■今回の試合で景色を変えたい。勝者と敗者で差をつけないといけない。
棚橋 さぁ、やりましょうか!
——棚橋さんがこのカウントダウンインタビューの“大トリ”になります。おそらく、何度もドームのインタビューは受けているかと思いますが。
棚橋 ええ。すっかり出がらしな感が……(苦笑)。いや! そういいながらも、“新しい切り口”を出しますよ。フフフ。
——よろしくお願いします! オカダ・カズチカ戦を目前にした現在の心境はいかがですか?
棚橋 そうですね。この試合の流れを追ってみると、やっぱりオカダ・カズチカの台頭があって、ここ2〜3年の新日本プロレスの隆盛があって。棚橋—オカダ時代とかも言われますけど……。ここでね、どっちが勝っても変わらないっていう状況じゃダメです。俺は景色を変えたいっすね!
——試合後に、違った景色が見えてくるというか。
棚橋 勝って、オカダをドーンと突き放すしかないですね。ファンからしたら、「どっちが変わっても新日本の勢いは止まらない。景色は変わらないんでしょ?」という気持ちがあるかもしれない。けど、ここで勝者と敗者でハッキリ差をつけないといけない。
——「定番の“黄金カード”再び」という安定感も強いですから。ただ、昨年は棚橋さんが「IWGP戦線から撤退」というドン底に突き落とされて……。
棚橋 ……倍返しだ!(大きな声で)。へへへ!
——いま棚橋さんがハマっているという『半沢直樹』。時流からはかなりタイムラグ感がありますけど(笑)。
棚橋 フフフ。この前、最終回を見終わったばかりですから。コレ、みんなが言いたくなる気持ちがやっとわかりました。
——そういう意味では、今度は逆にオカダ選手に「IWGP撤退」みたいな条件を突きつける?
棚橋 いや、景色は変えたいけど、そこまでは考えていないですね。自分がリスクを背負うのは好きなんですけど、人にリスクを与えるのはあんまり好きじゃない。むしろ自分がリスクをとったほうが燃えますんで。
——典型的なM体質というか。
棚橋 フフフ。でも、大丈夫。自然と燃えるシチュエーションになりますよ。というのは、棚橋は40歳手前ですし、「負けたら最後」という気持ちは常にある。コッチはいつでも背水の陣を引くタイプですからね。
■俺が大陽じゃないのかもしれないです。ベルト自体が大陽なんですよ!
——そういう緊張感は常にあると。ちなみにIWGPヘビー級ベルトが腰にあるというのは、やっぱり違いますか?
棚橋 もちろん。日々、その重みは感じてますよ。やっぱり、チャンピオンはわかりやすいですから。対世間に通じる一番の武器なんです。ベルト持っている人間の発言力、説得力が増幅するモノですから。
——そのベルトを持っている、持っていないの一番の違いってなんなんでしょうね。
棚橋 ウン。ベルトはね、“中心”なんですよ! じつは、俺が大陽じゃないのかもしれないです。ベルト自体が大陽なんです!(キッパリ)。
——おお、言い切りましたね。
棚橋 ええ。みんなベルトを中心として廻っている星なのかもしれない。ただ、棚橋っていう人間とベルトが重なったとき、より最高の輝きを増すわけです。なので、オカダに言いたいのは「くすんでねーぞ!」と(ギロリ)。
——「くすんだ太陽」ではないと。棚橋さんは最近のコメントで「自分が中心じゃないとダメなんだ」ともおっしゃってます。
棚橋 そうすね。まあ、周知のとおり、オカダは運動能力も高いし、ビジュアルもいい。スキがないレスラーに成長した。ただし! 俺がオカダに勝っているところがあるとすれば、それは……“主人公感”なんです(ドヤ顔で)。
——主人公感! つまり「主役はオレだ」と。
棚橋 ま、それだと内藤になっちゃいますけど(苦笑)。たとえば、ゲームで成長過程を見せるモノ、育てゲーだったりRPGとか、戦隊のヒーロー物の中心はレッドだったりしますけど。そういうポジションに自然とスポッとハマるのは、オカダじゃなく、あくまで棚橋なんです。
——ああ、たしかにそうかもしれないですね。
棚橋 でね、そういう意味で行くと、このIWGPヘビーのベルトを持って半年経ちましたけど、巡業で日本全国を回って、ファンの人たちになんて言われたかというと……「棚橋さん、シックリきますね!」と。
——なるほど。
棚橋 でね、俺がなんと言って返したと思います。「でしょ!」ってね(ドヤ顔で)。フフフ。
——ハハハハハ! いや、素晴らしいです。
棚橋 この“主人公感”は、神様が棚橋にくれた贈り物なんです。自分に飛び抜けた運動能力はオカダほどないかもしれない。でも、そこも神様が俺にくれたスキルだし。天に愛されている男なんですよ。
■戻ってきた! みなさん、2008年頃の棚橋が戻ってきましたよ!
棚橋 あと、昔ね、占いの先生に「貴方は生まれながらにして勝利を手にしています」と言われたこともあるんです。その時は意味がわからなかったんですけど、最近「あ、こういうことかな?」とわかりましたね。
——生まれながらの主人公感。それって、たしかに後天的に獲得していくモノではないですね。
棚橋 ウン。ただ、そこで意味がわからなかったのもよかったと思うんです。それで調子に乗って、努力を怠ってしまったら、また結果が違ったと思うんです。だって、「生まれながら、勝利を手にしながら、努力を止めない男」……コレね、漢字二文字で表現するとしたら、“無敵”ですよ!
——ハハハハ! いや、凄いですね。
棚橋 戻ってきた! 2008年頃の棚橋が戻ってきた!(うれしそうに)。
——そういう部分で、オカダ選手が中心となるには、その部分が足りないのではないか? と。
棚橋 いや、オカダは足らなくはないんです。ただ、棚橋が足りすぎてるんです!(キッパリ)。……戻ってきた! あの頃の棚橋が戻ってきましたね。
■凱旋帰国当初のオカダ・カズチカ、いまはあの頃のギラギラした雰囲気に近いですね
——その反面、今回のオカダ選手は非常に攻撃的ですよね。発言もそうだし、試合後に場外パイルドライバーをやったり。
棚橋 そうですね。新技を出したり……。レインメーカーショックで凱旋してきた当初のオカダが戻ってきた、あの頃のギラギラした雰囲気に近いですね。相当、いろいろなことを考えている気がします。
——以前は発言やテーマ設定にしても、棚橋さんがリードしてきた印象が強かったですが。
棚橋 今回は完全にリードされてますよ。「くすんだ大陽」や「今世紀最大の一戦」と言い始めたのも、オカダ。今回は、後手後手に回ってます。「リスクを負います」とは言ってますけど。
——ファンの全体的な機運としてはどうですか? 「棚橋推し」の空気も感じますが。
棚橋 う〜ん。どうですかね? この前の12.20後楽園で前哨戦をやった雰囲気だと五分五分かな、と。これまでは若きチャンピオンということでオカダ推しの空気がありましたけど、AJスタイルズから取り返した状況下で、盛り返してきて、最終的には五分かと。
PCはここまで!
後半は、
■棚橋vs中邑が黄金カードなら、棚橋vsオカダはさらに上を行きたい。“プラチナカード”というか ■中邑vs飯伏、これは間違いなく盛り上がります! じゃあ、その上をどう超えていくか? ■かなり高次元で技量を尽くして、遊ぶ……。ま、笑いながら殺し合いができるんじゃないですかね
など、インタビューの続きは、スマホ&モバイルサイトで更新中です。