プロレス界随一の論客・“GK”金沢克彦氏の独特の視点から、現在進行形の新日本プロレスに関するコラムを続々レポート(不定期連載)!!
今回は「4.8両国国技館、時代が変わるかもしれない」真田聖也という“原点”に返ったSANADAをテーマにコラム執筆!!
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■武藤敬司引退試合。内心は悔しさでいっぱいだったことは想像に難くない。本来であれば、そのリングで師匠を介錯しなければならないのはSANADAである。
今年の『NEW JAPAN CUP2023』(以下、『NJC』)開幕を前に、もっとも期待と注目を集めていた男は、SANADAだった。ただし、今回の期待感は判官びいきからくるもの。
というのも、この4カ月余、SANADAの戦績は惨憺たるものであったから。ケチのつきはじめは、11・5大阪大会から。新設されたNJPW WORLD認定TV王座決定トーナメント準決勝で、凱旋したばかりの成田蓮に敗退。
今年に入って、1・21横浜アリーナでは全日本プロレス時代の盟友でありライバルでもあったノアの征矢学に敗れ、1・24後楽園ホール大会では6人タッグマッチながら海野翔太にもピンフォール負けを喫している。
さらに、2・5北海きたえーる大会の8人タッグマッチではオカダ・カズチカのレインメーカーに轟沈。試合後にはこんな弱気なコメントも口にしている。
「プロレス人生の中で、今が一番何をしたらいいのかわからないです。こんな長い、出口の見えないトンネルに入ってしまったのかと……」
そして、2月21日にノアが開催した東京ドーム大会。目玉はもちろん、武藤敬司引退試合。武藤と対峙した男は同じロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの内藤哲也。それも武藤が指名するカタチで実現した一騎打ちだった。
SANADAはタキシードに身を包んでセコンドに付いた。それが師匠である武藤に対するリスペクトを示すもの。ただし、内心は悔しさでいっぱいだったことは想像に難くない。本来であれば、そのリングで師匠を介錯しなければならないのはSANADAである。
なぜ武藤が内藤を選んだのかといえば、インパクトと集客面を考えたとき、内藤がイチバン相応しい相手だと考えたからだろう。その現実も思い知らされたわけである。
■最終戦(決勝)の舞台は、新潟・アオーレ長岡。これもまたSANADA推しの期待が膨らんだ理由
『NJC』の日程とトーナメント表が発表された。最終戦(決勝)の舞台は、新潟・アオーレ長岡。これもまたSANADA推しの期待が膨らんだ理由。新潟市出身のSANADAにとっては、長岡市は準地元といっていい土地。そして、この地では過去に特別なシーンが演出されたこともある。
2018年7月26日、アオーレ長岡大会のメインイベント。『G1 CLIMAX28』公式戦で飯伏幸太と初の一騎打ち。この超身体能力対決を制したのがSANADAだった。
試合後、ロス・インゴのメンバーとして新日本マットに上がって以来、初めてSANADAがマイクパフォーマンスを披露した。
「どう考えても日本で一番、長岡が好きです。『G1 CLIMAX28』、オレが優勝してやるよ! おい、長岡! シー・ユー・ネクストタイム‼」
無口、無言で押し通すCold Skullの予想もしないアピールに館内は大爆発し、「SANADAコール」に包まれた。それ以降、恒例となった「日本で一番〇〇が好きです」は地元の長岡が発祥の地なのである。
SANADA復活のための舞台だけは整っていた。ところが、トーナメント表を見ると、SANADAの対戦相手は強者ぞろい。
1回戦=タイチ、2回戦=KENTAまでは決まっているが、その後も実績と実力からみれば、準々決勝で内藤、準決勝でウィル・オスプレイと当たることはほぼ間違いない状況。かなり道程は険しかったのだ。
■タイチが拳を突き出すと、SANADAは拳ではなく握手で応えたのだ。闘いから通じ合うものがたしかにあった。
3・5後楽園ホールでの1回戦。Just4Guysから唯一エントリーしたタイチはガンガンと攻め込んでいった。「気持ちが入ってねえーんだよ!」と言葉でも激しく攻め立てる。それによってSANADAに火が点いた格好だった……。
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