AEWがアメリカ現地時間10月1日(日本時間2日)、ワシントン州・シアトルのクライメット・プレッジ・アリーナで開催したビッグマッチであり、アントニオ猪木さんの追悼大会『Wrestle Dream』に、新日本プロレスで活躍する選手が多数参戦した。
写真提供/AEW
■ついに、ザック・セイバーJr.がブライアン・ダニエルソンと“真のテクニック世界一決定戦”で激突!
本戦の第7試合では、現NJPW WORLD認定TV王者のザック・セイバーJr.が、AEWのトップレスラーの一角であるブライアン・ダニエルソンと激突。両者は昨年6月27日(アメリカ現地時間)に行なわれた新日本&AEWの合同興行『Forbidden Door』で対戦予定だったが、ダニエルソンの負傷により消滅。
今回は約1年越しで両者の対決が、昨年死去した新日本の創設者・アントニオ猪木さんの追悼大会で実現することに。
10月14日(イギリス現地時間)の『Royal Quest3』にてウィル・オスプレイの保持するIWGP USヘビー級王座への挑戦が決定しているザックは、NJPW WORLD認定TV王者として現在、防衛記録V14を達成。
一方のダニエルソンは今年6月25日(アメリカ現地時間)の『Forbidden Door』にてオカダ・カズチカとの世紀の一戦に臨み、右腕を骨折しながらも執念のギブアップ勝ちをスコア。ザックとブライアン、共にハイレベルなテクニックで勝負強さを示している。
現在の新日本マットのトップ外国人の一人として君臨するザックと、2000年代前半に新日本の旧LA道場で技術を磨き、いまや世界的ビッグネームへと上りつめたダニエルソンによるドリームマッチ。“真のテクニック世界一決定戦”を制するのは?
ザックはNJPW WORLD認定TV王座のベルトを腰に、オレンジ色のニューコスチュームで堂々の入場。続いて地元ワシントン出身のダニエルソンが大歓声の中、笑顔を見せながらリングイン。
開戦のゴングが打ち鳴らされると、両者はゆっくりと距離を詰め、低い体勢で牽制しあう。緊張感あふれる攻防に場内は拍手を送る。
続いてザックがリストを取るも、ダニエルソンは巧みに切り抜けて後方に投げを打つ。今度はロープワークの攻防となり、ザックはスキをついてコブラツイストで捕獲。するとダニエルソンは切り抜けてグラウンドに持ち込み、レッグロックを決める。
さらにダニエルソンはインディアンデスロックからブリッジ。だが、ザックは回避し、今度は腕関節を巡るせめぎあいに。両者が一旦離れると、場内は大きな拍手に包まれる。
続いてザックがダニエルソンの足を捕らえてコントロール。そしてロメロスペシャルを決めるが、脱出したダニエルソンはお返しのロメロスペシャル。しかし、ザックは回避し弓矢固めへ。だが、ダニエルソンは即座に切り抜ける。
ならばとザックはダニエルソンをロープに押し込み、離れ際に鋭いヨーロピアンアッパーカット。すかさずダニエルソンもエルボーを返し、激しい打撃合戦に突入。ダニエルソンが優勢になるも、ザックは相手のウィークポイントである右腕にエルボーをお見舞い。そしてダニエルソンの右肘をマットに固定し、そこ目掛けて非情のストンピング。
続いてザックは両足でアームツイスト。さらにザックは指折り攻撃を敢行。場内のブーイングを逆なでするように、ザックはダニエルソンの右腕を蹴りつける。
そしてザックは串刺し攻撃を狙うが、ダニエルソンはコーナーを駆け上がりトンボを切ると、ザックの足を捕らえて逆片エビ固め。そこからザックの両足をロメロスペシャルのように固定し、その状態でフットスタンプを食らわす。
さらにダニエルソンはザックの左足にドラゴンスクリューを連発。しかし、三発目をこらえたザックはネックスクリュー。さらにダニエルソンの後頭部に低空ドロップキックを突き刺す。
