プロレス界随一の論客・“GK”金沢克彦氏の独特の視点から、現在進行形の新日本プロレスに関するコラムを続々レポート(不定期連載)!!
今回は「もう、新たな景色は見えはじめている」初めて“頂点”のベルトを巻いたSANADA、そこへ挑戦表明したヒロム。4.8両国決戦を大総括!
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■不慣れなリングでも最高のパフォ―マンスを披露できるのだから、3選手のレベルの高さを大いに評価したい
新日本プロレスのホームといっていい両国国技館にひさしぶりに大歓声が戻ってきた。4月8日、両国国技館で開催された『SAKURA GENESIS 2023』。声出し応援解禁ということで、国技館に大歓声、大声援が響き渡るのは、じつに3年半ぶりのこと。
全9戦、4時間余のロング興行となったが、観客の熱量が選手を後押しし、本来の新日本プロレスを存分に堪能することができた。
まず、第5試合のIWGP女子選手権3WAYマッチで火が点いた。王者は2月の米国サンノゼ大会でKAIRIを破って第2代王座に就いたメルセデス・モネ。2010年代にWWE女子の頂点に君臨していた超大物スーパースターである。
挑戦者はスターダムの葉月とAZM。まだスターダムの頂点である赤いベルト(ワールド・オブ・スターダム)、白いベルト(ワンダー・オブ・スターダム)にはとどいていないものの、スピードと空中戦で競うハイスピード王者として確固たる実績を残している両選手。スターダムが誇るハイスピードスターとして大活躍している。つまり、葉月とAZMはタイプが似ているのだ。
この3WAYの絡みが見事にハマった。とにかく3選手がノンストップで動きまわる。空中戦、サブミッション、切り返し合戦と目が追い付かないほど。おそらくスターダムを生観戦したことがないであろう新日ファンもドギモを抜かれたのか、会場が沸き返る。
最後はモネがAZMをモネメーカーで仕留めて初防衛に成功。やはり時代は前へと進んでいる。当初、IWGP女子王座の創設に関して賛否両論が渦巻いていたが、こういう試合を見せられるとだれもが納得することだろう。
なにより女子プロと新日本のリングでは、ロープの高さも違えばその張り具合も違う。そういった不慣れなリングでも最高のパフォ―マンスを披露できるのだから、3選手のレベルの高さを大いに評価したい。
■大健闘とか大善戦とか、いい試合であるとか、そういう次元で満足していないところが海野の魅力だろう。
第6試合のNJPW WORLD認定TV選手権も好勝負となった。王者のザック・セイバーJr.に挑むのは海野翔太。このタイトル戦の最大のポイントは15分1本勝負という試合形式にある。15分内での決着を狙うわけだから、もうゴングと同時に両選手はラッシュ。
丸め込み、打撃と一歩も退かない両者だったが、13分過ぎに海野がスパート。デスライダー、変型デスライダーから、トドメの正調デスライダーへ。海野の初戴冠が見えてきた瞬間だったが、それを切り返したザックがジャックナイフ式エビ固めで3カウント奪取。
あと一歩でベルトに届かなかった海野は、「新日本プロレスのトップレスラー、どいつもこいつもスゲェー。トップまで遠いよ」とコメント。大健闘とか大善戦とか、いい試合であるとか、そういう次元で満足していないところが海野の魅力だろう。
ザックも「ショータこそが、新日本プロレスの未来かもしれない」と素直に認めている。
■ある意味、このアクシデントもあって、館内の空気が変わった。オージー・オープン応援ムードが支配しはじめたのだ。
第7試合のIWGPタッグ選手権は、毘沙門(後藤洋央紀&YOSHI―HASHI)にとって、3度目の防衛戦。脂の乗ってきた王者チームに臨むのがオージー・オープン(マーク・デイビス&カイル・フレッチャー)。
タッグ屋同士の一戦は、予想を上回る大激闘となった。序盤、場外の後藤に向かってフレッチャーがラ・ケブラーダを放った際に自ら頭部を鉄柵に打ちつけてしまった。これで、左側頭部に裂傷を負って流血してしまったフレッチャー。
しかし、このアクシデントにもめげることなく頭部にテーピングを施してカムバックしてきた。ある意味、このアクシデントもあって、館内の空気が変わった。オージー・オープン応援ムードが支配しはじめたのだ……。
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