1月7日、八重洲富士屋ホテルにて「東京スポーツ新聞社2012年度プロレス大賞授賞式」が行われ、MVPに輝いたオカダ・カズチカ選手、ベストバウト賞を獲得した棚橋弘至選手、技能賞を獲得した中邑真輔選手らが列席した。
ベストバウトとのダブル受賞で、文字通り今年の主役となったオカダ選手がステージに上がると、頭上からレインメーカードルの雨が降り注ぐ。そんな中、オカダ選手は次のように挨拶した。
オカダ「いつもなら外道さんが横にいて、僕のかわりにいろいろと言ってくれるんですけども。ひとこと、ひとことだけ言わせて下さい。・・・特にありません(※場内笑)。・・・と言いたいとこですけども、2013年もしっかり、カネの! カネの雨を降らせて。プロレス界全体にカネの雨を降らせて盛り上げていきますんで。よろしくお願いします」
会場には、2012年のプロレス界とレスリング界を代表する錚々たる顔ぶれが集結。プロレス界にカネの雨を降らせたオカダ選手が、オリンピックで3大会連続金メダルを達成した吉田沙保里選手をお姫様抱っこするなど、貴重なシーンもあちこちで飛び出した。
また、特別功労賞を獲得した坂口征二相談役は、プロレス大賞で毎年恒例となっている乾杯の音頭を、今回も担当した。
■2012年度受賞者一覧
最優秀選手賞(MVP):オカダ・カズチカ
年間最高試合賞(ベストバウト):オカダ・カズチカ×棚橋弘至(6月26日大阪・ボディメーカーコロシアム)
最優秀タッグチーム賞:【GET WILD】大森隆男&征矢学(全日本プロレス)
殊勲賞:森嶋猛(プロレスリング・ノア)
敢闘賞:アブドーラ・小林(大日本プロレス)
技能賞:中邑真輔
新人賞:橋本大地(ZERO1)
特別功労賞:坂口征二
女子プロレス大賞:愛川ゆず季(スターダム)
レスリング特別賞:米満達弘、小原日登美、吉田沙保里、伊調馨
■授賞式終了後のコメント
★オカダ・カズチカ
——MVPを受賞した感想は?
オカダ「MVPを受賞しまして、『おめでとう』と言われますけど、1月4日、ちょっとめでたくないこと(※棚橋に敗れてIWGPヘビー奪回失敗)がありまして、ちょっと複雑な気持ちではあるんですけど。まあ、それでも2012年のプロレスの顔として、2013年もしっかり盛り上げていきます」
——初めての授賞式となりましたが?
オカダ「あんなにも金メダルがあるとは。僕もレインメーカーなんで、金とかカネとか、そういうものには反応してしまうんで。まあ、面白かったです。そういう金メダルとかを持って来る人がいるんであれば、俺もまた来ないとダメだと思いました」
——具体的な2013年のプランはありますか?
オカダ「やっぱり必要なのは、IWGP(ヘビー)のベルトですから。でも、この前負けたばっかりで、そんな権利もないとおもいますし。いまは特にテーマがない感じなんで。一試合一試合楽しんでやって、またチャンスが来たときは、しっかりベルトをいただこうかなという感じです」
——焦りはありませんか?
オカダ「焦りはまったくないですね。去年も東京ドームであれだけのブーイングを食らいましたし。今年、ドームでベルトを獲れなかった。だからといって、そんなに気にすることなく、いつもどおりの自分の試合をすれば、“当たり前のこと”が起きると思いますので。気にせず、一試合一試合、楽しんで試合をしていきます」
——吉田選手をお姫様抱っこしましたが?
オカダ「その件については・・・特に・・・ALSOK。以上です(笑)」
★棚橋弘至
——ベストバウトを獲得した感想は?
棚橋「このベストバウトという賞は、ずっと獲りたかった賞だったんで、ホントにうれしいです。感謝しています」
——1月4日には、これと同じカードでIWGPヘビー級ベルトを防衛しましたが?
棚橋「今年のMVPをオカダに獲られて、さらにこのベルトも獲られるようであったらば、ホントに形無しになってしまうんで。なんとか最後に意地を見せて、ドームで防衛して、今日この会場にベルトを持って来られて、ホッとしています」
——2013年の抱負は?
棚橋「(IWGP王座)V11が最高記録なんで。2013年は自分の記録を抜いて、2014年をチャンピオンとして迎える。欲張りな目標になっています。今日を会場を見ても、やっぱりMVPを中心に1年が回っていくという雰囲気はあるんで。自分のベルトが差し置かれている感じがあるんでね。もう1回、中心に戻ります」
——オカダ選手は、IWGP奪還を目標にしていましたが?
棚橋「まあ、(自分が1・4ドームで)勝ちましたけど、常に期待値は高いですし。挑戦権という争いがあるにしても、常に上位ランキングに(オカダは)入ってくると思うんで。また今年も、どこかで闘うんじゃないですかね」
★中邑真輔
——いまのお気持ちは?
中邑「2012年の技能賞ということですけども、もともと自分のプロレスにはプライドと自信を持ってやっていましたから。それがようやく伝わる形になったんじゃないかな?という感じですね」
——IWGP インターコンチネンタル王座の次の防衛戦は、ラ・ソンブラ選手となりましたが?
中邑「そうですね。桜庭和志のあとにルチャドール。非常に振り幅が広いというのは、自分らしくて有意義だなと思います。次の(1月19日)後楽園のタイトルマッチ、楽しみにしています。せっかくメキシカンとやるんだから、(防衛戦を)メキシコに行ってやってもよかったのにと思って。そうやって、(ベルトが)また独特の価値の出る物にしていければと思っています」
——「プロレス大賞には縁がない」という冗談も言っていたようですが?
中邑「そうですねぇ。なんか、こういう晴れがましいというか。賞を受け取るのも非常に久しぶりなので。気の利いたことも言えませんでしたが。評価していただくことに関しては、『ありがたい』としか言えないですね」
【写真:山本正二】