9月23日(日)神戸大会で、棚橋弘至の持つIWGPヘビー級王座に挑戦するプロレスリング・ノアの丸藤正道。
今年の『G1 CLIMAX 22』で、決勝進出はならなかったものの、各大会で名勝負を展開し、その爪あとをキッチリ残してみせた。今回は、そんな丸藤正道選手に、vs棚橋弘至以外の『G1』全公式戦を振り返ってもらう携帯&スマホサイトだけの特別インタビュー!
いったい、Aブロックの各選手と対戦し、どんな感想を持ったのか? 直撃インタビュー前半をお届け!!
■もうちょっとやりこんでみたいのは、カール・アンダーソンですね
——今回は『G1 CLIMAX』に初参戦を果たした丸藤選手に、その激闘の数々を振り返って頂きたいと思います。過酷なリーグ戦だったと思うんですが、終えてみての率直なご感想は?
丸藤 そうですね。やっぱりキツさはありましたよ。しかも自分は『G1』の途中で、ノアの試合もあったりしたんで。
——ああ、『G1』真っ最中の8月9日にノアの後楽園ホール大会があったんですね。それでも平然と乗り切ったような印象がありました。
丸藤 まぁ、最近はダブルヘッダーもしょっちゅうですし、過去には一日4試合やったり、KENTAと60分の試合をやったり、いろんな経験を積んでますしね。だから、『G1』もスケジュール的な部分では、とくに心配もしてなかったし。
——その『G1』のハイライトである、vs棚橋弘至(8.5大阪大会)に関しては次期シリーズのパンフレット内でお話をうかがうとして。棚橋選手以外で、印象に残った選手は?
丸藤 う〜ん。やっぱり「もうちょっとやりこんでみたいな」と思ったのはカール・アンダーソンですよね(8.8横浜大会。9分14秒、ツイストドーナッツで丸藤の勝利)。
——ああ、戦前から丸藤さんは、「アンダーソンと一番やりたかった」と発言されてましたけど、実際いかがでした?
丸藤 予想していた以上に、いろんな面で「プロレスがうまいな」と思いましたね。
——具体的にどのあたり「うまい」ですか?
丸藤 なんて言うのかな……タイミングだったり、間だったり、かなり秀でたものを持ってるなって。アメリカの選手ですけど凄く日本人っぽいっていうか、外国人とやってる気が全然しなかったんですよ。
——メイド・イン・ジャパン感覚というか。
丸藤 ええ。そういう意味では、逆に「ああ、外国人とやってるなぁ」って感覚になったのは(シェルトン・)ベンジャミンですけど(笑)。
——なるほど。アンダーソンの場合、新日本の道場育ちですからね。しかも、『G1』中に試合後、丸藤さんから握手を求めたのは……。
丸藤 ああ、アンダーソンだけですね。単純に「またやってみたいな!」と思ったんで。
——そういえば、シリーズの前に、内藤哲也選手が『G1』のカード表を見て、「これは面白そうですねぇ」と言ってたのが丸藤vsアンダーソンだったんです。
丸藤 ああ、そうですか(笑)。レスラーと闘ってると、「この相手となら、やりこめばもっともっといい試合が出来るな」って思う時があるんですよ。逆に一回やって、「この人とはこれでもういいかな」ってレスラーもいるし。
——なるほど。
丸藤 アンダーソンの場合、まだまだ先の見えない試合が出来るなと思いましたね。
——これは再会が楽しみです。では、それ以外の選手についてですけど、まず8.1後楽園大会の開幕戦では小島聡選手と対戦しました(11分37秒、ウラカンラナで丸藤の勝利)。
丸藤 あの〜……なんか、小島選手からは妙に“落ち着いちゃってる感”が感じられたんですけど、それは俺の気のせいなのかな? まぁ、小島選手もいろんな部分で元気があるのかないのかわからないっていうか、「ホントはもっと強いんじゃねえの?」って思いましたね。
——予想よりは、元気がなかった?
