11月24日(月・祝)、プロレスリング・ノアの『Voyage for Colosseum』後楽園ホール大会に新日本プロレスの獣神サンダー・ライガーとタイガーマスクが参戦した。ライガー&タイガーはノアの12・6有明コロシアム大会で拳王&大原はじめの持つGHCジュニアタッグ王座に挑戦。今大会では、その前哨戦としてライガーが拳王と、タイガーが大原とのシングルマッチに挑む。
試合前には両チームが揃い、リング上でGHCジュニアタッグ選手権試合の公開調印式が行なわれた。両チームが調印すると、日テレのアナウンサーが大原にコメントを求める。しかし大原は、「コメントはいいよ。さんざん言ったから。いつもこいつらが言ってるだろ? リング上は闘いだって。いますぐやろうや。はじめようや、タイガーマスク!」と言うと、机を蹴飛ばしてタイガーを挑発だ。タイガーもジャージを脱いでコスチュームとなり臨戦態勢。ライガーと拳王はそれぞれセコンドに付く形となり、第6試合の大原vsタイガーが始まった。
超危暴軍はゴングと同時に大原と拳王でタイガーを襲撃。二人がかりでいたぶって、早くも試合の主導権を握る。大原はコーナー上でタイガーのマスクに手をかけたり、風車式のバックブリーカーを決めていく。
しかし、タイガーもグラウンド卍固めで挽回すると、ミドルキックの連打からローリングソバットで逆襲だ。大原のチョップによる反撃もソバットで黙らせると、怒りのミドルキックを胸板に叩き込んでダウンさせる。さらにタイガーはツームストンパイルドライバーからチキンウィングフェースロック! たまらず大原もタップし、タイガーが勝利を得た。
続いて試合は拳王vsライガーに突入。一転して静かな立ち上がりとなったこの試合。まずはグラウンドの攻防で探り合いだ。ここはリードしたライガーだが、ロープに振られた瞬間、リング下にいた大原がライガーの足を引っ張る。場外ではセコンドのタイガーと大原を交えて、4人で大乱闘。結局収集がつかず、なんと無効試合となってしまった。
この結果に「おまえらシングルじゃねえのかよ? 結局手を出してるじゃねえか!」と怒るライガー。「シングルで怖くてできないなら、タッグでやったらいいじゃねえか!」とタッグマッチによる再試合を要求した。これに対し、拳王も「老いぼれコミックレスラー! 俺たちもそんなこと望んでんだよ! いまからタッグでやってやるからよ!」と受諾の構えだ。「ノア! ノア! 延長させろ!」と叫ぶライガー。この状況になんと田上明社長も場内に登場。OKサインを出したことで、急遽、タッグマッチとして延長となった。
怒りのライガー&タイガーは早くも拳王を捕獲。場外に連れ出すと、足をイスでいたぶってから、ライガーが危険な垂直落下式ブレーンバスターだ。これで拳王の動きを止めたライガーは、リング内に戻すと足4の字固め。ここはロープに逃げられたものの、あと一歩のところまで追い詰める。
続いてタイガーも拳王に足4の字固め。拳王の足に集中攻撃だ。しかし、拳王の気力を振り絞った蹴り攻撃で逆転されてしまう。交代した大原はライガーの土手っ腹にドロップキックを炸裂させ、バッククラッカーでいためつけてから、必殺のムイビエン! ここはなんとかタイガーがカット。
なんとか危機を逃れたライガーはネックブリーカードロップで大原を倒してから、タイガーに交代だ。タイガーは大原と代わった拳王をすぐに腕ひしぎ逆十字固めで捕獲。しかし、ロープに背中を向けたところで、大原にちょっかいを出されて、拳王のダブルニーを被弾してしまう。拳王のひねったネックブリーカー、サッカーボールキックを続けざまに食らったタイガー。しかし、続いて拳王がコーナーに上ったところをライガーカット。その隙にタイガーはハイキックで拳王の動きを止めて、タイガースープレックスの体勢に入る。
しかし、ここで大原がレフェリーを巻き込んでカット。タイガーは拳王の急所攻撃を食らい一転ピンチに追い込まれた。だが、タイガーは拳王の竹刀攻撃を大原に誤爆させると、ライガーが大原を掌底で蹴散らす。最後はきっちりと拳王をタイガースープレックスで仕留めて、大混乱の前哨戦に勝利した。
マイクを持ったタイガーは、「おい、やっとやる気になったんじゃねえか、あいつら? でも、タイトルマッチ前に2本取っちゃったよ。どうやってタイトルマッチ組むんだよ? 当日どうやって来るかわかんねえけど、俺とライガーはぜってえ負けねえぞ!」と勝利宣言。ライガーも、「12月6日、有明コロシアムでボクとタイガーはGHCのジュニアのタッグのベルトを必ず腰に巻きます。応援よろしくお願いします」とノアのファンの前で宣言し、リングをあとにした。
■獣神サンダー・ライガー&タイガーマスクのコメント
──ノーコンテストがありましたけど、延長戦に勝ちました。
タイガー「プロレスリング・ノア、大原&拳王、超なんとか軍、どういう説明すんだ、これ。金的、マスク、二人攻撃、全部俺は受け止めたぞ。受け止めたうえで、2つ勝っちゃった。どうすんの? 逆にノアびいきの日テレさんに聞きたい。どうしたらいいの? ノアはどういう攻勢に出たらいい?」
──ただ、タイガーさんもリングの上で大原選手の本気を見たと。そこのところはどうですか?
