3月8日(土)、都内・有明コロシアムで開催されたプロレスリング・ノアの『「GREAT VOUAGE 2014 in Tokyo」方舟進章〜有明春の陣〜』に新日本プロレスの永田裕志、内藤哲也、CHAOSの矢野通、飯塚高史、YOSHI-HASHI、そして獣神サンダー・ライガーの6選手が出場した。
“GHC王者”永田が、杉浦との死闘を制して“V2”達成も、マイバッハの襲撃に悶絶!!(3.8ノア有明大会結果)
第7試合では内藤が丸藤正道と夢のタッグを結成。KENTA、そしてNEVERのベルトを巡って新日本のリングで抗争していたZERO1の田中将斗との豪華なタッグマッチに挑んだ。
先発の丸藤からタッチを受けて、KENTAと対峙した内藤。ロープにKENTAに押し込まれた内藤は頭をなでられると、お返しにKENTAの頭をなでなで。ここから火が点いたのか、気迫溢れるエルボー合戦を展開。
しかし、KENTAにマウントポジションを取られ、エルボー連打を食らってしまう。張り手合戦を挑んでも、KENTAに打ち負けて倒れる内藤。その後もKENTAに対して意識剥き出しの内藤は、丸藤が捕まってカットに入ったときも、KENTAの頭を蹴飛ばすなど、挑発的な態度を見せた。
中盤からは丸藤のタッチを受けて田中との攻防を展開。低空のドロップキックを決めると会場からはブーイングが飛ぶ。さらに田中との張り手合戦に挑んだ内藤だったが、田中の張り手と逆水平チョップでダウン。代わったKENTAにはコーナーに押し込まれ、顔面を踏みつけられる。
しかし、スイング式のロープへのスタナーを食らった内藤だったが、KENTAがスワンダイブを狙ったところをエルボーで撃墜。場外にKENTAを追いやり、鉄柵に足を固定するとドロップキックを炸裂させた。これで丸藤&内藤組はKENTAの左足に集中砲火。内藤もリバースのインディアンデスロックでダメージを与えていく。
KENTAにこのローンバトルを脱出されると、田中が大爆発。内藤も丸藤と連続で田中のエルボーの餌食となってしまう。リング上で丸藤が田中の垂直落下式ブレーンバスター、スーパーフライを食っている間、場外でKENTAに押さえ込まれていた内藤。しかし、リング上で丸藤が逆転し、田中に不知火を決めると、内藤もKENTAを場外に追いやってアシスト。
丸藤が田中と凄まじい攻防でダブルノックダウンすると、今度は内藤がハッスル。入ってきたKENTAを利用してスイング式DDTを田中に決めると、ダイヤモンドダストも防いでみせる。
しかし、代わったKENTAのブサイクへのヒザ蹴り、スワンダイブ式ミサイルキック、串刺し式低空ドロップキック、パワースラムを次々と被弾した内藤。だが、go 2 sleepを防いでエルボー合戦に打ち勝ち、ニークラッシャーを決めると、足4の字固めでギブアップを迫る。だが、これでギブアップを奪えなかった内藤は逆にSTFで固められてしまう。これを脱出後、丸藤のアシストでロープ超えのドロップキックを顔面に入れ、丸藤とのトラースキックと延髄斬りの合体技。さらに内藤はジャーマンスープレックスを決めた。
続くスターダストプレスをKENTAにかわされ自爆。田中のスライディングD、KENTAのダイビングフットスタンプを被弾して追い詰められたが、内藤も踏ん張る。途中、ジャンピングエルボーアタックを放った際に相手の頭部がバッティングし、流血してしまったが、最後まで勝負を諦めず。結局、最後は4者が入り乱れての攻防で全員がダウン。時間切れ引き分けとなった。
試合後もKENTAに突っかかっていく内藤。丸藤に分けられたが、その丸藤と田中が揉めだし、最後はKENTAと田中が睨み合う始末。内藤も丸藤とツーショット撮影に収まるのを拒み、4者それぞれバラバラにリングを後にしたのだった。
■3月8日(土) プロレスリング・ノア
「「GREAT VOYAGE 2014 in Tokyo」方舟進章〜有明春の陣〜」
東京・有明コロシアム大会 観衆・6000人
第7試合【Beyond The Border スペシャルタッグマッチ30分1本勝負】
△丸藤正道&内藤哲也(30分00秒 時間切れ引き分け)KENTA&田中将斗 △
■内藤哲也のコメント
内藤「まあ、今新日本プロレスがシリーズ中っていうこともあるし、急に決まったからっていうのもあるけどね、超一流っていうのはいきなり今試合が決まっても、最高のものを見せるレスラー。まあ、何も言い訳するつもりはないです。ただ、俺自身、すげえ楽しみすぎちゃったなと。すげえ楽しかった。痛いよ? 怖いよ? 負けられないよ? でも、なんかすっげえ楽しくてしょうがなかった」
──何が楽しかったですか?
