12月6日(土)、新日本プロレスの天山広吉と小島聡、そして獣神サンダー・ライガー&タイガーマスクが有明コロシアムで開催されたプロレスリング・ノアの『GREAT VOYAGE 2014 in Tokyo Vol.3〜方舟進章・有明 冬の陣〜』に参戦した。
天山と小島のテンコジは因縁のできた超危暴軍のマイバッハ谷口、森嶋猛とそれぞれシングルマッチで対戦。ライガー&タイガーは同じく超危暴軍の拳王&大原はじめの持つGHCジュニアタッグ王座に挑戦した。
まず、『グローバル・リーグ戦』で因縁のできた森嶋との一騎打ちに臨んだ小島。勝てば、GHCヘビー級王座への次期挑戦権を得る大事な試合だ。まずは張り手で攻め込み、気合十分のショルダータックルをぶち込んでいった小島。しかし、ロープに飛んだところを、リング下に潜んでいたマイバッハが手を出して、小島の足を引っ張る。だが、小島はすぐさまマイバッハを蹴散らすと、森嶋も鉄柵に飛ばして、ピンチを難なく切り抜けてみせた。
絶好調の小島はエプロンでDDTを決めると、リングに戻ってスリーパー。さらにパンチ攻撃で森嶋を追い込んでいく。しかし、森嶋のカウンターのヒップアタックを食らって動きがストップ。場外に落とされると、マイバッハの刺又攻撃を食らい、さらに森嶋によって右腕を鉄柱に叩きつけられてしまう。リングに戻っても、サーフボードストレッチ、ヒップアタックを続けて食らった小島。
なんとかコーナーに突っ込んできた森嶋を自爆させると、マシンガンチョップを連発。さらにいっちゃうぞエルボーを投下し、流れを再び自分に引き寄せた。そして、森嶋にエルボーを連発していく小島。何発も叩き込んで棒立ち状態にしてみせた。しかし、森嶋のカウンターのケツを食らって動きがストップ。さらにミサイルキックも被弾しながらコジコジカッターで逆転を図ったが、森嶋に背中を押されてレフェリーを巻き込んでしまう。
これでレフェリー不在の無法地帯と化したリングにマイバッハも刺又を持って登場。二人がかりで小島を傷めつけていく。と、このピンチに天山が登場! 花道を疾走してリングに駆け上がると、小島のピンチを救い、自身は邪魔なマイバッハを会場の外へと連れ出した。森嶋と1vs1の状況となった小島。しかし、ラリアットをかわされ、バックドロップを被弾。さらに森嶋のハンマーパンチ、ラリアットで追い込まれてしまう。だが、続く森嶋のラリアットを自らの腕で叩き落としてカット。最後は自慢のラリアットを叩き込んで、森嶋からきっちりと3カウントを奪ったのだった。
そして、メインイベント終了後、杉浦貴を倒してGHCヘビー級王座の防衛に成功した丸藤正道の前に、小島が登場。マイクを持った小島は丁寧な口調で、「次期挑戦者の小島聡です。丸藤選手、防衛おめでとうございます。今度のタイトルマッチではお互い、正々堂々力の限り出しきって闘いましょう。どうぞよろしくお願いします」と挨拶。そして、丸藤の前に手を差し伸べた。初めは怪しんでいた丸藤も、小島の呼びかけに応じ、手を握ろうとした。しかし、その瞬間、小島はラリアット! 丸藤もそれを間一髪かわしてみせた。
再びマイクを持った小島は、先ほどとは打って変わった口調で、「おい、マル! てめえ、カッコばっかりつけやがって、ああん! てめえの化けの皮、剥いじゃうぞ、バカヤロー、おい!」と絶叫! 丸藤の「小島さん、あんたのほうがカッコつけてんじゃねえか!」という言葉を尻目にリングを去ったのだった。
プロレスリング・ノア『GREAT VOYAGE 2014 in Tokyo Vol.3〜方舟進章・有明 冬の陣〜』
■2014年12月6日(土) 東京・有明コロシアム
[第6試合/GHCヘビー級王座次期挑戦者決定戦/時間無制限1本勝負]
○ 小島聡 (10分33秒、ラリアット→体固め)森嶋猛〈超危暴軍〉 ×
■小島聡のコメント
小島 「森嶋、たしかにおまえはいいレスラーだよ。力もあるし、技もキレるし、あんな巨体を持ってて動きも速い。ただな、おまえには足りないものがあるんだ。それはプロレスラーとしての経験がちょっとだけ足りないんだ。俺はべつにおまえよりも強いなんて思ってないんだよ。ただな、おまえよりもやってきたことがいっぱいあるんだ。プロレスラーとしての時間、23年間、生きてきた時間があるんだ。それはまだまだおまえは敵わない。森嶋、おまえは本当にいいレスラーだ。俺、今日やってみてわかったし、毎回やっててわかるんだ。俺は今日初めておまえに勝ったけど、俺のすべてがこもってるからだ。いまのおまえに何が足りないのか、よく考えろ。44歳のおっさんのプロレスラーに負けて悔しいんだったら、もっと練習してがんばれ」
