『DOMINION 6.4 in OSAKA-JO HALL』6月4日(日)大阪城ホール大会で、“宿敵”デビッド・フィンレーの持つNEVER無差別級王座に挑戦するエル・ファンタズモ選手に直撃インタビュー!
■『DOMINION 6.4 in OSAKA-JO HALL』
6月4日(日) 14:30開場 16:00試合開始
大阪・大阪城ホール
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■ジェイ・ホワイトを追放した時以降……、物事が少しずつ変わっていった。フィンレーはアゴでメンバーを使い始めたんだ。その行為を好かないヤツらは多かった。特に俺はね
――5月3日『レスリングどんたく』福岡大会で、デビッド・フィンレー選手がタマ・トンガ選手を倒してNEVER無差別級王座を勝ち獲った後、エル・ファンタズモ選手はフィンレー選手を襲撃して、福岡のファンたちとともに祝杯をあげました。特に新型コロナウイルス流行中に大変な思いをされたファンタズモ選手にとって、あの瞬間はかなり特別だったのでは?
ファンタズモ そうだな。 あの瞬間までホントに長い時間だった。俺は新型コロナウイルスが流行し始めた時にはもう新日本マットにいて、日本人のみんなと一緒にずっと日本政府からの制限に苦しんだ。規制がついに解除され、日本政府は規制を解除するのに時間をかけすぎたと思ったが、規制がやっと解除された時、誰もデビッド・フィンレーがBULLET CLUBのメンバーとしてやっていることに納得していなかった。
俺も心底イヤだったよ。そして、みんな知っている通り、ここ2年半、3年で沸々としていた感情が全部沸騰しちゃったんだ。それに、大きな物事はすべて『レスリングどんたく』で起きるなんて少しポエティック的な感じもする。俺が4年前にあの場所(『レスリングどんたく2019』)で新日本デビューをしたのは、すべてが始まった場所で再び生まれ変わって、新しいスタートを切るためだったんだ。
――4月8日『SAKURA GENESIS 2023』両国国技館大会でフィンレー選手がファンタズモ選手をBULLET CLUBから追放する前、フィンレー選手のBULLET CLUBはジェイ・ホワイト時代のBULLET CLUBと比べて、どのようなユニットでしたか?
ファンタズモ 俺とジェイ(・ホワイト)とジュース(・ロビンソン)とイシモリ(石森太二)が持っていた仲間意識以外には、ジェイのやっていたこととフィンレーのやっていることの間で大きな違いを感じることはあまりなかったな。
俺たちはみんな……俺たちはみんな同じ考えを持っていたけど、カリフォルニア(日本時間:2月19日『Battle in the Valley』)でフィンレーがジェイ・ホワイトを追放した時以降……、物事が少しずつ変わっていったんだ。俺たちは全員、BULLET CLUBでやるべきことをやろうとしていた。けど、知っての通り、フィンレーはアゴでメンバーを使い始めたんだ。
その行為を好かないヤツらは多かった。特に俺はね。後味が悪かったんだ。特に俺はそう感じた。わかるだろう、普通はこんなことはしないって、BULLET CLUBにつかつかと入ってきて先輩たちをアゴで使い始めるなんてこと、考えられないだろ?
――ジュース・ロビンソン選手とジェイ・ホワイト選手はあれからAEWで「BULLET CLUB Gold」として活動しています。それについてどう思いますか?
ファンタズモ そのことに関してはすごく葛藤したよ。フィンレーがBULLET CLUBからすべてを追い出した。でも、イシモリとKENTAはフィンレーの味方になった。俺は、今回追放されたメンバーたちはBULLET CLUBで自分たちらしいことができていたと思っていた。「俺たちがこの10年間でBULLET CLUBを特別なものにしたぞ!」って感じでね。そして、いまやすべてを奪われて、ジェイとジュースはAEWで「BULLET CLUB Gold」を再結成して……。
自分もBULLET CLUBから離れて、いまフレッシュなスタートを迎えたいと思う一方で、俺の仲間たち、ジェイとジュースがAEWでやっていることも同時に理解できるんだ。俺たちには“そういう繋がり”がまだある。ただ、俺にはこのニュージャパンの新しいBULLET CLUBと反りが合わないんだ。ジェイやジュースがAEWでやっていることには満足しているよ。けど、いまの俺のフォーカスはフィンレー、イシモリ、KENTAであり、それがいまの日本で起きていることだ。
ただ、みんな知っての通り、このあとは『FORBIDDEN DOOR』(AEWと新日本プロレスの合同興行)のシーズンだ。俺はそこで何が起きるかはわからないし、ジェイにも何が起こるかわからないし、フィンレーも何が起きるかわからないし、誰も何が起きるかわからないと思う。でも、“何かが起きる予感”がするんだ。
――石森選手とKENTA選手はフィンレー選手に加勢して、ファンタズモ選手をBULLET CLUBから追放しました。ファンタズモ選手がBULLET CLUBに加勢してタマ・トンガ選手を追い出したのは、ちょうど1年前でした。ご自身が追い出されたことで、タマ選手に起こったことをかえりみる瞬間はありましたか?