丸藤 ハイ。前にノアでも俺とシングルをやる予定があって、その時は「正直勝てるかどうかわからない」くらいの気持ちだったんですけど(丸藤の負傷で試合が消滅)、今回初めてやってみて、「あれ? 新日本に戻って、元気なくなっちゃったの?」って。
——正直、ものたりなかった、と。
丸藤 ですね。だから小島選手に関しては、「もう一回やってみる? ノアのリングで」って感じですね(ニヤリ)。
——ちなみに戦前、丸藤さんは小島選手について「小島選手は、四天王プロレス的な世界が好きなんじゃないか? それならそういう世界に巻き込みたい」とも発言されてましたけど?
丸藤 実際やってみて、そこは実感しましたね。だから、もうちょっと元気な小島選手とだったら、あの人の好きなかたちのプロレスが出来たかもしれないなって。
——もともと、小島さんは自分のタイツを緑にするほど、三沢光晴選手のファンだったと聞いてます。
丸藤 ローリングエルボーも使いますしね。だから俺もやっててタイミングが分かるんですよ。
——丸藤さんは三沢さんの戦いを間近で見てたわけですものね。そして8.3後楽園大会ではベンジャミン選手と対戦されました(7分54秒、ペイ・ダートからの片エビ固めでベンジャミンの勝利)。
丸藤 この試合、『G1』二日目だったじゃないですか? ベンジャミンに関してはシリーズ後半になるにしたがって、ドンドン慣れていった感じがするんですよね。なんか、俺とやった段階ではとにかく「ブン投げてぶつかって勝っちまおう!」みたいな乱暴な感じがしたというか。でも、あのパワーとかWWEという場所にいたのは伊達じゃないなと思いましたよ。
——でも、先ほどのお話とおり、アンダーソン選手とは違った、と?
丸藤 そうですね。リズムとかが違うんで、まさに「ザ・外国人!」って感じで(笑)。だから、自分の中で久々にちょっと不安を持った試合というか、事前に持っていた不安が「的中!」って感じでしたね。
——悪い予感が当たった、と。でも、試合自体はかなり見応えがありました。
丸藤 まぁ、あそこまでブン投げられたのも最近、記憶に無いですね(笑)。
■ 永田選手は、なんか“プロレス界の先輩”とやってるって雰囲気でした
——続いて8.4愛知大会では永田裕志選手戦を迎えます(13分04秒、バックドロップホールドで永田の勝利)。
丸藤 永田選手はリング上で向かい合えば、いちレスラー同士なんですけど……なんか“先輩”っていう雰囲気を感じましたね。
——先輩、ですか?
丸藤 ……なんででしょうね。“プロレス界の先輩”っていう雰囲気を感じました(笑)。
——丸藤さんは以前、「永田選手は秋山(準)さんに似てる」って仰ってましたけど、そのあたりも関係あります?
丸藤 そうですね。まぁ、あの二人も細かいところで違いはあるんですけど、雰囲気やタイミングなんかは相通ずるものがありましたね。
——“先輩”というのはやりづらいものなんですか?
丸藤 いや、やりづらさは全く無いですね。逆におもいきっていけるし。
——実際、この試合も名勝負というか。敗れたものの、内容の濃い試合でした。
丸藤 たぶん、俺が感じてるものがそのまま試合に出たんじゃないですかね? たしかにこういう試合だと、対抗戦みたいなギクシャクする部分も必要かも知れないけど、いいのか悪いのか、やってて俺自身も「噛み合ってるな!」って感じはしました。
——永田選手は昔ながらの新日本らしい、ストロングスタイルを引き継いでいる選手だと思うんですけど、そのあたりは?
丸藤 棚橋選手とか俺ら世代とはあきらかに違うものを持ってますね。そのあたりはノアも一緒なんですよ。俺らと秋山さんを比べると、時代の流れもあるけれど、違うものを感じるので。
——試合では終盤、永田選手のヒザ蹴りが丸藤さんのアゴにクリーンヒットした場面が印象的でした。
丸藤 いや〜、あれは強烈でしたよ! まぁでも、それぐらいしてこないと、俺を仕留められないと思ったんじゃないかって解釈してます。久々におもいっきりヒザを食らった感じがしましたね。
(後編に続く)
※後編は、9月6日(木)にアップ予定!! お楽しみに!!
- 2012.9.4
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