• 2012.1.31
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「世界一のプロレスリングカンパニーを目指す」(木谷社長)/新日本プロレスの新体制発表会見

 1月31日、明治記念館にて行なわれた新日本プロレスの新体制発表会見。
 
 後半は、ブシロードの木谷高明社長、新日本の菅林直樹社長、棚橋弘至選手、永田裕志選手、中邑真輔選手、真壁刀義選手、獣神サンダー・ライガー選手がマスコミの質問に答えた。
 
■質疑応答
——新日本プロレスが事業40周年を迎えた意気込み、カードゲームのシナジー戦略について、どうお考えですか?
木谷社長「まず、40周年って凄いですよね。その頃からずーっとファンに夢を与えてきたのかって思うと、凄く大事にしないといけない年だと思います。向こう1年くらいを40周年と捉え、色んなことをやっていきたいと思っています。カード戦略との絡みなんですが、エンターテインメントは、すでにコンテンツの時代からコミュニティーに変わってるんですね。当社のカードゲームも、アナログなSNS(ソーシャルネットワークサービス)だと思って下さい。ブシロードはSNSの会社だと思って下さい。その中で、40年に渡って多くのファンに夢を与えていらした新日本プロレスというのは、大勢の熱心なファン、場合によってはそのファンの人たちがコミニュティを形成しているということなんですね。大会に来ている人だけでも年に何万人、テレビで見ている、もしくは昔見ていたと(いう人たちがいる)。ゴールデンタイムでやっていたときは、20パーセントという視聴率を取り、毎週2000万人が見ていたということになるんですね。最近、ブシロードも知名度が上がってますけど、もし30代〜60代の人に「どっちの会社を知っていますか?」と聞いたら、圧倒的に新日本プロレスだと思うんです。当社は、10代、20代の人たちに対するカードゲームは展開していますが、逆に30代〜50代の人たちには、まだ手をつけていませんので。詳しくは2月29日に発表しますが、単純なカードゲームではなく、少しオンラインなどに絡んだタイプの物を、今年の秋に発売を目指して開発中でございます。ですから、過去にずっとファンだった人も含めて、大勢の熱心なユニークユーザーさんを抱えている会社だと考えています」
 
——菅林社長、何かつけ加えることは?
菅林社長「40年というのは、かなり長い年月が経っておりまして。緒先輩の選手とフロントの方たちの汗と血と努力の賜物で、40年間やってきたと思います。その40年の歴史を汚すことなく、今年、記念すべき年を乗り切っていきたいと思います」
 
——なぜ、プロレスの会社を買収しようと思われたんですか?
木谷社長「会社とのシナジーを考えると、先ほどご説明したように、歴史があって、熱心なファンを大勢抱えられていて、コンテンツとしても魅力がある、というのが理由です。個人的な理由に関しては、少年時代からずっと夢を与えて頂いたので。それに対するご恩返しをしたいなと思ったからです。それと、新日本プロレスの試合、非常に中身が濃くておもしろい。いま、これをより大勢の人に知ってもらえれば、独り立ちできるのかなと思いまして」
 
——テレビ朝日さんとの連携は?
木谷社長「そのへんは2月29日に発表しようと思ってるんですが、たとえば新日本プロレスとWWEと比べた場合、30年前はあまり変わらなかったという気がするんです。その差は何かと考えると、僕もアメリカに1年ぐらいアメリカにいて、向こうで試合を見ているんですけど、あきらかにメディアの差ですね。日本の場合はプロレスに限らず、地上派が縮小されると、どのスポーツジャンルも縮小されると思います。だから、そのメディアをどういうふうに使うか?もしくは一緒に乗っていただくか? というのが物凄く重要なことだと思っていますので、テレビ朝日さんとは今後もいい関係を続けていきたいと思っています」
 
——木谷社長、子どもの頃、好きだったプロレスラー、いま好きな選手は?
木谷社長「中学・高校の頃に好きだったのは、新日本プロレスだとやはり(アントニオ)猪木さんですかね。東京に出てきて、最初に蔵前国技館で見たのは、猪木vsジョニー・パワーズだったと思います。でも、試合内容よりも、出口のほうでタイガー・ジェット・シンがファンに向かってサーベルをブン回した。それがもの凄くインパクトありましたね。そのへんで、プロレスにとりつかれたんですかね〜(ニッコリ)。そして現在だと、隣にいる棚橋選手のハイフライフローを2回決めて、最後のフィニッシュに持って行く。あれが流れるようで、ホントにカッコいいですねぇ〜。男としてもしびれますね。あとは、『G1(CLIMAX XXI)』決勝で中邑選手と内藤(哲也)選手のガッツンガッツン行くような、ゴツいフィニッシュに至るまでの過程が、間近で見てよかったなと思いますね。最近、観ていない方もいらっしゃると思いますけど、内容が凄く濃くなっているので、見ていただければと思いますね。あと、新日本プロレスの東京ドーム大会は何回、見に行きましたかね?お客さんが自然発生的にウェーブをする。あれはホントに楽しかった。あの熱狂を取り戻したいと思いますね」
 
