いよいよ近づいてきた、9月23日(日)神戸決戦。ついに参戦する桜庭和志&柴田勝頼という“外敵”の迎撃に、井上亘とともに名乗りを上げたのは、新日本の“ヤングライオン”高橋広夢だ。キャリア2年の22歳、新日本プロレスで純粋培養された高橋広夢がなぜ名乗り出たのか?桜庭&柴田とどう闘うのか? 注目の直撃インタビュー!!
■ホントは、自分たちが一番最初に止めなきゃいけなかったんです。
——まず、今回の桜庭和志&柴田勝頼との試合に“志願”された理由をもう一度、お願いします。
広夢 志願と言いますか……。あの二人が、最初に8.12両国に乱入してきたとき、その前の試合のカール・アンダーソン選手と棚橋(弘至)さんの試合で、棚橋さんが負けてしまって、頭のダメージが酷かったんで、渡辺(高章)と一緒に控室に連れて行ったんです。で、そこで休憩が入ったんです。
——そうでしたね。
広夢 そのタイミングであの二人が入ってきたと思うんですけど、やっぱりそこで、どっちかがリングに残っているべきだったんですよ。
——かなり突然の出来事だったとはいえ。
広夢 ええ。ホントは自分たちが一番最初に止めなきゃいけなかったんです。その場にいたら、当然止めてましたし。そもそも部外者ですし、リングに上げること自体がダメですよね? だって、あの時点では一般の方ですから。
——じゃあ、桜庭&柴田という存在以前の問題で、ヤングライオンとしてくやしかったと。
広夢 もちろんです、もちろんです。それで、9月7日の後楽園大会の試合後に、井上さんが桜庭&柴田戦の話を出されたじゃないですか? 自分的には、ずっとどこかで言おうと思ってたんですけど。ヤングライオンって、試合後とか以外では、主張できるチャンスがないですから。試合後に自分の気持ちをぶつけたんです。
——ただ、相手が非常にやっかいというか。桜庭和志&柴田勝頼という選手のことは知ってますか?
広夢 はい、もちろん。桜庭選手は、一般的な知名度も凄いですよね。柴田選手も自分がプロレスを好きになった時期、新日本でやられてた選手ですし、どういうプロレスラーだったのかもよく知ってます。
——ただ、これまで総合格闘技を中心にやっていた選手と闘う、そこについてはいかがですか?
広夢 いや、自分はプロレスをするだけなんで。べつに何も変わらないです。いま、新日本でやっていることをそのまま出すだけですから。
——柴田選手は、「ケンカプロレスを持ち込む」的な発言をしてますけども。
広夢 いや、だから、俺はプロレスで、ケンカをするんです(キッパリ)。
——その自信はある?
広夢 あたりまえですよ。自信がなかったら、やらないです。プロレスで“ケンカ”をするだけなんで。自分がこれまで新日本で培ってきてものを素直に出すだけです。思い切り、やり合うだけです。
■柴田選手がいまの新日本を批判? 「じゃあ、自分と試合をしてみてください」と
——もともと、広夢選手はデビュー時から「ケンカプロレスが好きだ」と発言されてますよね。
広夢 そうですね。とくに金本(浩二)さんと大阪でやった試合は、心に一番残ってます。金本さんとやるときは、遠慮なしにバチバチ来てくれるのがわかってますし。こっちも「ぶっ潰す」という気持ちで行くのが大好きなんで。だから、今回もメチャクチャ楽しみです。
——今年の『BEST OF THE Super Jr.』初出場も注目されましたけど、今回はその比じゃない注目度だと思いますが?
広夢 まぁ、ファンの人からしたら、「なんで高橋なんだ?」「なんでヤングライオンなんだ?」と言われると思うんですよ。でも、一番下だからこそ、自分たちが最初に止めなきゃいけないと思うんです。そういう気持ちは常に持ってるんで。
——あらためて、ファン時代に見てた柴田選手には、どんな印象がありますか?
広夢 やっぱり、打撃系の印象が強いですね。ペナルティキック(PK)をやったりとか。正直、柴田選手の試合は、バチバチやり合う感じで、スタイルは好きなほうでした。ただ、新日本を辞めたあとの試合、DREAMとか総合の試合は正直、観ていないですね。
——その柴田選手は、「いまの新日本には、殺気が足りない」的な発言もしてますけども。
広夢 どうなんですかね。柴田選手は新日本を離れていたんで……。たしかに変わった部分もあると思いますけど、「じゃあ、自分と試合をしてみてください」と。ただ、そう言いたいです。逆に、自分は昔の新日本を体験していないですから。だったら、自分がいまの新日本プロレスを見せます。その代わり、プロレスでやり合います!
——なるほど。一方の桜庭選手は、総合格闘技界では、屈指の実力者であり、日本で一番知られている人気選手ですけど。
広夢 そうですね。相当、有名ですよね。ただ、その有名という部分しか自分はよくわからないです。自分は、総合格闘技はあまり観てこなかったんで……。
——広夢選手は、いま22歳ですけど、総合格闘技ブームのときに、そっちに進もうとは思わなかった?
広夢 いや、まったくないです。自分は、プロレスが好きだったんで。テレビでやっていたら観た程度です。ただ、べつに格闘技を否定するわけじゃないですよ。それは人ぞれぞれだと思いますし。個人的に、自分が好きなのがプロレスだったというだけです。
——桜庭選手は、試合で総合的な動きも出してくると思いますが?
広夢 いや、そこは付き合わないですね。自分は、プロレスという格闘技を見せるだけですから。あくまで、プロレスしかしないです。もともと格闘技やアマレス出身でもないですし、ここで教わったことしか知らないですから。ここで、やってきたことをリング上で見せるだけです。
——なるほど。ちなみに先輩からアドバイスはありましたか?
広夢 そうですね、永田(裕志)さんからは、少し言われました。「悔いの残らないように、おまえらしく気持ちを出してガンガン行けよ」と言っていただいて。
——よくわかりました。最後に、試合で決めたい技はありますか?
広夢 (即答で)ドロップキックです!
——やっぱりドロップキックですか。
広夢 ハイ。とにかく神戸では、井上さんと一緒に、自分らしい試合をしますので、みなさんよろしくお願いします!
【撮影/山本正二】