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7月18日（土）、東京・後楽園ホールで開催された「プロレスリング・ノア旗揚げ15周年記念大会 vol.1」に、同マットを席巻する鈴木軍のメンバーをはじめ、第三世代の雄・中西学や、「グローバル・ジュニア・ヘビー級リーグ戦2015」のAブロックにエントリーした田中翔が参戦。1805人（超満員）の観衆を前に、ノアの精鋭たちと激闘を展開した。
メイン（第9試合）ではGHCヘビー級王者の鈴木みのるが3度目の防衛戦として、“帝王”高山善廣を迎え討った。かつてはタッグを組み、ともにIWGPタッグ王座を巻いたこともある両雄。しかし、鈴木軍の狼藉に対し、自身の古巣であるノアを守るべく立ち上がった高山は、方舟マットに至宝を取り戻すべく、重い打撃で鈴木を追い詰めていく。これに対して、鈴木はセコンドを巧みに利用して反撃。さらにゴングやイスを使った反則攻撃で、高山の額を叩き割る暴挙。
場内に悲鳴が響くなか、高山は驚異のタフネスぶりを発揮。強烈なニーリフトからエベレストジャーマンを鈴木に見舞うが、これはエル・デスペラードがレフェリーの足を引っ張ってカット。幻の3カウントに。ノア勢も鈴木軍の介入を防ごうとするが、難なくこれを返り討ちにしたK.E.S.（ランス・アーチャー＆デイビーボーイ・スミスJr.）や飯塚高史は、高山を徹底して蹂躙。そして、最後は鈴木のスリーパーからのゴッチ式パイルドライバーで万事休す。鈴木が無法ファイトで3度目の防衛に成功すると、場内には怒号が飛び、リングにはモノが投げ込まれる事態に。
ここで姿を現し、次期挑戦者に名乗りを挙げたのが杉浦貴。すると、鈴木は「俺がノアに来た本当の理由はテメーをぶちのめすためだ！ テメーが俺に勝って、俺はここを去った。王様ゲーム最終決着戦、決定だ！」と宣戦布告。そして、場内に向けて「高山には“王”の名を外してもらう。王を名乗れるのは鈴木軍だけ。この俺が“プロレス王”鈴木みのるだ！」と、力強くアピール。試合後のコメントスペースでは「最近はプロレスブームらしいな。プロレスはダンスでもお遊戯でもない、殺し合いなんだ。コッチは命賭けてリング上がってんだ」と語った鈴木。最後は自身のテーマ曲『風になれ』を歌う中村あゆみさんを新たな鈴木軍メンバーとして紹介し、軍団揃って「鈴木軍イチバーン！」と雄叫びを上げた。
セミファイナル（第8試合）にマッチメイクされたのは、鈴木軍のノア侵攻以降、遺恨を深めてきたシェルトン・X・ベンジャミンと杉浦の一戦。同じアマレスをバックボーンに持つ猛者同士、ハイレベルなグラウンドでの攻防を見せれば、互いに一歩も引かないエルボー合戦を繰り広げるなど、意地をぶつけ合う両者。ならばとベンジャミンはアンクルホールドや、杉浦の必殺技であるオリンピック予選スラムで追い込んでいくも、自身のフィニッシュホールドのペイダートを決めるには至らず。最後はベンジャミンの猛攻をしのいだ杉浦が、予選スラムで実力派対決を制した。
第4試合では田中がジュニア・ヘビー級リーグ戦の初戦で、ノアの有望株である熊野準と対峙。新日本マットと同じく、相手に正面からぶつかる田中に対して、熊野はサミングをはじめ、防御としてレフェリーを盾にするなど、若手らしからぬ老獪な試合運びを見せる。しかし、田中は旋回式の豪快なスパインバスター、そして渾身の逆エビ固めで熊野からギブアップ勝ち。幸先いい白星スタートを切った田中は、「コッチはライオンマークを背負ってるんだ！ 負けるわけにはいかないんだ！」と、新日本育ちの矜持を見せた。
第3試合のアーチャー＆スミス＆飯塚＆タイチ＆デスペラードと、マイバッハ谷口＆齋藤彰俊＆北宮光洋＆拳王＆大原はじめの8人タッグマッチは乱闘で幕開け。試合を通して鈴木軍は、タイチの木槌攻撃や飯塚のテーピングを使ったチョーク攻撃など、反則を交えながら試合を優勢に進める。終盤、K.E.S.が北宮を捕獲。合体フライングラリアットからキラーボムに繋いで、危なげなく勝利を収めた。
第2試合では今回のツアー全戦に参加する中西が、上背こそないものの、腕周り50cmを誇る“肉体派”クワイエット・ストームと真っ向勝負。中西は相手のラリアット連発を耐えきると、強烈なダブルアックスハンドルを叩き込み、最後はアルゼンチンバックブリーカーで担ぎ上げて貫禄の勝利。試合後、中西は「あの豆タンク、凄いの！ おもしろいヤツがおるな。とにかくノアで暴れさせてもらうよ」と、方舟マットでの活躍を誓った。
■試合結果
7月18日(土)東京・後楽園ホール
プロレスリング・ノア「プロレスリング・ノア旗揚げ15周年記念大会 vol.1」
●第2試合 「Physical Force To Crash」 30分1本勝負
中西 学vsクワイエット・ストーム
○中西（5分15秒 アルゼンチンバックブリーカー）ストーム×
●第3試合 「鈴木軍 vs NOAH」10人タッグマッチ 30分1本勝負
ランス・アーチャー＆デイビーボーイ・スミスJr.＆飯塚高史＆タイチ＆エル・デスペラードvsマイバッハ谷口＆齋藤彰俊＆北宮光洋＆拳王＆大原はじめ
○アーチャー（12分35秒 キラーボム→エビ固め）北宮×
●第4試合 グローバル・ジュニア・ヘビー級リーグ戦2015 Aブロック公式戦 30分1本勝負
田中 翔vs熊野 準
○田中（9分01秒 抱え込み式逆片エビ固め）熊野×
●第8試合 スペシャルシングルマッチ 60分1本勝負
シェルトン・X・ベンジャミンvs杉浦 貴
○杉浦（15分52秒 オリンピック予選スラム→片エビ固め）ベンジャミン×
●第9試合 GHCヘビー級選手権試合 60分1本勝負
(第23代王者)鈴木 みのるvs高山 善廣(挑戦者)
○鈴木（27分10秒 ゴッチ式パイルドライバー→ 体固め）高山×
※王者が3度目の防衛に成功
【写真：山本正二】