内藤「いや、わからない。今まで感じたことのない刺激だったから。すげえ楽しく感じたのかもしれない。もしかしたら、今の俺の状況がね、東京ドームでオカダに負けて、2月大阪で石井に負けて、何も守るものがなくなってしまった。さあ、どうする? そんな状況でこんないい刺激を得ることができたんで、すっげえ楽しかったし、すっげえ意味のある30分だったなと思います」
──改めてKENTAという選手はどうでしたか?
内藤「いや、俺が昔言ってた、『プロレスは身長で競うもんじゃねえんだ。体重で競うもんじゃない』。まさにそれを去年1年、このリングで体現してた選手ですから。もちろん、リスペクトする気持ちはありますよ。それを今日、思う存分感じてこようと思ってたんで。いい刺激が身体の中で、いい刺激として、入ってきました」
──今後も続きそうですか?
内藤「いや、俺はいつでもウェルカムだよ。呼ばれていようが、呼ばれてなかろうが、俺、またノアのリングに来ようかな? KENTA、やり足りねえだろ? 俺もやり足りねえよ。どこだ? 新日本のリングか? ノアのリングか? 明日か? 来月か? いつでもいいよ。いつでも俺はこのノアのリングに帰ってきて、必ずKENTAをぶちのめしてやる。まあ、凄い言い方悪いけど、俺、『NEW JAPAN CUP』に向けて、弾みになれば、いい刺激を得られたら、その後の両国といけるかなって軽い気持ちで来たんですよ。そんな甘いもんじゃなかった。すっげえいい刺激をもらった。この刺激をまた明日から新日本のリングに戻りたいと思います。そして必ず、このリングに帰ってきます。新日本のリングだけじゃない。ノアのマットも、そして日本中、世界中のマットの中心に立ってやる! いいか? 全世界のプロレス界の中心、主役は俺だ!」
第4試合ではノアのユニット・BRAVEと新日本のCHAOSが6人タッグで激突。CHAOSの矢野&飯塚&YOSHI-HASHIはモハメド ヨネ&中嶋勝彦&小峠篤司と対戦した。
先制攻撃を仕掛けたCHAOS勢はいったん矢野が捕まりかけるも、巧みなコンビネーションで逆転。矢野が小峠をカニバサミで倒すと、その小峠に場外から飯塚がイス攻撃。YOSHI-HASHIも含め、場外乱闘で流れをつかむ。
リングに戻せばコーナーの剥き出しの金具に小峠をぶつけ、さらに飯塚がチョーク攻撃、YOSHI-HASHIも如意棒を大上段から振り下ろすなど、やりたい放題だ。しかし、飯塚が剥き出しの金具に自爆して形勢逆転。小峠から代わった中嶋には矢野、飯塚がキック攻撃にさらされる。さらに代わったYOSHI-HASHIがヨネのギロチンドロップからスリーパーに捕まり、飯塚は中嶋のワキ固め、矢野も小峠のタランチュラに捕まるなど、追い込まれたCHAOS勢。
YOSHI-HASHIは小峠と中嶋のトラースキックを顔面に食らい、さらにヨネのキン肉バスターに捕まって万事休す。ところが、ここで矢野がイスを持って乱入! ヨネをイスで殴打してYOSHI-HASHIを救出したが、当然の如くゴングを鳴らされ、CHAOS勢の反則負けとなってしまった。試合後、CHAOS勢は鬱憤を晴らすように飯塚がヨネにアイアンフィンガーフロムヘルをかましていた。
第4試合 【BRAVE vs CHAOS スペシャル6人タッグマッチ30分1本勝負】
○モハメド ヨネ&中嶋勝彦&小峠篤司
(11分12秒 反則=矢野のイス攻撃)矢野通&飯塚高史&YOSHI-HASHI×
■矢野通&飯塚高史&YOSHI-HASHIのコメント
飯塚「ウガ〜〜〜〜」
YOSHI-HASHI 「ふざけんな、おい!」
矢野「ノーコメント!」
