今回の「獣神サンダー・ライガーの相談道場」は開催中の『SUPER Jr.』開幕スペシャル!! ライガー選手とKUSHIDA選手との特別対談・第2回(後編)をお届け!!
■ドラダはよく練習してるよ。でも、アレはもう少し自分のカラを破らないとダメだね!(ライガー)
——さて、引き続き、『SUPER Jr.』のお話を伺いたいと思います。ちょっと気になるのが、いま期間限定で新日本プロレス所属となっているマスカラ・ドラダ選手なんです。
KUSHIDA ハイ。自分は同じブロック、しかも最初の公式戦ですね(試合終了済、KUSHIDAが勝利)。
——ドラダ選手は、いま新日本の合宿所に住み込んでがんばっています。ライガーさんの目から観ていかがですか?
ライガー ウン。彼もよく練習してますよね。ただ、こないだの両国のドラダとケニー・オメガの試合を観ましたけど。アレ、もう少し自分のカラを破らないとダメだね!(キッパリ)。
——おおっ! というのは?
ライガー まあ、メキシコでトップ獲った後、日本に留学したわけだけど。もう少し日本のレスリングスタイルを学んだ上で、空間を利用した技ならいいんですけど。結局、まだルチャリブレのリズムなんですよ。アレなら、オメガにはやられるよ、やっぱり。
——オメガ選手は、日本のスタイルも熟知したレスラーですからね。
ライガー だから……もう少しなんていうかな? 口では言いにくいんだけど、プロレスのリズムみたいな部分。やっぱりメキシコが長かった内藤(哲也)やYOSHI-HASHIも、たぶん苦労したんじゃないかと思うんですよ。ルチャのリズムを自分でアレンジして、消化吸収して、日本のレスリングとミックスしていった。でも、いまその二人は日本のファンからも支持を得ているじゃないですか? だから、ドラダがどれだけ、そのへんを考えて留学ということやレスリングを捉えているのかなと。
——KUSHIDA選手はいかがですか?
KUSHIDA あの〜、ドラダで凄い印象的だったのが、今年の『FANTASTICA MANIA』でああいう新日本プロレス所属の発表があった後ですけど、控室で意外とほかのルチャドールからの反応が「がんばってこいよ!」みたいな空気とじゃなく、「悔しい!」みたいなムードだったんですよ。
——ああ、ドラダ選手を祝ったり、励ますような空気ではなかった?
KUSHIDA そういう空気は全然なかったんです。だから、そのぐらいメキシコって競争が激しいんですね。で、いまドラダは新日本の道場でCMLLでは、学べないことも学んでいるだろうし。また、ジュニアのシングルマッチもここで経験を積むことで、今後のスタイルも変えてくるかもしれないですね。
■ボクはね、誰が言ってくれてもいいんですよ? それとね言わなきゃダメですよ!(ライガー)
—さて、このお二人といえば、去年の『SUPER Jr.』の京都大会で、非常に印象的なマイクのやりとりがありましたね。
ライガー ん? ああ、ハイハイ……。
——あのやりとりですが、ライガーさん覚えて……ますよね。
ライガー いやいや、さすがに覚えてますよ!(笑)。いくら、俺がおじいちゃんでもさ! あのKBCなんとか、とかいう会場だよね?
KUSHIDA ハイ。京都・KBSホールですね(笑)。
——公式戦の最終日、という重要な試合(獣神サンダー・ライガーvsKUSHIDA)を闘ったあとのマイク、お二人のエールの交換でした。
KUSHIDA そうですね。「これに勝てば、決勝トーナメントに進める」というシチュエーションだったんで。自分的には「この試合に勝って、ライガーさんの目の前で大きなことを言うんだ!」ということは決めてました。ハイ。
——ライガーさんへの憧れと『SUPER Jr.』でプロレスラーを夢見たKUSHIDA選手としたら、大きな出来事だった?
KUSHIDA ええ。たしかに、夢を与えてくれた選手の前であり、夢を与えてくれた舞台での決意のマイクですからね。
——ライガー選手はあのマイクはいかがでした?
ライガー いや! ボクはね、誰が言ってくれてもいいんですよ? 「俺が、この新日本ジュニアをひっぱっていく」「俺にまかせろ!」とかさ。誰が言ったっていい。それとね言わなきゃダメですよ!
——あ、言わなきゃダメ?
ライガー ウン。有言実行にしなきゃあ、ファンにまず伝わらないし。ただ、その言った言葉に対する責任は全部、自分に返ってきますけどね? まあ、そこは諸刃の剣というか。
——そのへんの重さはライガーさんが一番、ご存知ですよね。
ライガー ただ、有言実行にしないと伝わらないし、言った以上はやらざるを得ないし、やらなかったら「なんだい!」ってなっちゃうし。そういう意味でKUSHIDA君は自分で自分を追い込んで、「やってやるんだ!」という決心や決意が強いから、ああいう言葉を吐いたわけだし。だから、俺は「やるなら、やってみいや!」と言ったわけです。
——おっしゃいましたね。
ライガー いまの選手はああいう「俺が引っ張っていく!」みたいなことはあんまり言わないですよね? 田口っちゃんにしろね? そこでKUSHIDA選手がアレを言って、その後もずーっと実績を残してきてるし。ここにKUSHIDA選手がいるから、お世辞を言うわけではないけど、今回のフィラデルフィアとトロントのツアーでもずっとシングルやってますけど、試合内容で言えば、彼は一番トップを走ってると思うよ。
——おお、新日本プロレス勢全体の中でも、トップを走っていると。
ライガー 棚橋選手、中邑選手、オカダ選手なんかと比べても凄い試合してると思います。それだけの気概を感じるし。『SUPER Jr.』が近づいているのもあるだろうし。だから、ボクは言って正解だと思うし。「言わなきゃダメなんだ!」というのが、ボクの考えですよ。
——逆に言うと、「なんでみんなもっと言わないんだ!?」という気持ちもありますか?