──小島さん、GHCなんですけど。
小島 「そうだ。忘れてた。それが一番大切だったんだ。でも、これはおまけだよ。森嶋という凄いレスラーと闘って、そのおまけとして挑戦権がついてきた。丸藤だって凄いレスラーだ。杉浦だって、どっちが来たってかまわねえ。ただ、次のGHCチャンピオンは俺だ。俺には時間がないんだ。44とか言われて、これっぽちもなんとも思ってないけど、年齢のことはなんとも思ってないけど、それでも獲れるものは早いうちに獲らなきゃいけないんだ」
また休憩後の第6試合、すでに11・24後楽園大会で同一カードを行ない、これに勝利しているライガー&タイガーは、改めてこの日拳王&大原とタイトルマッチに挑んだ。まず拳王が、「おい、ライガー、タイガー、てめえらにベルト渡すことはねえんだよ。だから、持ってきてねえんだよ、この野郎! もしもてめえらが俺たちに勝つことがあれば、控え室に置いてあるからそのときは渡してやるよ。おいレフェリー、とりあえず早く試合を始めろ」とマイクで挑発。そして、超危暴軍の奇襲で試合はスタートした。
試合はいきなり場外乱闘で新日本軍は超危暴軍に先制を許してしまう。リングに戻ると、ライガーは大原にマスクに手をかけられいきなりピンチ。序盤から捕まってしまっていたライガーだったが、ジャンピングネックブリーカーを拳王に叩き込んで逆転。ここでタッチを受けたタイガーは、得意のローリングソバットを叩き込み、さらに張り手で攻め込んでいく。
倒れた拳王を関節技で攻め立てるタイガー。ローリングソバットを再び炸裂させ、攻撃の手を緩めない。さらに拳王を場外に落とすと、ライガーが先ほどのお返しとばかりに場外でブレーンバスターを決めてみせた。続けてライガーはリングに上がり、拳王の左腕に集中攻撃。アームブリーカーでたっぷりと傷めつけた。代わったタイガーも腕固め、アームロックで拳王の左腕に集中砲火。
しかし、トレイン攻撃をかわされ、拳王に脱出を許してしまう。ライガーは代わった大原からバッククラッカー、ドロップキックを被弾。さらにダブルアーム式のフェイスバスターまで食らってしまう。しかし、ライガーはすぐにブレーンバスターで逆襲すると、続けてライガーボム。タイガーが拳王を場外に連れ出している間に、大原に向かって掌底を放った。
ところがこれをカウンターの風車式バックブリーカーで切り返されたライガー。ムイビエンに捕まり、一転してピンチに追い込まれてしまう。ここはなんとかタイガーがカット。リング上はここで両陣営ともにタイガー、拳王に交代だ。タイガーは拳王のダブルニー、ドロップキックを食らってしまう。なんとか羅喉からは逃れたが、拳王の素早い動きの打撃技を連続で被弾。アンクルホールドに捕まってしまう。
ここはなんとかライガーのカットで難を逃れたタイガー。拳王を二人がかりで攻め込み、ライガーがライガーボム。そして、そこにタイガーがダイビングヘッドバットを投下だ。さらにタイガーはカットに来た大原を拳王に誤爆させて、場外に追い落とすと回転十字固め。これで決まらないと拳王をハイキックで撃ち抜き、タイガースープレックスの体勢に。これは決まらなかったが、すぐさま蹴り倒して腕固めだ。
しかし、ここも大原のカットで極めきれず。逆に捕まったタイガーは超危暴軍の竹刀の餌食となってしまった。さらにハイキックを食らったタイガーは最後は拳王のPKを被弾。ついにタイガーも3カウントを許してしまった。
[第7試合/GHCジュニア・ヘビー級タッグ選手権試合/60分1本勝負]
○ 拳王&大原はじめ〈第23代選手権者/超危暴軍〉 (16分55秒、ペナルティキック→片エビ固め) 獣神サンダー・ライガー&タイガーマスク〈挑戦者〉 ×
※拳王&大原が初防衛に成功
■獣神サンダー・ライガー&タイガーマスクのコメント
タイガー 「万々歳じゃない、日テレさんからしたら。万々歳じゃない」
──拳王&大原は改めていかがでした?
