『THE NEW BEGINNING in SAPPORO』2月24日(土)きたえーる大会で内藤哲也選手の持つIWGP 世界ヘビー級王座に挑戦する前王者・SANADA選手に直撃インタビュー!
あらためてドームの一戦、そして王者として過ごした9カ月間を振り返るとともに、内藤選手との “リマッチ”に向けての想いを語る!
聞き手/市川亨
撮影/中原義史
■『THE NEW BEGINNING in SAPPORO』
2月23日(金・祝) 15:30開場 17:00開始
北海道・北海道立総合体育センター 北海きたえーる
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2月24日(土) 12:30開場 14:00開始
北海道・北海道立総合体育センター 北海きたえーる
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■前哨戦を通して内藤さんの支持の方が高かったけど、そこに乗ったら“ホンモノ”にはなれないと思ってました
――さて、SANADA選手。自身初の東京ドーム大会のメインイベントは残念ながら敗北という結果に終わってしまいましたが、初の東京ドーム大会メイン、そして最後に入場花道を歩くという経験はいかがでしたか?
SANADA 入場前からいい緊張感がありましたね。
――緊張でガチガチになってしまうという感じではなかったと。
SANADA そういうのはまったくなかったです。一番人間がダメになるのは、その場の状況に飲み込まれることだと思うんですよ。いかに自分をどう出すかっていうのが大事だと思っているので、そこは自分に自信をもって入場しました。
――先に内藤哲也選手が入場して、会場中の「内藤」コールが凄かったですけど、それはどう感じられました?
SANADA 自分の入場に集中していたので、あまり耳には入ってこなかったですね。その歓声を聞いてもしょうがないというか、自分がどうこうできることでもないし。セミまでは好きな音楽を聴いてテンションを上げたり、これまでのタイトルマッチ前と同じようにJust 5 Guysのメンバーとコミュニケーションを取ったりして、とにかく飲み込まれないようにしてましたね。
――飲み込まれないためにも、なるべく普段通りを心がけていたわけですね。
SANADA 去年の年末の最後の前哨戦で内藤さんからマイクで煽られましたけど、あそこで自分がなにか言葉を返していたら、飲み込まれていたと思うんですよ。どれだけ嫌われようが、失敗しようが、自分を出す方が大事だと思っているので。
――最後の前哨戦のときは観客からブーイングも起きましたが、それでも惑わされずに自分を貫くことに集中したと。
SANADA 全然、(ブーイングを食らっても)ショックじゃなかったし、無反応が一番ショックですから。賛否両論ある方が面白いと思うし、全員が全員、支持されても面白くないですからね。
――SANADA選手の言葉を借りるなら、内藤選手の敷くレールに完全にファンが乗っかっている感じでした。
SANADA 最初からみんなレールに乗っているのはわかっていたことなので。だからなおさら、「俺はそこには乗らない」っていう選択をしたわけで。たとえば100人の内、99人が支持したらみんなそっちに傾くと思うんですよ。でも、突き抜ける人ってそこで1人を貫くことができる人だと思っていて。だから前哨戦を通して内藤さんの支持の方が高かったけど、そこに乗ったら“ホンモノ”にはなれないと思ってました。
――入場シーンで印象深かったのは赤色のガウン、コスチュームで、そこでもまた見ている側の意表を突いた感じでした。
SANADA 赤って燃える色で、力がみなぎってくるというか。赤色を見ると燃えるような感じで、昔から好きな色だったんですよ。
――どうしてもSANADA選手というと青色のイメージが強いです。
SANADA みんな青で来ると思ったんでしょうけど、やっぱりみんなが思うことじゃないことをやりたいんですよね。ギャップフェチなのかもしれないです(笑)。
――あえて正反対を行くことが好きだと。ただ、あのガウン、コスチュームを見たときに、多くの人がかつての武藤敬司さんを思い出したと思います。
SANADA 本当ですか?
――いや、思いますよ。本人的には意識はしていなかったんですか?
SANADA そんなに意識したわけではないですよ。武藤さんっていうよりは、「SANADAが赤って新鮮だな」っていうインパクトを与えたかったんですよね。「赤で来たよ!」っていう。
――SANADA選手が言葉で多くを語らないからこそ、見ている側はいろいろと想像し、イメージを膨らませるんだと思います。
SANADA 捉え方は人それぞれだと思うので、見ている人が捉えたように思ってくれればいいです。
■やっぱり悔しさが一番ですけど、すべてのシチュエーションが響いたっていうか。もともといたチームの関係性からいまはバラバラになってとか、そういうすべてのことが重なって、自然と涙が出てきっちゃったんですかね
――試合を振り返ると、試合途中で首を痛めたんですよね?
