9月10日、新日本プロレス事務所にて、9月23日(日)『DESTRUCTION』神戸ワールド記念ホール大会で行われる王者・棚橋弘至vs挑戦者・丸藤正道、IWGPヘビー級選手権の調印式が行われた。
■両者のコメント
丸藤「えー。まぁ、先の『G1』の結果を踏まえ、このようにタイトルマッチが組まれたわけですけども。ハッキリ言って、こないだの棚橋弘至がすべてならば、俺はまったく負ける要素はないと思ってるし。メキシコに行っていたらしいけども、そこで何かを学んできて、何かを出すのか?出さないのか?ホントに、俺の中で不安要素が一つもない。なので、ベルトは頂きます。以上」
棚橋「メキシコから帰ってまいりました!メキシコにいるときもタイトルマッチのことはずっと頭にあって。それはなぜかっていうと、前回の大阪で丸藤選手に負けたときに、過去、最高に……気持ちが折れまして。頭の中にいるもう1人の俺が『チャンピオンのクセに何、負けてるんだよ?』と。っていうのをつぶやき続けてましたね。結局、大阪の日は、一歩も出れず動けず……。幸い、『G1』の公式戦が続いてたんで、なんとか残りの試合、自分の気持ちを奮い立たせて続けることができたんですけど。過去にも対ノアっていうのは、東京ドーム大会で、力皇選手とやったときも、新日本プロレスの大きいフラッグを持って威勢よく入場しましたけど、そこでも大事な試合で負けて……。あんときも同じくらいくやしくて、でも、なんとか追い越してやるんだって。直接、対戦はしなくても、絶対、俺のほうが業界で上に行ってやるんだという気持ちがあって。この負けがまたきっと俺を強くすると思うし、そういうくやしさをバネにして生きてきたんで。関西のファンは、オカダに負けて、勝って、また丸藤選手に負けて。と一喜一憂させてますけど、必ず神戸で勝って、頼もしいチャンピオンになります」
■ 報道陣からの一問一答
——前回、丸藤選手と闘っての印象は?
棚橋「そうすね。力強さもありますし。体重は、俺のほうが重いですけど。そういう部分では、軽さとかはなかったっすね。最後も、一発でフォール負けしてますんで。すばやい展開、技だけではなくて、全方位的に警戒していきます」
——対ノアには、負のイメージみたいなものがある?
棚橋「いや、そういう過去を振り切って、未来に続けてきたんで、今回も思い描いているものが俺にはあるんで、そこに向かって走っていきます」
——メキシコ遠征で何か得たものは?
棚橋「う〜ん。充実してました。ハイ、それに尽きますね。毎年、この季節にメキシコに行くんですけど、ホントに濃い季節を過ごして、オーバーホールして帰ってきてるんで、メキシコ帰りの棚橋には期待してください!」
——新技などはありますか?
棚橋「なんもないっす!(キッパリ)。なんもないっす。リフレッシュしてきたんで」
——丸藤選手は、「何か変わった部分がないと俺には勝てない」と言ってますが?
棚橋「ま、『何もない』と言って、それを信じるか信じないかは……挑戦者次第です!」
——丸藤選手、いまのお話を聞いて?
丸藤「いや、あの先ほどから話を聞いていると、よく教育のなされた、優等生な、チャンピオンな感じがするんですけど。そうですね。なんか悲劇のヒーローみたいな感じになろうとしてるかわからないんですけど、俺はベルトを獲るんで。ま、信じるか信じないかは、俺次第ということなんで、都市伝説みたいなこと言ってますけど、俺は信じないで、油断せずに闘いたいと思います」
——丸藤さんは「IWGPはGHCへのキップにすぎない」ともおっしゃってますが?
丸藤「もちろん俺は新日本プロレスの選手じゃないし。俺はノアの選手であって、目指すべき場所はGHCがあたりまえなんで、自分の団体の中では、今年は3つのベルトに挑戦してすべて敗退しているという現実があるんで。そこにたどり着くために、ほかの選手とは違う方向から、そこを目指すという意味での、この新日本プロレスでの参戦というのもあったんで。やっぱり何もないよりは、このIWGPというキップを、腰に巻いておくことで、多少なりほかの選手とは違う形で近づけるかなと。なので有効利用、有効活用させて頂こうかなと」
——棚橋さん、いまの発言を聞いていかがですか?
棚橋「ウン。『IWGPは遠いぞ!』とまた言います」
——前哨戦がないことについては?
棚橋「ま、こないだの『G1』もね、そこで感じた部分をカバーしてきているつもりで、俺はいま万全です」
丸藤「いや、俺は自分のところで忙しいんでね?まったく問題ないっす」
【写真:山本正二】