9月27日、大阪・北区の「阪急うめだ本店」13階屋上ステージで開催された『桑原塾番外編』に棚橋弘至選手がゲスト出演した。
2月にも同所で開催予定だったが大雪のため場所を屋内に移してのサイン&撮影会に変更されており、リベンジの意味合いもあった。
サイン&撮影会には指定商品購入者のみ参加の条件付きだったが、早々に定員に達したため当日受け付けで30人追加募集したところ、そちらもイベント開催前に完売となった。
グリコ・パワープロダクション生みの親である桑原弘樹氏がMCを務める中、登場した棚橋選手。
10月13日(月・祝)両国大会で1年間、遠ざかっていたIWGPヘビー級王座への挑戦が決まってから、ファンの前に顔を出すのはこれが初めてとあって、棚橋選手のナマの声を聞こうと200人を超えるファンが集まった。
「この1年間、IWGPに戻りたいけど戻れないという苦しみの中で、“無期限撤退”といった自分の言葉をなかったことにできないので、それを取り払うためにどうすればいいかと考えていたら、向こう(AJスタイルズ)から指名してくれました。ありがとうという気持ちです」と至宝から離れていた時間を振り返った棚橋選手。
王者であるAJスタイルズとは2008年に同じ両国国技館でシングル対決(2度目)している。
そのときのことを棚橋選手は、「あの当時は僕が結構、ブーイングをもらっていたときで、マイクで何を言っても盛り上がらなかったんですけど、AJに勝った後で『またやろうな、天才』と言った瞬間、会場がワッとなって、ものすごく記憶に残ってます」と振り返った。
さらに「去年の『G1 CLIMAX』から彼の必殺技のスタイルズクラッシュをシレーッと使ってたんです。そしたら本人が(新日本に)来ちゃって。なんか“モノマネ王座決定戦”で歌ってたら本人が来ちゃったみたいな感じで(笑)。AJにスタイルズクラッシュをかけるのも面白いかなと考えてます」と、すでにタイトル戦をイメージしている。
IWGPヘビー級王座から離れていた間には“白いベルト”インターコンチネンタル王座を腰に巻いていた棚橋選手だが、「中邑が高めてきたベルトだけど、中邑の色が濃すぎて……」と扱いにくかったことを明かした一方で、「白・黒両方巻くのもかっこいいかなと……」と初の2冠王も頭に描いている。
その第一歩として「今はIWGPヘビー級に集中したい」とコメントを残した。
その後、『G1 CLIMAX』に話は移り、「途中で首を痛めてきつかったですけど、会場の盛り上がりは過去最高でした。Aブロック2位だったんですけど、Bブロックの2位がAJで、西武ドームで2位同士の闘いが組まれて次の両国につながっていったのを考えると、これは運命ですね。彼と闘いたいという気持ちは大きいですね。単純にビジュアル的にかっこいいし…」と語り、AJスタイルズに勝利すればIWGP王者として1・4東京ドームでオカダ・カズチカvs内藤哲也の勝者の挑戦を受けることになるが、棚橋選手は「どっちかというと、オカダと闘いたいですね」。
「オカダの登場で一番ワリを食ってるのは僕じゃなくて内藤なんです。オカダが現れる前は、内藤が将来的にIWGP王者になるんじゃないかと思われてた部分があるんですけど、オカダが一気に抜けたんで、オカダが持ってるものが基準になってしまった。いずれ内藤はそれを跳ねのけると思いますけど……」
グリコ・パワープロダクション立ち上げ当初から同社の製品を愛用してきた棚橋選手だけに、「逸材ボディーはパワプロが作った」と言ってもいい。
桑原氏の「人間の体で最後まで進化するのは筋肉」の言葉を受けた棚橋選手は、「筋肉がついた体は、男女問わず美しい」とトレーニングを勧め、自身が愛用しているサプリメントを紹介。その場で飲み干し、その効用を示した。
その後、実際のトレーニングメニューが紹介されたが、「タイトルマッチに向けて、体重はそのままで体脂肪を減らそうと。そのため腹筋と体幹を鍛えるメニューを増やしてます。それにプラスして、朝の軽いジョギングと夜のウォーキングを入れてます」と棚橋選手。
続いて将来的な目標を尋ねられ、「こうやってプロレスラーになってトレーニングの知識も増えたんで、そういう部分をもっと広めていきたいし、体を鍛えることによって年を取ってもきれいな姿勢でいられるとか、少しの段差でつまずかないとか自己防衛ができるので、自立した人生を送れるようになります。そのためにもトレーニングを始めてもらえるきっかけになれば」と答えた。
最後に新日本プロレスを大局的に眺めて、「もう一段上がっていくために必要なのは、内藤の覚醒と後藤の革命。この2人がもう一段上がれば、新日本の闘いは充実するし、若手でいえば小松、田中のヤングライオン2人。めちゃめちゃ練習してるし、将来のジュニア戦士として楽しみ」と名前を挙げた一方で、「自分もまだ37歳。本も出して、新日本プロレスも皆さんのおかげで盛り上がってきて“棚橋ご苦労さん”的な空気を感じるんです。産卵を終えた鮭みたいで、後は流れに流されるだけっていう。まだまだやりますから。産卵を終えても、また川を上っていきますから。もう1回、“逸材ここにあり”を見せます。2014年上半期、なかなか皆さんの期待に応える結果が出なかったですけど、それを帳消しにするデッカイ勝ち星を挙げたいと思います」と新日本の中心に復権するとともに、「次に来るときは大きな荷物(チャンピオンベルト)を持ってきます」と満員のファンに誓い、「愛してま〜す!」の叫びでイベントを締めた。
- 2014.10.1
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