■報道陣との一問一答
——マイバッハ戦を振り返って?
永田「2日前の20日、日曜日に名古屋にてマイバッハ谷口選手を破り、3度目の防衛に成功しました。3度目の防衛戦だったんですが、それまでのベルトを奪取した試合、それから防衛戦1回目、2回目とは違って、序盤でジュラルミンケースですか?頭部をぶん殴られまして。ワケが分かんなくなったところに、何か熱いものが顔に流れた感じがしまして、目を開けると赤くモヤがかかってきて…視界が定まらない中、よく見れば大流血。まぁ7年ぶりぐらいですかね、あんなに大流血したのは。7年ぶりに大流血なタイトルマッチになってしまい、相当、正直、マイバッハには追い込まれました。流血させられ、追い込まれたことで、久しく自分の中で眠っていた“狂気”みたいなモノが出たんじゃないかなと。試合の記憶が定かではない中で、会場の悲鳴というか熱狂みたいなものが自分のカラダに伝わってきた。マイバッハの本性を引き出すつもりが、逆に僕がそういう狂気な部分を彼に引き出されたのかなという印象を受ける、凄惨な試合でした」
——5月17日にヨネと4度目の防衛戦が決まったが?
永田「試合後、リングであれだけの試合を勝ち抜いた後だったんで、消耗感と達成感とマイバッハを破ったという自信と優越感の中で、モハメド ヨネ選手が出てきましたけど、その時は優越感や達成感で自信満々に受けて立ちましたけど、いざ家に帰って冷静になって考えてみると、ヨネ選手は意外と自分のペースに引き込みづらい選手だなと。ということは彼自身周囲に左右されない自分の世界観を持ってる選手なのかなと改めて思ったので、次の防衛戦ではなかなか自分のペースに引き込むのは難しいチャレンジャーだなと思いました。ただ王者としては5月17日、後楽園ホール大会では、真正面からノアファンの大ブーイングを浴びて会場を盛り上げて、最後はブーイングを捧げたファンの悔し涙が枯れるような試合にして、僕自身が『ざまーみろ』と叫べるような試合をして、完全防衛をしなければと思いますし。終わってみればモハメド ヨネ選手を自分のペースに引き込んで、掌(てのひら)の上で転がして、最終的にはマットに這いつくばらせて勝つ、と。そうしないといけないなと思います」
——ヨネはタッグリーグ戦でも絶好調だが?
永田「ノッてる時はもの凄く強いという話しは聞きますし、何か“秘めた思い”が強い選手だと思います。僕がGHCを持っていることへの危機感を人一倍持ってるのかもしれないですし。以前、グローバル・リーグ戦で連勝していた僕をガツンと止められたのがヨネ選手でしたし。あの時の大阪のファンの喜びようっていったら・・・それまで最初は(ヨネ選手へ)期待をしないで観ていたのが、途中、場外でキン肉バスターで叩きつけられた後、ファンの声援が掌を返したようにヨネ選手に集中して。そのヨネ選手プラスノアファンの両方の力で敗れてしまった、勢いを止められたという思いが僕の中で残ってまして。あの時のノアファンの思いを背負って戦ったヨネ選手が後楽園にきたら厄介だなと。だからこそ自分のペースに引き込まないといけないな、と思いますがそれが難しい選手なので、今のところ僕の中ではあまりいいイメージが湧いてこないですね」
——前哨戦は?
永田「明日から新日本のロードに出て、九州シリーズが6日まで戦って。その後、タイに行って帰ってくるので前哨戦はありません。ただ、ヨネ選手とはタッグでもシングルでも戦ってますし。データ、イメージはあるけど、それをどうやって切り崩していくか。前哨戦があったほうがイメージがしやすかったかな。調印式で襲われることもないでしょうし(笑)。早くベルトを獲り返してくれという願いがヨネ選手に行くでしょう。でもそう簡単にはいかない。このベルトを3回防衛してきて、だんだんノアのリングが自分のカラーになりつつある。景色が僕の色に染まってきたなという手応えがある。完全に青く染めきるまでにはあと一歩ですかね。この前は赤でしたが(笑)」
——名古屋では意識朦朧とした中、ナガダンスを踊っていたが今回も勝って、ナガダンスで締める?
永田「名古屋のファンは酷だな、と(苦笑)。一人(ノアファンが)嫌がってるファンもいましたけどそれを黙らせる声援がきた。僕もアンチエイジングを掲げている以上、やらざるを得なかった。(後楽園では)ファンのニーズがあれば。踊るために戦ってるわけじゃないですし。これまで試合後に襲撃されたのが続いたんでタメが効きすぎたのか、ここぞとばかりにあんな状態でもファンのニーズが来た。正直困りましたね・・・」
——大流血はいつ以来?
永田「真壁とIWGP戦をやって以来。あの時はハサミで額を突き刺された。これまでハサミとかイスは過去にあったけど、ジュラルミンケースで殴られたのは22年やってきて初めて。マイバッハ選手の狂気を引き出してしまって凄惨な試合で雑誌も新聞もあまり大きく扱ってもらえなかった。残念ではありますが正々堂々と戦える相手ではなかった。そういう意味では今度のヨネ選手はガンガンくる選手で好きなタイプ。体をぶつけ合って後楽園ホールを爆発させれればと思いますね」
——ヨネにはタッグリーグを優勝してきてもらいたい?
永田「そうですね。そうすれば余計、後楽園が盛り上がっるんじゃないですかね。シングルでいろんな選手を破っているという情報も入ってますし。ノリに乗ってるなと。急に爆発してきたのは僕がそういう思いを作ってしまったのかなと。ファンがヨネ選手にかける期待が大きくなってくるのかなと」
——そこを叩き潰す?
永田「それはありますね。僕がスケジュール上、参戦できない。外から色々発信しますけど、リング上でファンの期待値を作るのはヨネ選手の仕事なんで。5月17日は最高の形でチャレンジしてきてくれると“おいしく”いただきます」
——タイ遠征にもベルトを持っていく?
永田「もちろん。『地球規模の崇高なる王位』ですので。台湾でも非常に反応が良かったんで。GHCが認知されていた。すごく喜んでもらったので。タイにも広めたいと思います」
写真協力/プロレスリング・ノア、週刊プロレス