——選手の皆さん、今回の件について率直な感想と、これからの意気込みをお聞かせ下さい。
永田「今回のお話を聞いたとき、急展開でしたので、非常に驚きました。この会場に来て色々とお話を聞いて、正直いってあんまり実感がなかったんですが、木谷社長の色々なお話を聞いて、だんだん自分の意欲が出てくるのを感じました。新日本プロレスは40年ですが、僕自身は丸20年になりますので。今年、20周年でまた新たな素晴らしいスタートが切れるんじゃないかという気持ちになっております」
 
真壁「今回のこの件に関して、先ほどこの会場に来て知ったので、そのことに関していまは何もないですね。リング上でどれだけ生き様を見せられるかがプロレスラーだと思ってるので。あと、俺、正直いってゴマスリは大嫌いだから。ゴマする気も何もねぇけど、仕事ことで木谷社長と話したことがあるんで。俺のファイト理念と、木谷社長が考えているプロレスの理想が凄く一致した部分がありまして。それが凄く自信に繋がったというのが、現実にあるわけで。まあ、この人の下でやるのであれば、“すべての部分で天下を獲る”。その意気込みで行くのがレスラーでしょう?俺はそう思います」
 
棚橋「この話を聞いたとき、新日本プロレスの苦しい時期を支えていただいたユークスさんへ、本当にあらためて感謝の気持ちが沸いてきました。『新日本プロレスがなくなってしまうんじゃないか!?』というところ、選手がリング上の闘いに集中できる環境を提供していただいて。それと、いま木谷社長のお話を聞かせていただきまして、色々なメディアの露出というのが増えてきますんで。奇しくも、今年、僕は『ジャンルを超える』という大きな目標を持っていましたので、いま注目度が上がっている新日本プロレスの中で闘いを見せていって、40周年目、新しいスタートを切りたいと思います」
 
ライガー「正直、今日なんで選手がここに集まるのか?その理由さえわかりませんでしたので、この話を聞いたときも、正直、ピンと来るものはなかったです。『売り上げを何十億、何百億を見据えて』という話をされているんですけど、僕、オフのあいだはマスクを取って、カミさんと一緒にスーパーの安売りに並んで、マヨネーズやサラダ油を買ったりしてますので。突然、そんな桁違いの額を言われてもわかりません。ですが、レスラーである以上、やることは何か!? やっぱり練習なんですよ(キッパリ)。だから、そんな悩んでいるヒマがあったら、スクワットを100回でも1000回でもやれと。僕はあらためて思いましたんで。今日、帰ったらさっそく練習したいと思います」
 
中邑「自分も6年前、7年前、プロレス界の非常に環境が悪い時期、ユークス体制になり、新日本プロレスが一つ上のステージに上がったと思って、闘っていました。それで今回、ブシロードさんによる親会社の交代。木谷社長のいうメディア戦略等、非常に期待が持てるというか、可能性がどんどん広がって行くんだろうなということで、もう一つ上のステージで闘えるんじゃないかということは、非常にモチベーションが上がることだと思っています。そして、それが波及的に、若いポテンシャルのある人間が集まってくるみたいになればいいなと思っています」
 
——最後に、木谷社長から一言お願いします。
木谷社長「今日はお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。ユークスの谷口社長とも話をしているんですが、今後ともユークスさんといい関係を保ちつつ、『ぜひ、コンシューマゲームなどをユークスから出したい』と言っていただいています。バトンタッチは受けましたが、今後も当社とユークスさんのタッグで、一緒に外側から盛り上げていきたいなと思っています。“露出を増やす”“いいものをよりい多くの人に見せて行く”ということを、全力でやっていきたいと思っています。それと、選手一人一人もそれぞれの世界一を目指していただいて、会社全体としてもレスリングカンパニーとして世界一を目指す。僕は“打倒WWE”をしたいと思っていますので。凄く尊敬しているビンス・マクマホンに勝ちたいです! 団体として勝ちたいと思っていますので、今後ともご支援、ご指導のほど、よろしくお願いいたします」

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