4月7日(月)、前日に開催された両国国技館大会の一夜明け会見が行なわれ、中邑真輔選手がコメントした。
中邑選手は、両国大会のIWGPインターコンチネンタル選手権試合で棚橋弘至選手と死闘を繰り広げ、約3ヶ月ぶりにタイトルを奪還。
自分が価値を高めた思い入れのあるベルトを前に「まだそんなに実感はない」と率直に語ったが、「新鮮に映ります、このベルトが」と笑顔ものぞかせた。
5月3日福岡の『レスリングどんたく2014』では、桜庭和志選手とタッグを組み、ダニエル・グレイシー&ホーレス・グレイシーと特別ルールで対戦することが決定。注目が集まる“対グレイシー”については、「普通にやったら自分の独壇場じゃないスか?というぐらいの気持ち」と、自信を見せた。
■中邑選手のコメントと質疑応答
中邑「え〜、身体がガチガチです。膝も腫れてますし、いたる所にダメージというか、傷跡が残っております。そうですね、一夜明けて、『ベルトが戻ってきた』だとか、まだそんなに実感はないです。ただ、新鮮に映ります、このベルトが」
——自分で価値を高めてきたベルトを再び手にして、今後に向けた展望は?
中邑「そうですね。取り急ぎと言いますか、昨日の時点でグレイシーがリングに上がり、かつ桜庭選手がリングに上がり、と。このベルトを手にした瞬間に、もうそういう状況が舞い込んでくる。ベルトの力なのか?自分の力なのか? まあ、そのへんはあいまいに、固定化しないでおこうと思います。やっぱり自分が長く巻いていた時期に、次から次へと面白いとかいい意味で難題が降りかかってくるわけですよ。非常に苦しいというか、かつ楽しいというか、『自分のプロレスを彩れる闘いが待っている』と思うと、非常にワクワクします」
——カードも決定し、当面の課題はグレイシー&桜庭ですか?
中邑「そうですね(笑)。まあ、桜庭・中邑vsグレイシーですか? 昨日も試合後のインタビュールームで言いましたけど、『いままで感じたことないような難しさを感じるんじゃないか?』とは思いますけどね(苦笑)。まあ、そこは中邑真輔ならどうにかできるんじゃないでしょうか?(笑)」
——この試合は「プロレスvs柔術 異種格闘技戦」として行なわれますが、ルールについてはどう感じますか?
中邑「異種格闘技戦ですか!? 僕はまだここに来たばっかりなので、何も決定事項も知らされてないんですけども。ルールにおいてはどうなっているんでしょうか!?」
——オープンフィンガーグローブによるパンチは有効。チョークスリーパーも有効、道着着用の場合のみ、道着を使った絞め技も有効です。
中邑「3カウントはあるんでしょうか?」
——あります。通常のプロレスルールが大前提です。
中邑「それもこれもこれからってトコじゃないですかね?まあ、サラな状態で始めるっていうわけでもないので、『対策としてはパパッと決められるかな?』というか。とにかくいまは、『ダメージを回復させないと』っていうトコでしょうね」
——棚橋選手との3連戦を振り返ってみて、今回の勝因はなんですか?
中邑 「棚橋選手と、(1月4日)東京ドームと(2月9日)広島と、昨日と闘って。なんだろうな? いま思うと、その一試合に詰め込む自分のエネルギーっていうものが、非常に『高い』というか『多い』というか。(それが)『何と何と何』と言葉で表すような感じではないんですが、まあ感情のほうでしょうね。いろんな感情があるわけですから。プロレスの世界に何年かいて、棚橋選手とも多かれ少なかれ色んな出来事があって。そういう感情がやっぱりすべて出てくる。かつ、その作業が1回、2回、3回とコンスタントにやってくる。もしかしたら、『“自分を引き出しながら闘わなければ闘えない”ぐらいまではきていたのかな?』と思いますけど。勝因としては、やっぱり自分の中で今回の試合においては、非常に風通しがいいと。自分の心の状態というか。そういう部分で、物凄く力が抜けてたっていうのはありますね。そこはホントに試合前から試合直前まで。よく緊張する試合の前だと、無意識に肩に力が入ってたりするのが確認できるんですけど、今回においては、リング上で自分の動きをチェックしながらも、『ああ、ちょっと抜けてるな』というような感覚がありましたね。それは過去2戦とはまったく違う感覚でした」
——4月12日、13日の台湾遠征は、チャンピオンとして行くことになりましたが?