ファンタズモ えーっと、そう言われるとたしかに皮肉なもんだな。そのことについては、一度も考えたことがなかったよ。あの時は、わかるだろ?あれはBULLET CLUBでタマの時代は終わったから、アイツを追い出そうというユニット全体の決断だった。ジェイはそれが最善だと思ったていたし、俺やイシモリも当時はそれが最善だと思ったし、KENTAもそうだった。わかるだろ、みんながそう思っていたんだ。
そして一年後、俺は俺たちがやるべきことは、フィンレーをリーダーの座から引きずりおろしてやるのが最善の策だと思っていた。ところがユニットの決断は違った。アイツらはもう俺を必要としなかったんだ。そういうのって“刺さる”んだよな。
とくに俺とイシモリは一緒にいる時間が長かった。俺たちは一度もケンカしたことがなかった。俺たちはジュニアヘビー級では陰陽のような存在だったよ。俺とイシモリとKENTAはなにかすごく特別なことを成し遂げられると思っていた。でも、それはなかったようだ。
――フィンレー選手がBULLET CLUBに加入してから、外道選手のニックネームは新しく「Bloody Hands」になりました。BULLET CLUBでのファンタズモ選手と外道選手の関係はどのようなものでしたか? また、外道選手はフィンレー選手に対してどのような影響を与えていますか?
ファンタズモ ゲドー(外道)は少し謎めいていて、ほら、“才能にしがみつくヒル”のような存在だよ。ゲドーが、このビジネスにおいて素晴らしい頭脳を持っていることは否定できない。オカダに何かを見出し、ジェイに中に何かを見出し、そして今、フィンレーに何かを見出した。
ゲドーは間違いなく“何か”を見ている男だ。そして、ゲドーには実績もある。でも、えっと、そうだな。アイツは小さなスネークだと俺は思っている。そして……俺たちは一度もゲドーとジャドー(邪道)が一対一で闘うのを見たことがない。俺はそれがずっと見たかった。ファンもずっと見てみたかったと思うけど、一度もそれが起きたことはない。どうにかして、俺たちがそれを実現させなきゃいけない。ゲドーとジャドーが、ニュージャパンのリングで、一対一の闘いをする、どうだ? いい考えだろ?
■いまは(ライオンマークの半ズボンを見せながら)ライオンマークを代表することが出来てなんだか嬉しいんだ。この青い半ズボンを履いているのが本当に誇らしいよ
――『レスリングどんたく』5.3福岡大会で姿を現した時、ファンタズモ選手は履いていた半ズボンにあったライオンマークを指差しましたが、ファンタズモ選手の口からは何も聞いていません。実際のところ、“本隊の一員”になったと考えてよろしいでしょうか?
ファンタズモ えーと、それは特に考えてなかったな。俺はまだBULLET CLUBから追い出された余韻を持て余しているんだ。だって俺がニュージャパンで知られている唯一のアイデンティティがBULLET CLUBなんだから。
でも、正直に言うと、俺が18歳の時、金曜日の夜に寝室で1人座ってニュージャパンプロレスを観ていた。観ていたものは、BULLET CLUBのプロレスじゃない。俺がプロレスラーに本気でなろうと思い始めた時、ビッグなステージに立ちたいと思った時、その “ビッグなステージ”と言えばニュージャパンだった。けしてBULLET CLUBじゃない。
でも、その道が結局は俺をBULLET CLUBへと導いた。プロレス史上、最も影響力のあるユニットであることは間違いないよ。でも、ニュージャパンでプロレスをするということは地球上で最高のプロレスラーの一人だということだ。それに……ホンタイ(本隊)が両手を広げて俺を歓迎してくれるか、まだわからないだろ?