そしてザックは突進するが、かわしたダニエルソンはうまくコーナー最上段にザックを設置。そこからザックを逆さ吊りにし、キックの波状攻撃を見舞う。続いてダニエルソンはザックをコーナーに座らせ、首筋にエルボースタンプを連発。その攻撃に合わせて、場内は「YES!」と連呼する。
だが、ザックはコーナー上でアームブリーカーをお見舞い。そしてダニエルソンの指を捕えるも、ダニエルソンは腹部へのヘッドバットで脱出。続いてザックに雪崩式ダブルアームスープレックスを炸裂すると、そこからラーベル・ロックを狙う。
ザックは切り抜けようとするが、ダニエルソンは逃さず腕を固めながら逆片エビ固めで捕獲。
ザックが何とかロープに逃れると、ダニエルソンは胸板にキックを連発。さらにザックの顔面にキックを食らわせてから、相手の両手首をつかんで首付近にストンピングを連発。そしてブサイクニーを繰り出すが、かわしたザックはヨーロピアンクラッチへ。
ダニエルソンは丸め込みで切り返すも、回避したザックはスリーパー。しかし、ダニエルソンは脱出し、こちらもスリーパーで捕える。だが、ザックも切り抜けてヨーロピアンクラッチ。ダニエルソンがカウント2ではね返すと、両者の目まぐるしい攻防に場内は大きな拍手。
続いてダニエルソンはローキックから串刺しのゼロ戦キック。さらに突進するが、ザックは足を巧みに捕らえ、ジャパニーズレッグクラッチホールドへ。しかし、ダニエルソンはキャトルミューティレーションで切り返す。
そこからダニエルソンはバックを取って、ザックの首筋に再びエルボーを落とす。だが、ザックは回避し、技の読み合いからクラーキー・キャットで捕獲。ダニエルソンは苦しみながらも脱出すると、ヒールホールドを決める。
するとザックも同じ技で対抗。さらに変形の膝固めに移行するも、ダニエルソンがツバを吐きかける。怒ったザックはダニエルソンの顔面に張り手を連発。しかし、ダニエルソンも強烈な張り手をお返し。
そして両者はグラウンドの状態でキックの応酬。競り勝ったダニエルソンは立ち上がってザックに近づくが、ザックはスキをついて右腕にエルボー。ダニエルソンは悲痛な声を上げながらも、ローキックで対抗。
ザックはエルボーで押し込むが、ダニエルソンは逆さ押さえ込みの体勢に。しかし、ザックはこらえ、両者は背中合わせの状態でバックエルボーの応酬。そしてザックが逆さ押さえ込みを決めるが、ダニエルソンはカウント2でキックアウト。
すかさずザックはダニエルソンの右腕を蹴り飛ばし、さらに突進してきたダニエルソンをザックドライバーで叩きつける。
そして変形のクラーキー・キャットで捕獲。ダニエルソンは必死に足をロープにかけてピンチを切り抜ける。
するとザックはダニエルソンの胸板にキックを連射。そして右腕にストンピングを叩き込んでからロープに走るが、ダニエルソンはカウンターの右ハイキックをザックの頭部にヒット。
さらにダニエルソンはザックの頭を蹴り飛ばすと、両手をつかんで首筋にストンピングを連発。しかし、ザックはうまく切り抜けて腕ひしぎ逆十字で捕獲する。だが、ダニエルソンは脱出し、ザックの片足を抱えてのバックドロップを炸裂。
さらにブサイクニーをヒットしカバーするが、ザックはカウント2で意地のキックアウト。ならばとダニエルソンは追撃のブサイクニーを突き刺し、ついに3カウントを奪取。
ダニエルソンが粘るザックを沈め、ベストテクニカルレスラーだと証明。
試合後、ダニエルソンはザックに握手を求める。だが、ザックはこれに応えることなく、ベルトを手にリングを下りた。
■エディ・キングストンのSTRONG無差別級王座&ROH世界王座に柴田勝頼が挑戦!