SANADA みんな肩って言ってましたけど、首でしたね。首から神経に来て、途中から右腕が上がらなくなっちゃって。
――どのタイミングでその症状が出てきたんですか?
SANADA 内藤さんの首攻めがあって、終盤にかけての攻防で衝撃を受けていくなかで、腕が上がらなくなっていった感じですね。全然、力も入らないし感覚もなくなっていって。
――その状態になって焦りはなかったですか?
SANADA 焦りはなくて、「なんとかなるだろう」と思って闘ってましたね。
――終盤には掟破りのデスティーノも決めました。
SANADA 俺の中では“アサイ式デスティーノ”ですね。
――ウルティモ・ドラゴン選手のアサイDDTと技の入り方は同じでしたね。
SANADA 内藤さんとの初シングルの時にもやったんですよね(2018年8月)。やるとなると難しい技ですよ。
――裏を返せば、自分の攻め手が少なくなっていった末の掟破りだったと思います。
SANADA なんとなくデッドフォールを読まれているのは感じていたので、なかなか決めるのが難しかったですね。
――逆に内藤選手からデッドフォールを食らってしまいましたよね。
SANADA 首を痛めていたから余計にキツかったです。普段は自分が掛けている側だけど、いざ食らったらこんなに強烈な技なんだなって。
――前哨戦からなかなか思うように支持を得られず、それで試合でも勝てなかったというのは、客観的に見ればダメージが大きい負けだったと思います。
SANADA 俺も試合前は、「仮に負けたら落ちていっちゃうな」って思ってたんですよ。でも実際、負けたときに、「SANADA、ダメだな」っていう雰囲気はそんなに感じなくて。もちろん負けたことはメチャクチャ悔しかったけど、自分の中でも「ダメだな」っていう感情は不思議となかったです。
――そこまで気持ちが沈んでいる自分はいなかったと。
SANADA 負けたときにちょっと清々しいものも感じたっていうか。負けたときに得るものも多いなっていうのを感じて。
――それはやはり自分のポリシーを貫いた上での敗北だったから、そのような気持ちになったのかもしれないですね。
SANADA 悔いはあっても、自分を出し切った上で負けたからっていうのはあったかもしれないですね。
――試合後にEVIL選手に襲撃された内藤選手を結果的に救出した形になりましたけど、あれは咄嗟の行動だったんですか?
SANADA そうですね。東京ドームのメインに初めて立って、やっぱり東京ドームのメインは最後に勝った人が締めるべきものだっていうのを実感したんですよね。そこで乱入者が締めるっていうのはあり得ないし、東京ドームのメインに立ったことで、その重みを知ったからこその行動でしたね。逆にEVILには感謝してますよ。結果的にあそこで自分が出ていくような状況が出来たので。
――ロス・インゴから抜けた2人と内藤選手が対峙したのも印象的な光景になりました。
SANADA もともと一緒にいた3人が、ここ数年で立ち位置が変わってああいう状況になるっていうのは面白いですよね。ああいうことがあると、プロレスは長く見続けるものだなって思うし、それぞれの歴史っていうのは大事だなって。
――EVIL選手を蹴散らすと、場内から「SANADA」コールが起こりました。
SANADA 負けてしまったけど、試合前からのことを考えれば最後の最後でああいう反応が来るっていうのは面白いですよね。
――負けた側にも感情移入をさせたという意味では、SANADA選手が貫いてきたことが最後の最後でファンにも伝わったように感じました。
SANADA やっぱり貫き通すのは大事なんだなって。俺が最後まで自分を貫いたからこそ、あのSANADAコールがあったと思うんですよ。中途半端にどこかで俺が内藤さんの言葉に反応していたら、もしかしたらあのコールはなかったのかなって。
――退場通路では涙も見せていました。
SANADA 自然と出てきましたね。やっぱり悔しさが一番ですけど、すべてのシチュエーションが響いたっていうか。もともといたチームの関係性からいまはバラバラになってとか、プロレス界で一番大きなイベントのメインイベントに初めて立てたとか。そういうすべてのことが重なって、自然と涙が出てきっちゃったんですかね。
――言葉がなくても、あの涙はすべてが伝わったと思います。
SANADA どれだけ遠回りしても貫き通すのは大事だなっていうのを学んだし、貫き通した先の、(SANADAコールという)ギフトでしたね。
――一方で負けたことで達成できなかったものも残ったわけで、再びドームのメインに立つという目標もできたと思います。
SANADA 自分のいままでの人生の中で、そんな簡単にいくことって少なかったですから。時間がかかってでも、諦めなければ叶ってきたことも多いし、また今回も諦めなければドームのメインで勝つこともできると思っているので。プロレス界全体の一番大きな大会のトリを務めることに意味があると思うし、またそこに立つことができたらいいなって。
■プロレス界で一番の人気ユニットのL・I・Jと、まだまだ未完成のJust 5 Guysが闘って、(L・I・Jを)利用させてもらおうかなと(ニヤリ)
――あらためてチャンピオンとして過ごした約9カ月間はどのような時間でした?