タイガー「そうなんだよ。いままでの闘いはあいつらのくだらねえ闘い方で、夏のジュニア・タッグリーグをぶっ壊した。俺らじゃねえ、
ぶっ壊したのはあいつらだ。今日はそれを踏まえて試合をしたんじゃないのか? ノアのファンだろうが、新日本のファンだろうが、あんなクソみたいな試合は観たくねえんだよ。みんなプロのレスリングを観たいんだよ。今日みたいな強さが観たいんだよ。強さを出して勝っちゃった。違う? 勝っちゃった。さあ、どうする? べつに俺らは調印式したけど、タッグの試合なんかしなくていいんだよ。勝っちゃったんだから。ただ、俺がリングの上で言ったように、あいつらの本気は見えたよ。今度有明でどういう闘い方をしてくるのか知らねえけど、俺はいっくらでも大きな器で、上から目線で受け止めてやる」
──結果としては今日と同じことになると。
タイガー「結果としてって、2連勝しちゃった。どうすんの? なおかつ、ライガーさんは出てない。俺が2つだよ? ライガーさん、今日は出る幕なかったよ」
──ライガー選手はリングの上で完全勝利宣言でした。
ライガー「俺は逆にノアのファンに、あんたら、ノアびいきの日テレさんにも聞きたい。この現実をどう受け止めるの? しかもシングルマッチで正々堂々と闘う前は誓ったはず。なぜレフェリーは反則をとらないの? なぜノアのファンはそういうファイトにブーイングを起こさないの? おまえたちはどう思ったの? シングルでやろう。OK。男4人が向かい合う。俺とタイガーはそれを守ったつもり。あいつらは端から守るつもりはなかった。そのファイトスタイルをおまえはどう受け止めるの? いくらノアびいきだろうが、間違ってるとは思わないの? そのあとも凶器攻撃、急所、マスク、どうなの? 本気で頭がおかしいんじゃないのと。おまえらがもし、それでもと言うなら、おまえらもおかしい。この世に正義はないのか? おまえらテレビっていうのは、真実を伝えるんだろう? 正義は正義だろう? 悪は悪だ。これは悪じゃないのか? おまえたちがどういう答えを用意しているのか、俺は知らない。ただ、俺とタイガーは有明で勝つ。ベルトを新日本のリングに持って帰る。俺は今日、何もしてない。タイガーが言った通り。俺が出る幕なんかない。逆に俺はタイガーを押さえたよ。殺しかねない。この現実を見せられて、あの二人がどう出るのか? おまえたちテレビ局もどう伝えるのか? すげえ楽しみ」
──タイガーさん、ただ彼らが大事に思っているベルトを賭けての試合になります。
タイガー「大事に思っていたら、あんなふうに蹴らないよ、机?」
ライガー「(日テレのアナウンサーに食ってかかるように)おまえ、大事に思っているって言ったけど、大事に思っているものを大事にするのはあたりまえだよ。ああいうことしていいのか? おまえらテレビ局はそういうことか? あ!? 裏ではそういうことをやってるのか!?」
──だからこそ、タイトルマッチを観たいです。
ライガー「はあ? ああいう攻撃をするヤツらとのタイトルマッチを観たいのか? おまえら報道関係じゃないのか? テレビで放送してるんじゃねえのか、日テレは! ああん? ダメだろう! 正義は正義で、悪は悪じゃないのか? この悪が許されるのか! おまえらはそれでOKなのか! 日テレはどういう会社だ!」
プロレスリング・ノア『Voyage for Colosseum』
■2014年11月24日(月・祝) 東京・後楽園ホール
[第6試合/GHCジュニア・ヘビー級タッグ選手権試合前哨戦/シングルマッチ/30分1本勝負]
○ タイガーマスク〈新日本プロレス〉 (5分16秒、チキンウィングフェイスロック) 大原はじめ〈超危暴軍/フリー〉 ×
[第7試合/GHCジュニア・ヘビー級タッグ選手権試合前哨戦/シングルマッチ/30分1本勝負]
▲ 拳王〈超危暴軍/みちのくプロレス〉 (3分40秒、無効試合) 獣神サンダー・ライガー〈新日本プロレス〉 ▲
[タッグマッチ]
○ タイガーマスク〈新日本プロレス〉&獣神サンダー・ライガー〈新日本プロレス〉 (10分53秒、タイガースープレックスホールド) 大原はじめ〈超危暴軍/フリー〉&王〈超危暴軍/みちのくプロレス〉 ×
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