また本戦の第2試合では、今年の『G1 CLIMAX』で活躍を見せ、現在はSTRONG無差別級王座とROH世界王座の二冠王に君臨するエディ・キングストンが、その二本のベルトを懸けて柴田勝頼を迎撃。
9月にはROHでタッグを結成した両者が、今度はタイトルマッチで雌雄を決することに。なお、現在ROHピュア王座を保持する柴田にとっては、三冠を目指す戦いとなる。
ROHピュア王座を携えた柴田は、猪木さんを彷彿とさせる赤いタオルを首にかけ、闘魂みなぎる表情で入場。続いてエディが気合いを全身に漂わせながら、二本のベルトと共に花道を進む。
開始のゴングが鳴ると、まずは猪木アリ状態で互いに牽制。続いて打撃戦となり、キングストンが逆水平チョップを連発。柴田はあぐらをかいて受けきると、フライングメイヤーからのサッカーボールキックで反撃開始。さらにキーロックでエディを捕える。
エディはロープに逃れるも、柴田はバックの取り合いからアンクルホールド。さらにヒールホールドに連携するが、エディはロープエスケープ。すると柴田は4の字固めで捕獲し、徹底的にエディの足を痛めつける。
エディが何とかロープに逃れると、柴田はリバースインディアンデスロックで固め、手拍子で場内を煽る。さらに弓矢固め、ヘッドロックでギブアップを迫る。
だが、エディはバックドロップで切り返し、串刺しラリアットを炸裂。続いてマシンガンチョップで柴田からダウンを奪う。しかし、柴田は串刺しフロントキックでお返し。さらに串刺しの低空ドロップキックを食らわす。
そして柴田はフロントネッックチャンスリーからカバーするが、これはカウント2。すると柴田はキングストンの顔面にステップキック。エディは気合いの雄叫びから、逆水平チョップでやり返す。
続いてエディがラリアット、柴田はフロントキックで激しい応酬を展開。そしてエディはエクスプロイダーを決めるも、柴田はすぐに立ち上がり武者返しをお見舞い。ここでダブルダウンとなり、場内は大きな拍手を二人に送る。
先に立ち上がった柴田は、エディの胸板に鋭いキックを連射。さらにコブラツイストで捕らえ、そこから卍固めへ。体勢が崩れるも、グラウンド卍でエディを追い込む。エディは必死にロープエスケープでピンチを逃れる。
ならばと柴田は気合いを入れ、ナックルパートを連発。エディはバックフィスト・トゥ・ザ・フューチャーで反撃するが、柴田も負けじと裏拳をお見舞い。エディは追撃のバックフィスト・トゥ・ザ・フューチャーを食らわすも、柴田はひるまずPKを炸裂。ここで再びダブルダウンに。
立ち上がった両者は、エディが逆水平チョップ、柴田がエルボーで壮絶な打撃戦。そしてエディがバックフィスト・トゥ・ザ・フューチャーからカバー。柴田がカウント2ではね返すと、エディは一気にノーザンライトボムを炸裂する。
だが、カバーを柴田はカウント2で執念のキックアウト。するとエディはバックフィスト・トゥ・ザ・フューチャーで動きを止め、渾身のパワーボムを炸裂。柴田は返すことができず、エディが価値ある勝利をつかんだ。
試合後、両者はあぐらをかいて向かい合う。そして柴田が握手の手を伸ばすと、エディはガッチリと握り返して呼応。続いて柴田はキングストンの右腕を上げ、二冠王者を称えた。
なお、大会開始前にはトニー・カーン社長、ロッキー・ロメロ、柴田勝頼、猪木さんの孫である猪木寛太さん、猪木ナオトさんらも登場して、アントニオ猪木さんの追悼セレモニーが開催された。