8月18日(日)、都内・両国国技館で開催されたDDTの『両国ピーターパン〜プロレスの傾向と対策〜』に新日本プロレスのオカダ・カズチカが参戦。飯伏幸太とのシングルマッチに挑んだ。
まず、オカダから入場。いつものように外道を伴い、入場ゲートを潜ると、その付近から札束が噴出する。一方、飯伏の入場時には宝くじが噴出する演出。場内、最高の盛り上がりだ。
ゴングが鳴ると、少し様子を見合ってからロックアップした両者。オカダはロープに押し込んでからクリーンブレイク。そして、レインメーカーポーズを決めると、ブーイングと歓声が交錯する。続いてオカダはヘッドロックからショルダータックルで飯伏を吹っ飛ばしてみせた。
一方の飯伏は組み合った状態からバックを奪うと、掟破りの逆レインメーカー! さすがにオカダは食らわなかったものの、お返しとばかりに放ったレインメーカーもかわされてしまう。その後、コーナーに上がった飯伏にオカダは下から突き上げるようなドロップキックを発射。場外に転落させた。そして、場外でいためつけてから、飯伏の身体をエプロンに載せると、そのまま首を抱えて床にDDT! しっかりと首にダメージを与えて、レインメーカーへの布石を打っていく。
カウントギリギリでリングに戻ってきた飯伏をオカダはコーナーに追い詰めストンピングを連発。飯伏がエルボーで反撃してくるとニーリフトで黙らせ、側頭部を低空のドロップキックで打ち抜いた。そして、グラウンドでDIDで飯伏を固めたオカダ。ロープに逃げられてしまったが、すぐにエルボーを首筋に叩き込んで、攻撃の手を緩めない。串刺し式のバックエルボーを叩き込み、飯伏を踏みつけてポーズを取ると、場内から発生したブーイングを浴びて得意顔。
しかし、飯伏の反撃。ネックブリーカーを決めたものの、続くセントーンをかわされたオカダは、お株を奪われるような飯伏の打点の高いドロップキックを顔面にモロに被弾。ミドルキックとローリングソバット、さらにその場飛び式のムーンサルトニードロップを立て続けに食らい、フランケンシュタイナーで叩きつけられると、たまらず場外へ。飯伏のバミューダ・トライアングルは読んでリングに戻ったが、すぐさまドロップキックで追撃されてしまう。そして、再び場外に逃れたところに飛んできたのは飯伏のスワンダイブ式のカンクーントルネード。
一連の飯伏の攻勢で劣勢に追い込まれていたオカダだが、リングに戻るとフラップジャックで流れを変える。そして、飯伏の首をDDTで突き刺すと、ヘビーレインを繰り出して、飯伏をマットに叩きつける。続いてコーナー最上段に登ると、ダイビングエルボードロップを投下。そして、おまちかねのレインメーカーポーズだ。ところが、レインメーカーの体勢に捕らえたはいいが、逆に体勢を入れ替えられ、ジャーマンで切り返されてしまう。すぐさまリバースネックブリーカーで逆襲したが、お互いにダメージが深く、ダブルダウン状態に。
飯伏と同時に立ち上がったオカダはリング中央でエルボー合戦に挑む。だが続いて放ったドロップキックはすかされ、その場飛び式のカンクーントルネードを被弾。さらにコーナー最上段での攻防から、飯伏が仕掛けてきた雪崩式のフランケンシュタイナーを外したはいいが、その衝撃で場外に転落させられてしまった。このダメージは大きく、リングに戻ると飯伏にラストライドの体勢に捕らえられてしまう。これをリバースして返したものの、飯伏が連続してき仕掛けてきた回転エビ固めで間一髪3カウントという状態に追い込まれた。