タイガー 「まあ、悔しさから言えば、あんなの目じゃねえよ。まだまだ1回勝っただけで目じゃねえ。プロレス界の先輩として言えば、あいつら凶器なんか使わなくたって闘えるんだから。何が超危暴軍だ。そんなのノアしか知らねえぞ。ヒールなんだか知らねえが。昔のなんとか軍団と一緒だよ。カッコよくいきてえんだろう? 悪いことしてえんじゃなくて、カッコよくいきてんだろう? まあ、プロレス界の先輩として言わせてもらえれば、まだまだヒールでもなんでもねえ」
──もっと本来の闘い方があると。
タイガー 「あいつらならできるよ。十分それ持ってるよ。なんでかわかるか? 日テレさんだろ? なんでかわかるか? いままで出てきて、こういうコメントをする。なぜだかわかるか?」
──ノアのために……。
タイガー 「なんでノアのためなんだよ! 俺たちノア関係ねえじゃん! なんでノアのためになんだよ。わからねえならわかんねえって言ってくれよ」
──すいません、わかりません……。
タイガー 「俺とライガー。ライガーさんはプロレス界のスーパーレジェンドだよ。その二人を倒したんだよ。それぐらいわかってくれよ」
──ライガーさんは試合を終えて言いたことありますか?
ライガー 「タイガーが言ったこととかぶるところはあるけど、なぜ竹刀を使ったり、ベルトを持ってくるこないみたいな小賢しいことをするんだ? それが超危暴軍なのか? 彼らはノアをどこに引っ張っていこうとしてるんだ? 俺はそれがわからない。あんなことしてるヤツらに負けても悔しくてもなんともない。はいはいって感じ。虎は悔しいだろう、自分が取られたし。悔しいと思う。ただ、俺に言わせれば、ノアをどこに引っ張っていこうとしてるんだ? 竹刀を使って、ベルトを持ってこなくて、マスクに手をかけて。それで勝って、ノアのファンはそれを本当に支持しているのかということを俺は聞きたい。それはあんたらもそうなんだよ。日テレ攻撃になるかもしれないけど、ああいうファイトをしている人間をなぜおまえたちは支えるんだ? これがノアです。日テレで流しているノアなんですって、プロレスを知らない人が観たらどう思うんだ? 俺はプロレスは素晴らしいものだと思っている。こんな素晴らしいものはないと思っている。だから、余計に思うし、それで勝って喜んでるあいつらもかわいそう」
■拳王&大原はじめのコメント
──チャンピオンチームにお話を伺います。初防衛おめでとうございます。
拳王 「おお。やる前によ、さんざん言ってたろ、あいつら。いま勢いのある新日本プロレス怖いのか? 俺たちにビビってんのか? そんなこと言ってたヤツらが負けちまったじゃねえかよ。おい、そんなこと言う以上によ、俺達のほうが強かったってことだよ」
──羅喉を出さずに勝利しましたね。
拳王 「おお。そうだな。俺の奥の手も出さずによ、あんなヤツら勝てんだよ。俺たちがよ、このノアのリングでどんだけ修羅場を過ごしてきたかわかってんだろ。その強さだよ、今日勝ったのはよ」
──初防衛戦、最強の挑戦者を退けたのは大きかったんじゃないですか?
