襲。タッチを受けた柴田は、控えの鈴木にジャンピングフロントハイキックを食らわせ、飯塚には串刺し低空ドロップキック、フロントネックチャンスリー、エルボースマッシュ連打、グーパンチ&逆水平チョップ連射。
ところが、鈴木が柴田のロープワークを妨害し、トップロープ越しの腕ひしぎ逆十字固め。これをきっかけに激しい場外乱闘となり、鈴木が柴田、飯塚が天龍をたっぷり痛めつける。
これで今度は柴田が孤立し、鈴木がパンチ、張り手、飯塚がチョーク攻撃、顔面攻撃。それでも柴田は鈴木とのエルボー合戦へ持ち込み、カウンタードロップキックで逆転。
ようやく出番となった天龍は、鈴木へ逆水平チョップ、グーパンチ&逆水平チョップ連射。さらに、妨害に来た飯塚をパンチ1発で蹴散らすと、WARスペシャルで鈴木に追い討ち。
柴田対鈴木となり、鈴木が和田京平レフェリーの死角を作り、飯塚が場外からイス攻撃。そして、飯塚がチョーク攻撃のままフォールに行くが、和田レフェリーが厳しくチェック。すると、飯塚が柴田にマンハッタンドロップを見舞い、直後に鈴木がランニングローキック。だが、天龍がアシストに入り、柴田が鈴木、天龍が飯塚にコブラツイストを極める。
さらに柴田が飯塚を羽交い絞めにし、天龍がカウンターラリアットをお見舞い。そして、天龍が鈴木にパンチを食らわせると、柴田がジャンピングフロントハイキックで追撃。
その後、柴田が飯塚にスリーパーホールド、延髄斬り、天龍が逆水平チョップ。さらに、柴田が再びスリーパーで飯塚を弱らせ、PKでとどめを刺した。
試合後、天龍と鈴木が乱闘を展開。そして、天龍と柴田がリング上であぐらをかき、鈴木を激しく挑発した。
鈴木と飯塚が退場すると、天龍と柴田はガッチリ握手。そして、天龍が「長いあいだ、ホントにこんなぶきっちょな大したことないレスラーを諦めもせずに(応援してくれて)、ホントにありがとうございました!」と後楽園に集まったファンへ感謝の挨拶。さらに、引退試合で対戦するオカダの名を出し、「あのヤローをブッ潰してやります!」と力強く宣言した。
■試合後コメント ——天龍選手とのタッグはいかがでしたか?
柴田「昭和を味わう最後のチャンス。ま、俺にとってはね、こういう形で。若手のころもさんざん闘って来てるんで、同じコーナーに立って、学ぶもの、受け継ぐもの、たくさんありましたね。今日、同じコーナーに立てて光栄です」
——若手時代にはいつも天龍さんの(テーマ曲)「サンダーストーム」を聞くことが多かったと言っていましたが、今日は柴田選手が勝って自分のテーマ曲がかかりました。
柴田「それもひとつの恩返しだと思います。以上! ありがとうございました!(※と言い残して去る)」
※天龍が遅れてインタビュースペースに登場し、柴田を呼び戻してガッチリ握手。
天龍「ありがとう」
柴田「ありがとうございました!」
——天龍プロジェクト最後の後楽園大会を、勝利で飾ることができましたが?
天龍「そうですね。彼らも強敵でしたけどね。某誌の対談で彼(柴田)と会話することになりまして。プロレスに秘めたる熱い思いというのは伝わりましたから。俺が引っ張って彼の弾けるところを見られたら、お客さんも喜ぶだろうと。最後の後楽園にして、万々歳で終わったと思いますよ」
——2人の共通点は反骨心だと思うのですが?
天龍「あぁ・・・俺はこんなふうに、柴田君ほどひねくれていないですけどね(笑)。前にも言ったけど、あの4人はね、鈴木みのる、飯塚、天龍、柴田って、みんな自分で自分のキャラクターを見つけて成り上がった者ばかりだったから。そういう意味では、試合やりながら楽しめた部分というのはありましたね」
——鈴木選手とは久しぶり対戦だったと思いますが?
天龍「ええ。あいかわらずでしたね。口とやることが違う、あんなヤローはめずらしい。いないですよ、あんなの」
——柴田選手、天龍選手の横に立っていろいろ感じるものがあると思いますが?
柴田「はい。そうですね。こういう日が来るんだとは・・・ちょっと思ってました。入門してから常に聞いていた(天龍の)テーマ曲、一緒に闘うのは初めてなんですけど、何か懐かしさもあり、新鮮さもあり。そこで何かプロレスとは・・・教えられている気がしました。今日は本当に光栄ですね」
——鈴木選手とは試合後も殴り合っていましたが?
天龍「そうですね。あれが彼なりの“惜別の念”だと思ってますけど。まあ、俺もめいっぱい殴ったから、どうってことないですよ。これで五分と五分だと思います」
——柴田選手、途中でチョップとグーパンチを出していましたが?
柴田「思いつきで・・・(苦笑)。今日の一番の敵は天龍さんでした(キッパリ)」
——その一番の敵に勝てたと思いますか?
柴田「どうでしょう!? ・・・勝ってないですね。自分がやれるのは今日のここまでで。今日がホントに、天龍さんから昭和のプロレス味わう自分にとって最後のチャンスだったんでね。それはしっかり形にできたと思います。だから、今後、自分が何をやって行くか?というと、『コイツいればプロレス界は大丈夫だろう』と思わせるような闘いを、常にして行くだけですね」
——天龍選手、最後に引退試合の相手を「ブッ潰す」とファンに約束していましたが?
天龍「今日もね、柴田選手を通して、おぼろげながらオカダ・カズチカの攻略法を、自分なりにシミュレーションできましたから。大丈夫ですよ。ブチ壊してやりますよ」
【写真:山本正二】