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7月18日、都内・明治記念館にて、『バディファイト presents G1 CLIMAX 25』の記者会見が開催。その前に、新日本プロレスの「戦略発表会」が行われた。
木谷オーナーは、ファームの設立や新日本プロレスワールドを主軸とした「21世紀のIWGP構想」、そして「上場を目指していく」と新たなる構想を発表した。
■手塚社長が「リングサイドのカメラ数減少」「企業タイアップ、コラボ企画の強化」を明言
まず、新日本プロレスの手塚要社長が登壇し、「不正アクセスによるお客様情報流出」の件に関して、改めてお詫びをし、頭を下げた。
この「お客様情報流出」と、日頃お客様から頂いた意見を参考にした、現状からの改善点を発表した。これによると、まず「試合が見やすい環境作り」として、「リングサイドのカメラ数を減少させ、リング上を見やすくする」こと。
また会場に関しては「案内掲示の拡大」「マナー啓蒙」「導線確立による、混雑の緩和」などを徹底していく旨も伝えられた。
そして、新規取り組みとして、さらなる「企業タイアップ、コラボ企画の強化」を目指す。その一貫として、今年の「キャラクター＆ブランド ライセンス展」にも出店。新しいコラボプランも企画中とのこと。
加えて、「新日本のグッズをより身近に」というポイントから、『ファッションセンターしまむら』やタワーレコードなどを含めた、さらなる商品販路の拡大、拡充を目指すとコメント。
また新日本プロレスワールド、プロレスやろうぜ、キングオブプロレスリング、LINEスタンプといったコンテンツのさらなる充実も約束。女性やお子様、ファミリー層も視野に入れ、「さらに多くの層が楽しめるプロレスをご提供したい」と結んだ。
■ファームも設立か？ 木谷オーナーの「ライオンズゲート計画」とは？
ここで、株式会社ブシロードの木谷高明社長（新日本プロレス・オーナー）が登壇し、今後の“世界戦略”を中心に発表。まず木谷社長は「新日本プロレスの目指すこと」として、まずは『ライオンズゲート計画』を発表。
すでに新弟子オーディションやアマレスを中心にブシロードクラブの選手育成も行っているが、今後のプランとして「他団体選手の招聘を含めて、ファーム（二軍）のようなモノを作りたい。イメージ的には小さな興行をやっていくと考えてもらってもいい」とコメント。
「ファームの所属選手や、いろんな他団体を含めたトライアル、負傷欠場していた選手の再チャレンジの場所だったり、いろんなモノを試す場になればいい」。「いまの新日本は非常にレベルが高いリング。いきなりは上がれない場合もある。国内でこういう場が少なくなっているので、トライアル、チャレンジの場を作っていきたい」と構想を語った。
■新日本プロレスワールドを主軸とした、「New IWGP Conception」とは何か？
さらに、新日本プロレスを海外発信する「世界戦略」の一貫として、「New IWGP Conception」を発表。
「IWGPがなんの略かいまやご存知ないファンも多いかと思う、INTERNATIONAL WRESTLING GRANDPRIX、もともとは世界のプロレスを統一するというコンセプトだった。しかし、我々としては、いまの時代に合った、21世紀の新しいIWGP構想を構築していきたい」とコメント。
ここで世界各国とのネットワークの現状を再確認し、北米ではROH、NWA、GFWといった提携先への選手出場と合同興行開催し、また「ワールドプロレスリングリターンズ」の放映も継続中だ。中南米では、メキシコCMLLを中心に、選手招聘、「FANTASTICA MANIA」の例年開催。
ヨーロッパは、イギリスのRPW、ドイツのwXwと連携中。アジアでは、台湾（今年も開催予定）、タイ、シンガポールにて、現地イベントでの試合開催、さらに自主興行の開催も目指していく。
さらに、木谷社長は、「いまはネットでの映像の全世界配信が容易に行える時代」とし、「新日本プロレスワールドもじつは、15パーセントは海外からの加入者です」と告白。
「なので海外で試合を行うだけでなく、同時に海外のお客さんに新日本ワールドのプロモーションを行いつつ、促進するための提携であり、派遣を考えている」とし、「興行というアナログと、ネットのデジタルを融合させて、世界を新日本の色に染め上げたい。これが新しい21世紀のIWGP構想です」とキッパリ。
直近のシンガポール遠征も振り返り、「ネットで現地のファンが、新日本のスター選手のことをすでに知っているため、非常に盛り上がりました」と手応えを感じている様子。また、海外の団体においては、商品を卸すのではなく、商品のライセンスアウトなども始まっています。と説明。
「とにかく世界の団体と提携しつつ、新日本プロレスワールドを広げて行きたい。こうしたかたちで、世界を一つにまとめていきたい。これが新しい時代の新しいIWGP構想（New IWGP Conception）です」とした。
■「新日本プロレスは株式上場を目指したい」
また木谷オーナーは、「WWEがカメラマンを限定したり、マーチャンダイジングを始めたのも、もう30年前です」と振り返り、「そう考えると、新日本の会場におけるビジネス環境はまだまだ遅れている。世界ナンバーワンと言われるリングの内容に、それ以外の環境も追いつかせていきたい」とコメント。
また、「プロレスを含めたエンターテインメント業界は、10年後ではなく、3年後に向けたわかりやすい目標」が必要と前置きしつつ、「新日本プロレスは株式上場を目指したい、と思っている」と宣言。
「上場することによって、いまのようなプライベートカンパニーからパブリックカンパニーとなる。そのことでいまは43年続いている新日本プロレスを、いまはブシロードの所有する会社ですが、上場しましたら、社会にお戻ししたい。“日本の国民のみなさんの新日本プロレス”に昇華させていきたい」と語った。
「ブシロード体制となって以降のこの3年半が一つの区切り、今日から新日本プロレスのセカンドステージが始まります」と宣言して、戦略会見を締めくくった。