拳王 「これからもっともっとこのノアのリングを変えていくよ。俺たちがよ。さあ、じっくり観てくれ。これから楽しいこと考えてよ、このノアのリングをもっと楽しくするよ。そして、俺たちが観に来るクソ野郎どもの背筋がゾクゾクするような試合をしてやるからな」
──大原さん、リング上での「俺たちは弱い」という一言、衝撃が走りましたが、今日の試合はいかがでしたか?
大原 「そうだと思うよ。超危暴軍作ってずっと勝ってきたわけじゃないし、やられてやられてそこで学ぶことがあって、鍛えられて強くなって、ここに立っているのが俺たち。だから、俺たちは強くなってきた。そして、これからも強くあり続ける」
──今日も超危暴流のファイトがありました。今後もあの闘い方を続けていく?
大原 「そんなにファイトスタイルをコロコロコロコロ変えていたらね、筋が通らないしね、俺たちはこのスタイルを通じて強さを証明して、ベルトも巻いているわけだし、超危暴やって、これが答えだと思うよ」
──初防衛戦の相手は王者組からの逆指名でした。次の防衛ロードはどうお考えですか?
拳王 「まあよ、いままでのチャンピオン、さんざん待って、来たら挑戦するとかしてんだろ? 俺たちはドンドン仕掛けていくんだよ。このベルトを輝かせるためによ、仕掛けていくからよ。俺たちからてめえらクソ野郎ども、目を離すなよ」
──いまは名前を明かせない。でも、次の一手があると考えていいですね。
拳王 「もう仕掛けるかもしんねえよな」
大原 「仕掛けていくから。種が芽を出して花開く。それはちょっと見てて」
──これからも期待しています。初防衛おめでとうございます。
拳王 「ああ」
第5試合で、マイバッハとのシングルに挑んだ天山。入場してきたところを、背後からマイバッハに刺又で襲われる。天山もリング上に戻って頭突きで逆襲するも、マイバッハのチョーク攻撃に悶絶だ。なんとかカウンターのフロントキックでマイバッハの動きを止めた天山はラリアットからモンゴリアンチョップを連発。手刀を叩き込んでから、マイバッハの巨体をブレーンバスターで叩きつけてみせた。
しかし、流れを掴んだと思われたのも束の間、天山はマイバッハに場外に連れ出され、イス攻撃でいためつけられてしまう。なんとか挽回しようと腹への頭突き、そしてモンゴリアンチョップを繰り出す天山。しかし、パワースラムで叩きつけられ、続けてスリーパーで絞め上げられてしまう。
ここをなんとか脱出した天山はマウンテンボムで形勢逆転。串刺し式のラリアットからカーフブランディングを炸裂させる。さらにフライングニールキックを決めてから、ダイビングヘッドバットを投下! しかし、これはマイバッハにかわされて自爆。ここで刺又を持ちだしてきたマイバッハに襲いかかった天山だったが、レフェリーに誤爆。その隙に刺又攻撃を食らってしまう。
しかし、このピンチをモンゴリアンチョップで凌いだ天山は、逆に刺又を手にとってマイバッハへの攻撃をアピール。ところが、ここで息を吹き返したレフェリーに制されてしまう。この隙にマイバッハの急所攻撃を被弾。さらに喉元に刺又を突きつけられて悶絶だ。マイバッハはレフェリーの注意も聞かずに攻撃をし続け、結局試合はストップ。天山は消化不良の反則勝ちとなった。
[第5試合/スペシャルシングルマッチ/30分1本勝負]
○ 天山広吉 (9分39秒、刺又攻撃→反則)マイバッハ谷口〈超危暴軍〉 ×
■天山広吉のコメント
「なんもないよ! 見ての通りや! あんなやり方あんのかって! 上等やないかって。俺もな、今日はおとなしくしてたけど、やってられんかった。何回もここ来るで。恥さらしになるぐらいやったら、もう一回来てぶっ潰してやるよ。何やりたいのか知らんけどさ。何やりたいんや? プロレスやろう? ノアやろう? ノアの誇り持ってへんのか? 俺、新日本の誇り持ってんねん。あんなんだったら、誰もできるよ。そこらへんの坊主でもできるわ、おい! ふざけんなって、クソッタレが! もう二度と来ないか、それとももう一回来るか、考えとくわ。クソッタレが」
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