SANADA チャンピオンになってからの方が、支持されることは少なくなりましたよね。やっぱり人間ってなにかを追いかけている人を応援したくなると思うんですよ。
――追われる側のツラさ、厳しさを実感したわけですね。
SANADA それがチャンピオンなのかなって。もちろん仲間はいたけど、孤独でしたね。
――9カ月間、テッペンからの景色はどう見えていました?
SANADA 振り返ると、あまりいい景色ではなかったですね。やり切れなかった部分があるっていうか。たとえば自分がメインのビッグマッチでチケット完売ができなかったし、一回も納得はできなかったです。成し遂げていないことをやるためにも、もう一回チャンピオンになりたいですね。
――1.5墨田区大会の試合後には、内藤選手に対して「もう一回、闘っていただけますか?」とのアピールをおこないました。
SANADA もう一回チャンスをくれって。イッテンゴのときにも言いましたけど、内藤哲也とSANADAが第一線でできるのはいましかないなと思って。
――なぜそう思われたんですか?
SANADA コンディション的なものですね。
――内藤選手のコンディションに関しては東京ドーム大会の戦前から指摘していましたが、あらためて東京ドームで対戦してその思いを強くしたわけですね。
SANADA いまの内藤哲也とできるのはいましかないし、「まだ第一線でできるうちにやっておきたいな」っていう気持ちが強くなりましたね。
――内藤選手は東京ドームの試合後に救出されたことへの借りを返す意味で、タイトルマッチを受諾しました。
SANADA 自分の中で貸しを作ったつもりは全くないし、イッテンゴのときにほかのメンバーもL・I・Jのそれぞれの選手と揉めていたので、まとめてやりましょうって。プロレス界で一番の人気ユニットのL・I・Jと、まだまだ未完成のJust 5 Guysが闘って、(L・I・Jを)利用させてもらおうかなと(ニヤリ)。
――Just 5 Guysをユニットとして完成させる過程で、L・I・Jとの対抗戦を利用しようと。
SANADA Just 5 Guysを勢いづかせたいし、そのためにL・I・Jと闘うことは凄く大事なことかなと。何かしら利用できるものを利用するのは決して悪いことではないと思うので。
――いわゆるダイレクトリマッチに関しては、肯定的な意見ばかりではないと思います。
SANADA 「またやるの?」みたいに思う人もいるでしょうけど、それは過去の新日本がやってきたことで、俺にとっては初めてのことですから。ただ、ハードルが高いのも分かってますよ。
――東京ドームで一つの結末を見せた上でのリマッチは、確かにハードルは高いでしょう。
SANADA でも、ハードルが高いことをやる方がやりがいもあるし、(東京ドームで)負けたことによって、ある種一つの自信もついたので。
――東京ドームのメインを経験したという自信ですか?
SANADA それもあるし、やっぱりあの場で負けたことっていうのは自分の中で得るものも大きかったので。このいまの気持ちのまま、もう一回、内藤さんと対戦したいなって。
――内藤選手は「いまのSANADAじゃ俺には勝てない。何を変える?」とのコメントを残しています。
SANADA 逆に俺は「内藤さんの方が危ないのかな」って思うんですよ。もう同じ戦略しかないじゃないですか?
――内藤選手はすでに戦略、戦法を含めて安定したものを築いている面はありますね。
SANADA だからそれ以上、伸びしろがないかなって。
――裏を返せば、まだまだSANADA選手には違う一面があると。
SANADA 違う面を見せよう、見せようって思いすぎるのもよくないと思っていて。自分がピンと来るものを提示して、それに向けて全力でやることが大事かなと思ってます。
■今回も自分を崩さずに進んで行ったら、なにか明るい光が見えてくるのかなって。そこで媚びたりするとよくないと思うし、自分を崩さないというのは大事にして前哨戦を闘っていきたいですね
――その中で今回はどのようなものを提示しようと思っているんですか?