獣神サンダー・ライガーは、新日本在籍時にライバル関係にあった佐野巧真のデビュー30周年記念試合に登場し、タッグを結成。NO MERCYの高山善廣&平柳玄蕃との対戦に挑んだ。試合前には佐野のデビュー30周年を祝い、花束贈呈にノアの田上明社長、Uインター時代の同志である宮戸優光氏が登場した。
先発の佐野のタッチを受けたライガーは玄蕃と対峙。玄蕃のマスクの角つかみ行為に怒りを見せるも、巧みなラフさっぽうと続く高山のド迫力の攻撃に苦戦を強いられる。ローンバトルが続いたライガーだったが、2人を鉢合わせして形勢逆転。高山に渾身のランニング掌打を叩き込んで、佐野につないだ。
佐野が玄蕃を捕まえると、ライガーはすかさず高山を場外に連れ出しアシスト。さらに高山相手に佐野とのトレイン攻撃から、ダブルブレーバスターも決めてみせる。佐野と揃って玄蕃に金的を掴まれたが、すぐさま掌打でお返し。最後はライガーが高山を抑えている間に、佐野がノーザンライトボムで玄蕃からフォールを奪った。
第3試合【佐野巧真デビュー30周年記念試合30分1本勝負】
○佐野巧真&獣神サンダー・ライガー
(9分37秒 北斗ボム → 体固め)高山善廣&平柳玄藩×
■獣神サンダー・ライガー&佐野巧真のコメント
──佐野選手、30周年を自ら決めてそれを祝いましたね。
佐野 「そうだね。でも、助けてもらったんだけどね(笑)」
──ライガーさん、佐野さんのデビュー30周年のパートナーを務めましたけど。
ライガー「やはり、リング上の佐野さんは素晴らしいわ。もっともっとリングに上がって、試合してもらいたいと思うし、感傷に浸るわけじゃないけど、やっぱり佐野さんがいたから今のライガーがあるんであって、そのライガーの前身も佐野直喜(かつてのリングネーム)というレスラーがいたので、ここまでやってこれた。それは仲良しこよしじゃないんで。この男には負けたくねえっていう気持ちで俺はここまでやってきた。全て俺より上の物を持っている。お世辞でもなんでもない。30周年を祝うわけでもない。これは本音なんで。目標だったんだよ。絶対この男に負けたくないって、目標だった。だから、これからも佐野さんにはリングに上がってほしいし、その佐野直喜を見て、俺はまだまだ負けねえ、あんたを追いかけるぜっていう気持ちを常に持たせてほしいです」
──佐野さんにとってはライガーさんというのは改めてどういう存在ですか?
佐野「ボクも口数少なくてこんなこと言ったことないけど、ホントに負けたくない相手の一人。ホントに彼がいたからこそ、ここまでやれたっていうか、彼に負けたくないという一心で始まってるから。ホントに彼にそう言ってもらえて嬉しいけどね、これからもその気持ちに応えられるように、どんな形であれ頑張っていきたいです」
──今回、5年ぶりのタッグみたいですね?
ライガー「シックスメンかな?(実際は2011年の『ALL TOGETHER』)ボクと佐野さんともう一人、船木かな?」
──その感覚、感触というのはどうだったんですか?
佐野「まあ、横にいれば安心もするけど、負けたくないという気持ちもあるしね」
ライガー「ハハハハ!」
佐野「いろんな気持ちが交差して、力入るよね、やっぱりね」
──佐野さんにとって当然30周年は通過点だと思いますけど、これからに向けてを聞かせてください。
佐野「まあ、ここで終わりじゃないしね。これからもどんな形であれ、リングに上がっていきたいし、彼にはこの先も負けたくないからね。彼の思うような存在でありたいね」
──ライガーさんはエールじゃないですけど、佐野選手にメッセージはありますか?
ライガー「シングルやりましょうって。今回はタッグ組んだけど、さっき言ったように仲良しこよしじゃないんだよ。こいつには負けたくねえっていう気持ちなんだよ。その気持ちが熱いうちにリング上でシングル、是非よろしくお願い致します。おめでとうございました」
撮影/山本正二