しかし、オカダは慌てない。飯伏の回転エビ固めをキックアウトすると、ロープに飛んだ飯伏にカウンターでドロップキック! そして、レッドインクで飯伏をガッチリと捕獲だ。しかし、これでも飯伏からギブアップを奪えない。ロープブレイクで逃げられると、今度は反対にコーナーに突っ込んだところをスクールボーイのように回転してから、ジャーマンで叩きつけられてしまう。続く飯伏のラストライドをこらえたものの、逆に仕掛けたツームストンも決められず。飯伏の飛び込み式のラリアットでマットになぎ倒され、シットダウン式のパワーボムも被弾。そして、遂に飯伏のフィニッシュホールド、フェニックススプラッシュが発射された。
しかし、オカダは食らう寸前でこれを回避。自爆してふらつく飯伏の背中にドロップキックを炸裂させる。そして、再びツームストンパイルドライバーの体勢に。しかし、飯伏も踏ん張って、これを決めさせない。オカダは逆にラストライドの体勢で再び持ち上げられてしまう。だが、2度も同じ技を食うわけにはいかない。空中でこれを逃れたオカダは、すぐさま飯伏を捕獲してレインメーカーの体勢。これもすかされてしまったが、続く飯伏が放ってきたオーバーヘッドキックを、オカダもかわして足を捕獲。そして、そのままツームストンパイルドライバー! 飯伏をマットに串刺しだ。これで勝負あり。グッタリとなった飯伏にレインメーカーでトドメを刺し、3カウントを奪った。
■8月18日(日)DDTプロレスリング『両国ピーターパン〜プロレスの傾向と対策〜』 東京・両国国技館
〔ダブルメインイベント/ドラマティックドリームマッチ〕60分1本勝負
◯ オカダ・カズチカ (19 分50秒、レインメーカー→エビ固め) 飯伏幸太〉 ☓
■オカダ・カズチカ&外道のコメント
オカダ 「いいよ、飯伏。いいですよ。これが新日本の、IWGPチャンピオンの実力だ。誰かの言葉を借りると、今日の試合疲れてないよ。ただな、まだな、序章だよ。もっともっと、次は新日本のリングでもいい。DDTのリングでもいい。100%出しきって、潰しにいくぜ」
外道 「飯伏! おまえ悪くねえよ! 悪くねえけど、レインメーカーには勝てねえ! な〜んでかわかるか、おい? レ〜〜ベルが違うんだよ、この野郎、おい! おめえじゃあよ、カネの雨は降らねえんだよ! おめえじゃあなあ、宝くじ止まりだな!」
■飯伏幸太のコメント
── オカダ選手はいかがでしたか?
飯伏 「やっぱ凄いですね。でも、申し訳ないですね。DDTのファンに。勝たないといけない場所だったんで。くそう……。でも、そんなになんかもの凄く差が開いてるなとは思わなかったです。それは自分がG1に出たのが凄いプラスになってると思うし。そんなに体格の差も感じなかったです、はい」
── 逆に言うとその少しの差はどういうものなんですか?
飯伏 「自分も結構いろんな経験をしてるんですよ。経験してきたことの違い。それはああいうプロレスの経験の差だと思います。ダメでしたね。でも、リベンジできるなら、絶対にしたいです」
── (口の)出血はどこで?
飯伏 「出血はドロップキック。やっぱ、ドロップキック凄いですね。凄かったです」
── 中が切れてるんですか?
飯伏 「そうです。歯じゃないです、はい。いやぁ、自分もいいドロップキックをしたんですけど、別格でしたね。まあ、ピラミッドの件はまだ自分は憶えてるんで、いつかはピラミッドの仕返しをしたいですね」
── ピラミッドに登れなかったのはオカダ選手のせいなんですか?
飯伏 「まあ、雨の中、彼のせいで8時間移動したんで。その恨みは次必ず晴らします」
── この夏はG1に参戦し、DDTの両国大会2連戦も終わりました。
飯伏 「走り抜けましたね。気持ち良かったです。いろいろ経験できて。まだまだですね。まだまだ。頑張ります。ありがとうございました」
撮影/山本正二