SANADA 語りたいとは思っているんですけど、自分の中でそれには条件があって。
――条件?
SANADA 内藤さんがあのベルトを腰に巻いたら、俺も語りたくなるかなって。だってみんな、内藤さんがベルトを腰に巻いている姿を見たくないですか?
――見たいと思っている人もいるでしょうね。
SANADA まあ、内藤さんがこのレールに乗らないのも自由なので、それはそれでいいですけど。でもベルトを巻いた内藤哲也の姿を見たら、いろいろとイメージが沸いてきそうだなって。
――他力本願ではありますが、いずれにしろSANADA選手の違う一面に期待するファンもいると思います。
SANADA プロレスはしゃべりだけじゃないし、情熱的で面白いものがあればいいのかなって。
――この前の東京ドームを経て、ベルトを失った自分に対してファンがどのような反応を示すかは気にならないですか?
SANADA 多少気にはなりますけど、あまり意識はしてないです。今回も自分を崩さずに進んで行ったら、なにか明るい光が見えてくるのかなって。そこで媚びたりするとよくないと思うし、自分を崩さないというのは大事にして前哨戦を闘っていきたいですね。
――今回は5対5の対抗戦でほかにも4つのシングルが組まれていますが、気になる試合はありますか?
SANADA DOUKIさんの試合ですね。そろそろタイトル戦線に食い込んでいってほしいなって。そのためにも今度の(高橋)ヒロムさんとの試合は大事になってくると思うし、DOUKIさんの今後を左右するのかなと。
――Just 5 Guysとしても、DOUKI選手の存在感が高まれば、より強力なユニットになるでしょうしね。
SANADA さっきも言いましたけど、ユニットとして勢いづけたいので、DOUKIさんもタイトル戦線に絡んでほしいんですよね。だからDOUKIさんには注目してます。
――TAKAみちのく選手に関してはいかがですか?
SANADA 30年以上やってても、夢あるなっていうのを見せてほしいですね。周りの予想を崩していくっていうのも、Just 5 Guysだと思うので。TAKAさんには今度それを見せてもらいたいです。タイチ兄やんと上村はそれぞれが自分の力を信じれば勝てると思っているので、そこは信頼しています。
――ユニットとしていまベルトは1本もない状態ですが、巻き返しを図る意味でもL・I・Jとの対抗戦は勝ち越さないといけない。
SANADA 勝ち越して、自分はベルトを取り返して、前回は防衛戦も全員後輩でしたし、今度は“ベテラン”ともやりたいと思っているので。前回のチャンピオン時代に実現できなかったことを今度こそ実現させたいです。
『Road to THE NEW BEGINNING』
■1月21日(日) 14:00開場 15:00試合開始
滋賀・長浜伊香ツインアリーナ
★チケット情報
■1月23日(火) 17:30開場 18:30試合開始
東京・後楽園ホール
★チケット情報
■1月24日(水) 17:30開場 18:30試合開始
東京・後楽園ホール
★チケット情報
■2月1日(木) 17:30開場 18:30試合開始
長野・長野県立武道館
★チケット情報
■2月3日(土) 17:30開場 18:30試合開始
埼玉・サイデン化学アリーナ(さいたま市記念総合体育館)
★チケット情報
■2月4日(日) 17:30開場 18:30試合開始
東京・後楽園ホール
★チケット情報
■2月5日(月) 17:30開場 18:30試合開始
東京・後楽園ホール
★チケット情報
■2月6日(火) 17:30開場 18:30試合開始
埼玉・ウイング・ハット春日部
★チケット情報
■2月8日(木) 17:30開場 18:30試合開始
福島・いわき市立総合体育館
★チケット情報
■2月9日(金) 17:30開場 18:30試合開始
茨城・古河市イーエス中央運動公園はなもも体育館
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『THE NEW BEGINNING in OSAKA』
■2月11日(日) 15:30開場 17:00試合開始
大阪・大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)
★チケット情報
『THE NEW BEGINNING in SAPPORO』
■2月23日(金・祝) 15:30開場 17:00試合開始
北海道・北海道立総合体育センター 北海きたえーる
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■2月24日(土) 12:30開場 14:00試合開始
北海道・北海道立総合体育センター 北海きたえーる
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