7月2日、新日本プロレス事務所にて7月22日に行なわれるIWGPヘビー級選手権試合の調印式が開かれた。
挑戦者であるZERO1の田中将斗選手は、「何年か前の『G1(CLIMAX)』で棚橋に負けてるし(2009年8月15日)、ベルト獲った上で借りを返して、一石二鳥を狙う」「IWGPはいま一番欲しいベルト」と自信満々でコメント。
一方、王者の棚橋弘至選手は、田中選手の実力を最大限で認めた上で、「油断せず、田中選手以上のコンディションを作り上げてタイトルマッチに臨みます」と落ち着いた口調で話した。
■両選手のコメント
田中「数ヶ月前かな? そこにいるチャンピオンがベルトをなくして、『田中将斗のことが気になる』と言うたとき、『なにを言うとんねん、ベルト獲られて。俺の名前出すんやったら、ベルト獲ってるときに言えよ』と思っててね。ホンマに『いつやったってもかまへんな』と思うとったけど。まあ、結果的に、こんだけ待たされた上でベルトを持って来たから、それはそれでええやろうと思うし。シリーズ最終決戦まで時間もあるし、前哨戦も組まれると思うから、それまでブッ潰して、ブッ潰して、リングの上には這い上がって来れるぐらいの余力を残してやってやろうかなと。そして、その上で俺がチャンピオンになる。まあ、何年か前の『G1』で棚橋に負けとるし、ベルトを獲った上で、借りを返して、一石二鳥を狙いたい」
棚橋「田中選手の名前を出して随分経ちましたけど、俺の中で田中選手の評価というのは凄く高くて。ただラフだけじゃなく、技術もあるし、インパクトもあるし、スタミナもあるし。プロレスという競技を見たことがない人に伝えて行く上では、凄く伝わる選手だと思ってますんで。まあ、一通りほめてみましたけど(ニヤリ)。その素晴らしい選手とタイトルマッチ。シングマッチもやりましたし、タッグマッチでは何回かピンフォールを獲られている記憶もあるんで。油断せずに、田中選手以上のコンディションを作り上げて、タイトルマッチに臨みます」
■質疑応答
——過去、1度だけシングル対戦していますが、そのときの印象、警戒する点を教えて下さい。
田中「実際、負けてるしね。『スゲーヤツやな』とは、ぶっちゃけ思ったよ。で、どこをどう攻めたらいいか?ぶっちゃけ、いまはわからんよ。やっぱり、俺も認めるところはあるし。パワーとかスタミナとか、全部が10点満点じゃないけど、それに近いものをすべて持ってる。とりあえず穴のない、10点にすべて近いレスラーだと思うね。でも、そういうヤツじゃないと、俺も楽しくないし。そういうヤツからベルトを引っぺがさんかったら、おもろないしね。簡単に獲れるような平均点レスラーに勝っても、ぜんぜんおもろないから」
棚橋「前回の印象は……『あのころの俺はまだまだダメだったな』という自分の反省点があるぐらいですかね。その3年前より、俺、レスラーとして色んな部分が進化してますし。まあ、、あのころの印象を抱いているようだったら、ちょっと違うんじゃないかなという気もしますが……。あのときは、田中選手のエルボーですかね。スライディングDにかかわらず、スタンディングで普通のエルボー1発でよろめかされたんで。そのエルボーを食らうか?かわすか? そのへんが序盤のペースの握り合いになると思いますね」
——棚橋選手、田中選手から「穴のないレスラー」という発言もありましたが?
棚橋「そのとおりです(キッパリ)」
——山形でタイトルマッチをやることについて、どう思いますか?
棚橋「昔から『IWGPのタイトルマッチを日本全国・各都道府県でやりたい』と言ってるんで。次のターゲットは山形。防衛した暁には、どんどん進めていく気持ちです。山形で試合をやったときの、お客さんのノリ・熱さという手応えから、会社の判断だったと思うんで。これが一つの試金石というか。現段階で、新日本プロレスの持っている力、力量というのを試される大会になると思っています」
——棚橋選手は、タッグ戦での敗北をどう捉えていますか?
棚橋「それは油断とかじゃないんで。技一撃一撃の重さというか。昔、内藤(哲也)がスライディングDで記憶を飛ばされてますんで。やっぱりインパクトという部分では、最大級の警戒をします」
——田中選手、IWGPヘビーは新日本の頂点のタイトルですが、そのへんを意識しますか?
田中「やっぱり世界にも通用するベルトやと思うし。ホントにいま一番俺が欲しいベルトやなというのはあるしね。全選手、色んな他団体の選手含めて、やっぱりこのIWGPが凄いというのは、みんながみんなわかってることやから。そんで、今回、こういうチャレンジというのは決まりましたけど、俺が前回チャレンジしたのは2年前(2010年9月26日)やから。そのときからいままで2年かかっとんねん。そのあいだに、どんだけのレスラーがこのベルトをやりたいと思っても、チャレンジもできへんかったか?次、ホンマにやれるっていったら、いつかわからんからね。俺だって他団体の人間やしね。だから、今後いっさいチャンスは回ってきいへんかもしれへんし。可能性はあるとは言えんのやから、ホンマに今回がラストチャンスと思って獲りにいかんかったら、獲れへんと思うね。うん。だから、どんなことをしても獲らなあかんベルトやねん」
宮城・若柳総合体育館(アスパル若柳)
北海道・札幌テイセンホール