中邑「棚橋戦において、『勝ったらどう』だとか、まったく意識せずに、それすらも余計な情報であると自分では認識していたので、『さあ!』というところですね。チャンピオンとして行くのが歓迎されるのであれば、非常に光栄なことですし。新日本プロレスかつ自分のプロレス、パフォーマンスというものが、存分に発揮できたらと思いますね」
——グレイシー戦で道着は着ますか?
中邑 「そうですね。道着ってカッコいいですからね(ニヤリ)。『間に合えば作りたいな』とは思いますけれど」
——最近、総合格闘技の練習は?
中邑「そうですね。軽く。知り合いが柔術を教えているので、そこで“たわむれる”ことはあります(笑)。まあ、このいまの新日本プロレスのスケジュールを見てわかるとおり、なかなか時間が取れませんが。時間的に余裕というか、隙間が見つけられればというトコでしょうね。『(レスリング)どんたく』に向かうツアーが始まってしまうと、“出っ放し”ということになってきますし。あとは通常どおり試合前の練習ということになってくるとは思います」
——中邑選手はダニエル選手に総合格闘技の試合で敗れていますが(2002年12月31日『INOKI BOM-BA-YE 2002』)、プロレスのリングでダニエル選手に雪辱したいという気持ちはありますか?
中邑「僕の中では『別モンでしょ?』っていう感じですね。たとえば、『総合で負けたからプロレスのリングでリベンジだ』なんていう、なんか安い考えはないです(苦笑)。むしろ、プロレスにおいては、グレイシーだとか柔術家というよりも・・・なんだろうな!? ま、ひとつグレイシーたちに聞きたいのは『何しに来たの!?』って話ですよね。『このリングで何を見せたいの!?』と。『俺たちは強いよ』っていうのを言いたいのはわかるけど、『じゃあ、その強さってどういうものなの?』っていうところですね。まあ、言葉なり、闘い方なり、聞いてみたいです」
——オープンフィンガーグローブは着用しますか?
中邑「う〜〜〜ん・・・。持ってないです、いま(笑)。もう、持ってたヤツもボロボロになって使えないですしね。汗がついて臭くなってるし、使いたくないなぁ〜・・・。オープンフィンガーを使うことはないでしょうね。素手で殴ったほうが痛いでしょうし」
——桜庭選手についてはどう思われますか?
中邑「そうですね・・・。“ここに来て動きがあって”って感じじゃないですかね。だから、先ほど僕がグレイシーに言ったように、桜庭選手が『なぜ新日本プロレスに上がるのか?』『新日本プロレスで何をしたいのか?』という部分、そういうものはちょっと確認したいと思ってます。ただ『新日本のリングに立ってプロレスするんだ』っていうだけじゃ(いけない)。自分は『リングの上でやりたいことをやりたい』『自分の言いたいことをプロレスという行為に変えて発して行きたい』だとか、やっぱりそういう思いがあるわけですよ。組むならば、闘うならば、そういう部分を知りたいし、求めてしまいますね」
——過去3回の新日本プロレスにおけるグレイシーの闘いぶりを見て、どう感じましたか?
中邑「ドンくさいですね、ハイ。実力を、持っているものを、発揮しているようには到底思えませんね。随所随所はあるんでしょうけれど、そういう感じは見て取れます。勝敗だけで言えば勝ち星を重ねているだろうけど、それ以上のものを自分は求めてしまうので。“勝ち負け以外の何か”っていう部分を。そういうところは“探り甲斐”だとか“いじり甲斐”だとかあるんでしょうが、そんな印象は受けてます。でも、たとえばホーレス・グレイシーにおいては、非常に身長も高いし、ポテンシャルはあると思う。デカさっていうのは、イコール強さだと思いますし。あとは圧力だったり、そういう部分での“組みしづらさ”というか、そういうものは感じます。ダニエルにおいてもそうですね。自分とやったって言ったって、12年も前ですよ? かつ、今回はルールも違うし、プロレスのリングですから。まあ、『普通にやったら自分の独壇場じゃないスか?』というぐらいの気持ちではいますね」
■レスリングどんたく2014
5月3日(土)17:00 福岡・福岡国際センター
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★5月3日「レスリングどんたく」主要カード!! オカダvsAJスタイルズ!! 中邑&桜庭vsグレイシー!! 飯伏vs田口!!
【写真:山本正二】