大好評!ゲームデザイナーの野中大三さんによるプロレスコラム!
■第62回「辻陽太が放つスケール感」
みなさんこんにちは!
今年も『SUPER Jr.』は最高でした。
決勝トーナメントの3試合をはじめ、今年はとにかく試合内容が濃かった。
開幕戦から濃密な試合が続き、選手の勝利への執念に胸を打たれっぱなしでした。
優勝したマスター・ワト選手はキャリア7年目の26歳。まさに期待の星です。
スーパージュニア優勝の歓喜の声を上げるよりも先にヒロム選手の持つIWGPジュニアヘビー級王座に挑戦表明しました。時計の針は我々ファンが想像するより速く動いているようです。
次の決戦の舞台は『DOMINION 6.4 in OSAKA-JO HALL』。次代の扉が開くのか楽しみですね。
さて、今回はそのDOMINONのメインイベントで凱旋帰国を果たす、これまた次代の選手、辻陽太選手についてゲーム的に論じていきます。
それではゲーム的プロレス論、PUSH START!
■怪物襲来
5.3『レスリングどんたく』のメインイベント終了後にSANADA選手を強襲することで帰国を表明した辻選手。IWGP世界ヘビー級戦という超破格の扱いでの凱旋帰国となりました。
海外遠征に出ていたキャリア4年の若手選手が掴むにしては大きすぎるビッグチャンスです。
前代未聞の事態ですが、実際のところ、それほど違和感は感じられません。むしろ、しっくりきます。
それは辻選手が放つ大きなスケール感の仕業でしょう。
『レスリングどんたく』で辻選手が会場にいた時間はわずかなものでした。
襲撃ムービーを背負ってエントランスに姿を現し、ノッシノッシとリングに歩を進め、JUST 5 GUYSメンバーを蹴散らしてリングを降り、来た花道を黙って戻る。
そう、これだけでした。時間にしてたったの3分30秒です。
そのわずかな時間の立ち振る舞いからとてつもないスケール感を放ったのです。
実力なんて全くわかりません。強さの証明もなにもない。
そこにあったのはただただスケール感のみ。
しかし、そのスケール感が見る者を引き付け、疑問を払拭し、期待を高めたのは間違いないのです。
■スケール感はウリになる。
ゲームにおいてスケール感はとても重要な要素です。
タイトルやシリーズによっては最重要要素と言えるものでしょう。
キャラが大きい、キャラ数が多い、アイテムが多い、マップが広い、クリア時間が長い、たくさんの人数でプレイできる、などなど。
とにかくスケール感はゲーム製作では必ず求められる要素であり、製作者にとっては必ず挑む大きな壁です。そしてその壁を乗り越えて大きなスケール感を持つことができればユーザーも熱狂してくれるものです。
斬新なゲームデザインがあろうがなかろうが、大きなスケール感は拒まれることはまずありません。
「スケール感が大きいのが残念」なんて評価は聞いたことがありませんよね。
そもそも「スケール感」は規模のとらえ方を表現する言葉なのに、大きい前提で使われています。
それくらい大きな規模を想像させることは万人に評価される、ということなのでしょう。
■スケール感は本能に響く。
高い山ほど登りたくなるし、建物は大きな方が立派に見え、ステーキは厚い方がおいしそうに見えます。
人は皆大きなものになぜか憧れます。絶対的に小さくした方が好まれるものの方が圧倒的に少ないのです。
これはなぜか?
僕の答えは「大きなものほど手に入らないから」です。
そもそも欲求や向上心というものを本能的に持っている人間にとって手に入りそうなものより入らなさそうなものの方が魅力的に感じるのではないでしょうか。
それゆえ、大きいものには理由なきあこがれを抱いてしまう。
プロレスラーの魅力は大きな選手が体をぶつけあうことにあるわけで、プロレスファンにとって大きさ、スケール感への意識下での憧れは特に強いものがあるのでしょう。
まとめると、大きなスケール感を漂わせる辻陽太選手はプロレスファンの本能を見事に刺激した。
ということです。
■SANADAvs 辻陽太はここに注目!
全く新しい景色となったSANADA選手vs辻選手のIWGP世界ヘビー戦。
チャンピオンになって日の浅いSANADA選手ですが、その実力は折り紙付きです。
世界トップクラスの身体能力、スタミナ。打投極のフィニッシュホールド。
さらにはオカダ選手という高い壁に何度も何度もはじき返されることで備わった不屈の根性。
あらゆるパラメータで高得点をたたき出すSANADA選手に対して辻選手が対抗できるのは…?
そうです。
“スケール感”なのです。
この点に関しては間違いなく辻選手に軍配が上がります。
もうひとつ、辻選手に有利な状況があります。戦前の情報量です。
前哨戦なしということは辻選手に関する情報が不足しているのは我々ファンもSANADA選手も同じ。
SANADA選手は漠然とした状態で迎え撃つことになります。
辻選手にとってはSANADA選手について十分な研究をできる状態にあるので、戦前の情報戦では辻選手が有利でしょう。
辻選手が与えた情報はスケール感が大きくなったことのみ。
そう、この状況こそ辻選手が仕掛けた情報戦ではないでしょうか。
出した技はスピアーのみ。はっきりとしたコメントも残さない。L・I・Jに加入するのかさえわからない(※編集註:6月3日の公開調印式で加入を表明)。
あえて情報を出さないことで辻陽太像をモヤモヤした霧で包んでいるのです。
得体の知れない怪物が霧の中から姿を現し、王者に食らいつく…。
このイメージを醸成させた時点で辻選手は数歩リードしていると言えるでしょう。
霧が晴れてどんな大きなスケールのプロレスラー辻陽太が現れるのか、6.4大阪城ホールのメインイベントで答え合わせさせてもらいましょう!
■『DOMINION 6.4 in OSAKA-JO HALL』
2023年6月4日(日) 14:30開場 16:00試合開始 ※第0試合は15:30試合開始予定
大阪・大阪城ホール
[再入場不可]
☆チケット情報 ☆対戦カード情報
※「ロイヤルシート」「1階ひな壇」は残りわずかとなりました。
☆チケットは各社WEBサイト・コンビニ店頭端末で17:00まで販売いたします。
・ローソンチケット https://l-tike.com/njpw ローソン・ミニストップ店頭Loppi
・イープラス https://eplus.jp/njpw/ ファミリーマート店舗
・チケットぴあ https://w.pia.jp/t/njpw/ セブンイレブン店舗
☆会場での当日券販売は13:30からとなります。
■野中大三(のなかだいぞう)
dotswreslerアーティスト、コラムニスト
プロレス観戦歴、ゲーム歴ともに38年。
プロレスラーをドット絵で表現するdotswrestlerをTwitterで公開中。
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