7月24日、東京・秋葉原のUDXシアターにて「新日本プロレスxブシロード戦略発表会2012(夏)」が行なわれた。
ここでは、木谷会長が永田裕志と共に再び登場。アマチュアレスラーの育成プロジェクト、ブシロードクラブの発足が正式に発表された。このブシロードクラブの監督兼スカウト部長には永田が就任。スカウト部長という肩書きについては、「かつての木村健悟さんを彷彿させるようでちょっと……」と苦笑しつつも、満更でもない様子だ。
ブシロードクラブはかつて、永田も所属していた闘魂クラブと同じく、オリンピックを目指すアマチュアレスラー育成のプロジェクト。「昼間は新日本やブシロードで働いていただいたりしながら、道場で練習をやっていただいて、基本的にはオリンピックを目指してもらう」と木谷会長が説明。
永田も、「オリンピックを目指してもらって、出場を決めてほしい、と。そして、もしその先に色気があればプロレスラーとしても練習してほしい」と、そのコンセプトを語った。
すでに永田もスカウト部長として始動。早速、有望な若者を一人見つけてきた。「本日来ている」と永田に呼び込まれたのは、早稲田大学スポーツ科学部5年、ワセダクラブ所属の山口剛だ。
今回のロンドン・オリンピック出場まであと一歩だったというこの山口。1989年4月4日生まれで、岐阜県出身。身長は178cmで、フリースタイルの84kg級で活躍しており、2012年のデーブ・シュルツ記念国際大会では3位、そして2012年明治杯全日本選抜選手権2位という実績を残している。
また、特筆すべきは大学1年生の時に、電車の中で痴漢を発見し、ホームでタックルを決めて取り押さえたというお手柄があること。「車内で発見したので、声をかけたところ、逃走したのでタックルをして捕まえました」という山口。相手がケガをしないように、両足タックルではなく、胴タックルだったというのもポイントだ。これには永田も、「そういう配慮もできる。素晴らしい」と感心することしきりだった。
ここで、「確か闘魂クラブ第一弾の選手も(山口と同じく)早稲田出身だった。なぜか新たに生まれ変わったブシロードクラブの第一弾選手も早稲田出身ということで、なぜか早稲田出身と新日本は縁があるのかな、と。一弾の人は縁がなくなっちゃいましたけど(笑)」と、ある男のことを思い出した様子の永田。
最後は山口が、「今回、ブシロードクラブでアマチュアレスリングやらせていたくことになった山口剛と申します。今回、ロンドン・オリンピックを目指して練習に励んできましたが、出場することはできませんでした。しかし、4年後のリオのオリンピックを目指して頑張っていきたいと思っていますので、応援よろしくお願いします」と挨拶して締めくくったのだった。