大好評!ゲームデザイナーの野中大三さんによるプロレスコラム!
■第69回「目指せ定番!毘沙門が毘沙門を超える!」
みなさん、こんにちは!
つい最近まで夏だったのに、気づけばもう11月。今年も残すところあとわずかとなりました。来年のイッテン・ヨンのカードが続々と決まっていく中、ヘビー級タッグのタイトルマッチはまだ空いたまま。今週からはじまる年末恒例の『WORLD TAG LEAGUE』はヘビー級最強タッグ決定戦であると同時にイッテン・ヨンへの出場権争奪戦でもあります。
今年は16組の魅力的なチームが参戦する楽しさぎゅうぎゅう詰めのリーグ戦になりました。
今回はその『WORLD TAG』についてゲーム的に論じていきます。
それではゲーム的プロレス論、PUSH START!
■今年のテーマは“毘沙門包囲網”
本命は後藤洋央紀選手とYOSHI-HASHI選手の毘沙門であると言い切りましょう。
どう見ても毘沙門です。
『WORLD TAG』2連覇中にして現IWGPタッグ王者。さらに参加チーム内で唯一の優勝経験チームとなれば本命中の大本命と言えます。
新世代勢に海外マット勢、犬猿タッグに新日本プロレス初参戦の選手、おまけに正体不明のZまで、16組32選手はとにかく見どころが多い。でも、こと優勝予想となるとどう見ても毘沙門が挙がります。
それくらい実績が飛び抜けているのです。
毘沙門は今や新日本プロレスのタッグのトップであり、看板チーム。
ベルトも獲って、『WORLD TAG』も獲った。ドーム大会でも勝利した。この先に目指すのは……。
ズバリ“定番化”ではないでしょうか!?
新日本プロレスの歴史には定番と呼べる日本人名タッグが何組もいました。
馳健タッグ、蝶天タッグ、テンコジ、GBH。毘沙門はこういった定番タッグに名を連ねようとしています。
タッグ史に残る定番タッグチーム、そこに手をかけているのが今の毘沙門ではないでしょうか。
定番と聞くと落ち着いてしまった感がありますが、定番とはトップの証明であり、常勝の絶対強者。
そこに至るには長く厳しい道のりがあるのです。
■定番タイトルは目指してなれるものじゃない
ゲーム業界は定番タイトルだらけです。ウン十年続いているタイトルは定番と呼んで差支えはないでしょう。
ドラゴンクエスト、ロックマン、ぷよぷよ、パワフルプロ野球。本当にたくさんあります。
中でも任天堂は定番タイトルの宝庫。現行機のNintendo Switchの売上トップ10はいつもマリオやポケモン、星のカービィ、ゼルダの伝説といった定番タイトルで埋め尽くされていて、新規タイトルの割り込みを許さない定番独占状況です。
定番タイトルに明確な定義はありませんが、作り手も売り手も買い手も定番と言えば同じイメージを抱きます。
時代によらず安定的に高い品質と売上を維持できるタイトル。
それが定番タイトルの共通イメージであり、事実上の定義であると言えます。
40年を超える日本のゲーム業界には先に挙げたたくさんの定番タイトルがありますが、定番を狙って作られた定番タイトルは存在しません。
スマッシュヒットが続編を呼び、続編がさらに続編を呼び、スピンアウトや別ジャンル作品を生み、多くのファンを巻き込んで、社会的ポジションを得たことで定番となったのです。
定番と呼ばれるのは勝ち続けた証。歴史を重ね、多くの変遷を経てなお愛されるゲームだけが定番という称号を与えられるのです。
ゲームはどれもいつか定番になれ!と思って作られていますからね。それでも簡単になれない。
確率を出すなら万に一つくらいではないでしょうか。
では定番タイトルに登り詰めるには何が必要なのでしょうか。僕が多くのタイトルを分析したところ以下の3つの要素が見つかりました。
① 最低ラインが高いこと。
② 全ての要素が合格点を満たしていること。
③ 期待を超えること。
つまるところ、下手を打たず、弱点がなく、強みに関してはズバ抜けて強い。
これが定番タイトルの3か条でしょう。
■毘沙門は定番タッグになれるのか?