俺にL・I・Jのメンバーになってほしいと願うファンもいるだろうし、CHAOSもあれば、TMDKもあって、たくさんの選択肢が俺にはあるんだ。でも、いまは(ライオンマークの半ズボンを見せながら)ライオンマークを代表することが出来てなんだか嬉しいんだ。この青い半ズボンを履いているのが本当に誇らしいよ。
■大阪城ホールに一新した姿で、一新した入場曲で、一新した態度で入場するのを楽しみにしている
――最近のフィンレー選手のリング上での闘い方は、『SUPER Jr.30』でのクラーク・コナーズ選手も同様ですが、もの凄くアグレッシブなスタイルです。6月4日『DOMINION』大阪城ホール大会では、フィンレー選手に何を期待していますか? いまのファンタズモ選手からは、今までとは違う何かを期待しても良いでしょうか?
ファンタズモ そうだな、そのことについてはたくさん考えたよ。「BULLET CLUBっぽくないELPってどんな感じなんだろう?」ってな。コレは正直、大阪で見つけるしかないな。
少しはアイツのことも褒めなきゃいけないかな。デビッド・フィンレーはたしかに野蛮になった。俺は、アイツがタマ・トンガを叩きのめしたのを観た。俺が同じことをアイツにやってやることを夢見ているよ。いまのクラーク・コナーズはマジでサイみたいだし、アイツも野蛮だよな。じゃあ、ELPは野蛮なのか? 違う。俺はそう思わない。俺は違うよ、そんな体格じゃないしね。
けど、大阪でELPとのビッグマッチに臨むデビッド・フィンレーは自分自身がどこに足を踏み入れようとしているのか気づいていないと思う。俺たちが福岡にいた時、お前もそこにいただろう。俺は望んでいなかったけど、ファンたちは俺を応援した。俺とフィンレーがリングに足を踏み入れたら、大阪城ホールはどれだけの熱狂に包まれるんだろうな。まあ、アイツは野蛮さを持ってリングに上がるだろう。
けど大阪城ホールでは、デビッド・フィンレーは俺にボコボコにされるだろうな。アイツの父親が誇りに思うくらいね。
――ここ数年、ファンタズモ選手はファンとの独特なコミニュケーションを持っていましたね。子どものファンと“Too Sweet”ポーズを合わせたり、ファンから帽子を奪って観客席に投げたり。大阪のファンに向けて何かメッセージはありますか?
ファンタズモ 俺がいまいるポジションって凄くおもしろいよ。すべては自然に起きたことだからね。俺はファンたちの帽子を投げるのをべつに止めていない。ファンの嫌がることを止めていない。けど新型コロナウイルス流行を通して、ファンたちも俺が彼らと同じように犠牲を払って苦しむのを見てきた。
俺はアイツらにべつに応援してくれるよう頼んでいないけど、アイツらは応援し出したし、俺を応援したいと思っている。フィンレーが俺をBULLET CLUBから追い出し、俺がフィンレーに復讐するという。ある意味、運命の巡り合わせがあったからだな。
ファンたちはフィンレーを嫌い、いまは俺を気に入っている……すべての星が揃ってこんな風になるなんて、なんだかクールだよ。でも、俺は帽子を投げることもやめていないよ。
今後は、BULLET CLUBの帽子を見つけて、それを観客席に投げないといけないかもしれないな。でも、新型コロナウイルス流行を通して、観客席からELPタオルやELPのサインを見た。後楽園ホールでは、ナイトー(内藤哲也)のチャントよりELPのチャントの方が大きかった時もあったんだ。
これはすべてが自然に起きたことだし、大阪城ホールに一新した姿で、一新した入場曲で、一新した態度で入場するのを楽しみにしている。俺にフィンレーのケツをぶっ飛ばすよう頼む人で溢れている会場がマジで楽しみだ。
■『DOMINION 6.4 in OSAKA-JO HALL』
6月4日(日) 14:30開場 16:00試合開始
大阪・大阪城ホール
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