今年3月にロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンから脱退したSANADAは、Just 5 Guysの一員として悲願のIWGP世界ヘビー級王座奪取を果たした。
新日本マットでトップに至るまでのキャリアは紆余曲折。山あり谷ありのレスラー人生はもちろん、あまり語られてこなかった幼少期の話など、SANADAが知られざる半生をインタビュー形式で振り返っていく。
第7回では、初の『チャンピオン・カーニバル』出場、リング上での経験値の高まりと、キャリア初戴冠のアジアタッグ王座獲得について語る!
聞き手/市川亨
撮影/中原義史
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★以下、インタビューの序盤を無料公開!!
■武藤さんはあまりアドバイスとかを言ってくることはないんですけど、フッと言ったことが凄い確信をついたり、印象に残ったりするんですよ
――2008年に『世界最強タッグ決定リーグ戦』に出場し、翌2009年にはシングルのリーグ戦『チャンピオン・カーニバル』(以下、カーニバル)に初出場しました。キャリア2年でのエントリーは端から見る分には順調にも思えるんですが、本人としてはどのように捉えていました?
SANADA いまの新日本で言うと、大岩(陵平)とかが出ているようなものですもんね。そう考えたら早いなと思うし、当時も自分が思っていたよりはすべてが早く進んでいる感じはありましたね。
――思っているよりも早く進んでいることに戸惑いなどはなかったですか?
SANADA そういうのはなかったですね。自分のなかで何年目までにこういう風に進んでいたらいいなとか、思い描いているものがあったら別だと思うんですけど、特に自分のなかで(思い描いているものが)なかったので、どんな状況でも戸惑うことはなかったです。でも、自分ができているとは思ってなかったし、いま振り返ってもダメダメだったなぁって。
――リーグ戦では武藤敬司さん、髙山善廣選手などと同ブロックでしたが、初めてのカーニバルはいかがでした?
SANADA 緊張しましたね。経験豊富なメンバーばかりで、シングルで闘っていても、すべてが相手の手の平の上で闘っているような感じで。自分の精神的な弱さもあったと思うんですけど、『チャンピオン・カーニバル』っていう大会じたいに飲まれてましたね。まあ、それじゃ結果もついてこないですよね。
――当時、フリーの大物として活躍していた髙山選手とのシングルも、いまとなっては貴重な経験です。
SANADA 髙山さんはとにかく大きくて、これが新日本、全日本、NOAHのすべての(シングル&タッグの)ベルトを巻いてきた人なんだなって。どれだけ攻めても一発で動きが止められて、一発の破壊力はそれまで対戦したどの選手よりも凄かったです。
――師匠の武藤さんとも初シングルを闘っています。
SANADA 正直、試合はあまり覚えてないですね。覚えてないってことは、自分のなかで手ごたえがなかったんでしょうね。
――ただ、当時の試合後は「なにかを盗めたと思う」と言っていました。
SANADA なにを盗めたっていうんですかね(笑)。たぶんなにも盗めてなかったでしょうし、きっと子ども扱いされて終わったんでしょうね。
――リーグ戦は5戦全敗で、文字通りに厚い壁にハネ返された感じでした。
SANADA レベルの高さを痛感してショックでしたね。こんなにまだまだ上の選手とは差があるんだなって。でも、先輩方とのシングルを連戦で闘うっていう、ほかの同世代が経験してないことを経験できたので、その分の自信はついていたと思います。大きい舞台とか、たくさんのお客さんがいる前とかで試合をすると、それがまた一つの自信になっていくし、オーラが出てくるんですよね。そのときはまだまだでしたけど、ちょっとずつ自分のなかでオーラを身に着けていった時期だったと思います。
――カーニバルを終えた直後には、征矢学選手とのコンビでKAI選手、大和ヒロシ選手とのタッグマッチが組まれました。同世代の対決は、武藤さんもその試合内容を評価するほどの闘いになりましたけど、当時4選手のなかで「なにかを見せてやろう」というような気概などはあったんですか?
SANADA 4人で話し合ったりとかそういうのはまったくなかったですけど、自然と同じ方向を向いていたというか、全員が全員、そのとき持っていたものを最大限に出した試合だったとは思います。そのときの全力を4人とも出したから印象に残る試合になって、周りからも評価されたのかなって。
――4選手とも個性が違ったのも見ている側からしても分かりやすかったですよね。SANADA選手はクラシカルな感じで、征矢選手はパワーファイター。KAI選手は正統派で、大和選手は熱血系のタイプで、そう考えると“武藤全日本”は選手の個性を伸ばす団体だったなと思います。
SANADA それはやっぱり武藤さんの柔軟性というか発想力だと思います。前も言いましたけど、武藤さんはあまりアドバイスとかを言ってくることはないんですけど、フッと言ったことが凄い確信をついたり、印象に残ったりするんですよ。試合での切り替え方、返し方とかも凄いし、そんな方に出会ったことないです。
――それは自分のなかでも実になっているものなんですか?
SANADA 憧れてはいましたけど、マネしようと思ってもできないですよね。なろうという時点で間違いですから。自分が若いときにいろいろと影響を受けたっていう意味では、ケアさんでしょうね。
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