ではゲーム業界定番タイトル3か条をプロレス界の毘沙門に当てはめて検証してみましょう。
① 最低ラインが高いこと。
毘沙門の最低ラインを探してみましょう。
WTLはこのタッグで初出場となった2020年に5勝4敗でリーグ戦同点3位。これが最低ライン。
IWGPタッグ王座は3回戴冠し、防衛回数は1回、2回、2回の合計5回。
防衛回数では1回が最低ラインなので、初防衛戦で陥落ということはありません。つまり常にタイトル戦線に絡んでいる状況を維持しています。言うなれば、負けてもすぐに追い上げている、というのが毘沙門の最低ラインでしょうか。
ふむ。この最低ラインは「高い」と言えますね。
② 全ての要素が合格点を満たしていること。
毘沙門と言えば消灯をはじめとする合体技。タッグワークはとてもスピーディ。
どちらかがポイントゲッターというわけでもなく、両選手とも決定力は十分。二人合わせてみれば、投げ技、飛び技、極め技に丸め込み技まで全くもって隙がない。この点に関しては全く問題はないですね。
③ 期待を超えること。
これでしょう。これこそ今の毘沙門に問われる要素ではないでしょうか。
『WORLD TAG』2連覇中、現IWGPタッグ王者、そして唯一の優勝経験チーム。
繰り返しになりますが、すごいのは誰が見てもわかります。だからこそ、期待も上がる。
その期待を超えていくことが今の毘沙門に求められるのではないでしょうか。
勝って当然、優勝戦線に絡んで当たり前。それでもなお、タッグリーグを盛り上げて勝つ!
これまで戦い続けて上げてきたハードルを自らで超えていくことで毘沙門はさらに高次元の域に到達するのです。
今年のWTLで是非見たいのは「毘沙門以上の毘沙門」!これしかありません!
最後に僕の優勝予想です。
Aブロックは本命のTMDKを抑えて新世代同期タッグの海野&成田組が上がると読みます。
対するBブロックはタイチ&上村組、辻&サンドカン組の猛追を振り切った毘沙門が上がると読みます。
そして優勝決定戦は海野&成田の新世代同期タッグと毘沙門のマッチアップになり、“毘沙門以上の毘沙門”が新世代タッグを破り三連覇達成、というのが僕の予想としましょう。
さて、どんな展開になるのか冬の風物詩WORLD TAG LEAGUEを楽しみましょう!
■野中大三(のなかだいぞう)
dotswreslerアーティスト、コラムニスト
プロレス観戦歴、ゲーム歴ともに38年。
プロレスラーをドット絵で表現するdotswrestlerをTwitterで公開中。
●Twitterアカウントはコチラ!
https://twitter.com/daizonnonaka
●新日本プロレスメールマガジンにてコラム「今週の一点集中」連載中
https://sp.njpw.jp/columnprofile/nonaka
●タイガーマスク選手「BIG PIXEL」Tシャツ 新発売!
●L・I・J「dotswrestler」Tシャツ(VITRAL)
●エル・デスペラード選手「dotswrestler」(AWAKENING)Tシャツ好評発売中!
https://shop.njpw.co.jp/collections/new-arrival/products/4636
●ケニー・オメガ選手「dotswrestler」Tシャツ好評発売中!
https://shop.njpw.co.jp/collections/new-arrival/products/4636
●タイチ×金丸義信×中野たむ×なつぽい VS エル・デスペラード×DOUKI×スターライト・キッド×渡辺桃 Tシャツ
https://shop.njpw.co.jp/products/4749
●L・I・J死者の日「dotswrestler」Tシャツ新発売!
https://shop.njpw.co.jp/collections/new-arrival/products/4636
●TAICHI GAMEPLAY CHANNEL Tシャツ新発売!
https://shop.njpw.co.jp/products/4495
●TJP選手「dotswrestler」Tシャツ新発売!
https://shop.njpw.co.jp/products/4442