9月6日、新日本プロレス事務所にて、9月7日後楽園ホール大会で行なわれるIWGP Jr.ヘビー級選手権試合の調印式が開かれた。
出席者は、王者・飯伏幸太選手(DDTプロレスリング)、挑戦者・KUSHIDA選手、立会人・菅林直樹社長の3名。飯伏選手とKUSHIDA選手はこれまでに2度シングル対戦し、1勝1敗のイーブン。飯伏選手が第61代IWGP Jr.王者だった2011年9月、3度目の対決がタイトルマッチとして組まれていた。しかし、飯伏選手が左肩を脱臼したために王座返上となり、流れてしまった経緯がある。
飯伏選手は「次は長期政権を考えていますか?」という質問に対し、「持てる期間だけ持ちたい。何年も、何十年でも持ち続けたい」と穏やかな口調でコメント。
一方のKUSHIDA選手は、「僕はDDTが好きじゃない。(新日本プロレスとの)関係が密になっている部分が、非常にムカつきますね。明日は、飯伏幸太と勝負がしたい」と、敵対心ムキ出し。早くも戦闘モードへ突入していた。
■両選手のコメント
KUSHIDA「このIWGPのJr.、3度目の挑戦になります。ちょうど去年9月に、神戸のタイトルマッチが流れてしまって。(明日の)タイトルマッチが決まってうれしいんですけど、一つ心残りなのが、『神戸のお客さんにちょっと申し訳ないな』と。そういう気持ちが(ある)。僕は挑戦者なんで偉そうなことは言えないですけど、そういう気持ちは少しあるので。必ず後楽園のチャンスをモノにして、神戸には僕がベルトを持ってお客さんの前に姿を現したいなと思います。それから、新日本プロレスへ入団しまして、僕自身まだ大きなことを成し遂げていないので。新日本プロレスJr.の中でポジションが定まってないというか、そういう自覚もありますので。このベルトを必ず明日獲りまして、リング上で『KUSHIDAが新しいことを始める』と高らかに宣言したいと思います。必ずベルトは獲ります。応援よろしくお願いします」
飯伏「去年、自分のケガでタイトルマッチが流してしまった。ホントに『申し訳ない』というのがあるんですけど。自分の中でもリベンジというか、1勝1敗なんで。ここで勝って、ホントに自分のほうが上というか……。まぁ、そういうアレじゃないんですけど。KUSHIDA選手はけっこうライバルだと思っているので、『ホントに勝ちたい』という。このレベルまで行くと、もう強さとかそういうのは差ないと思う。あとは気持ち。『勝ちたい』という気持ちだと思うんで。明日は必ず勝ちたいと思います」
■質疑応答
——お互いの印象は?
KUSHIDA「飯伏選手がいいレスラーであることは、僕も認めてます。身体能力ももちろん高いですし、蹴りも早い。ただ、前回、タイトルマッチが流れれてしまったように、もろいというか隙は大いにあるという印象ですね」
飯伏「いま、KUSHIDA選手が言った部分もちょっとあるんですけど。自分は、たまに気持ちが弱い部分が出るときがあるんで。そこを気をつければ、何とかなるのかなという気はします」
——今回は長期政権を考えていますか?
飯伏「そうですね。いや、もう持てる期間だけ持ちたいっていう。ハイ。できれば何年も、何十年でも持ち続けたいというのがあります」
——前回は色んな場所でタイトルマッチをやりたいと言っていましたが?
飯伏「あぁ〜! それは……いまのところないです」
——KUSHIDA選手に質問です。飯伏選手は、DDTの8月18日日本武道館大会で行なったケニー・オメガ戦が話題となりました。そのあとに飯伏選手と闘うという意味で、意識されますか?
KUSHIDA「あんまりほかの選手の試合を偉そうに論じるのは好きではないんですけど、聞かれたから答えます。あの試合が終わって一つ言えることは、『僕が倒すべき相手が増えたな』と。それは、あの試合を絶賛するお客さんの目。あの試合というのは、おそらくケニー・オメガ選手と飯伏幸太選手の関係というか、仲間であると。それゆえ、技を受け合うと。2階から(ラ・)ケブラーダをするのを受けると。……2階までのぼるのに、普通は逃げますよね!? だから、明日の試合でも、飯伏選手が後楽園のバルコニーからケブラーダをやりたいんだったら、やってもいいし。ただ、僕は受けないですし、メインレフェリーのレッドシューズ海野レフェリーに20カウント数えてもらって(勝つ)。それが新日本プロレスのルールですし。まあ、ちょっと正直なこと言うと、僕はDDT好きじゃないですし。なんで新日本プロレスがここまで友好関係を築いているのか?ちょっと逆に菅林さんに聞きたい部分もありますし。(記者から)その質問が来てしまうぐらい、関係が密になっている部分が非常にムカつきますね。明日は、だから僕は飯伏幸太と勝負がしたいですね。レスリングしたいですし、勝負がしたい(キッパリ)」
——いまの発言を聞いて、飯伏選手はどう感じましたか?
飯伏「そうですね、僕は……新日本プロレス、好きですよ……。ハイ。明日は、そうですね。バルコニーはちょっと危ないんで、やらないです」
【写真:山本正二】