IWGPヘビー級王座V10の防衛記録を持つ永田裕志。10月10日両国国技館大会で棚橋弘至が内藤哲也を破り、8度目の防衛を記録した直後、さっそうと次期挑戦者に名乗りをあげた。
棚橋もこれに応え、両者の対戦が決まったと思われた瞬間、突如として矢野通が2人を急襲! なんと、IWGPベルトを棚橋から強奪し、自分の管理下に置くと一方的に宣言した。
これにより、11月12日大阪で棚橋vs矢野のIWGP戦が決定。挑戦を横取りされ、あまつさえ蚊帳の外に押し出されてしまった格好の永田は、この異常事態に何を思うのか?スペシャルインタビューで直撃!
■テンションもコンディションも最高潮。ドームでメインを取りたい!
——ベルト強奪事件は、永田選手も憤りを感じているのでは?
永田 矢野の暴挙に怒りはあるし、IWGP実行委員会がもっと毅然とした態度で対応するのかと思いきや、その全権を棚橋に任せ、防衛戦を決めてしまった。「それはちょっと違うだろう」というのがあるね。
——矢野選手といえば、突然、永田選手へ牙をむけた人物でもあります。
永田 俺のほうに矛先が来たからには、正面から受けなきゃいかんと思ってましたね。
——髪の毛をしつこく狙われたことについて、どう感じていますか?
永田 完膚なきまでに僕を叩きつけて、髪の毛を切りたければ、もっと力をつけて強くならなくちゃいけないよね、矢野くんは(余裕の笑み)。
——あの執念深さをどう思いますか?
永田 まあ、ヒデオ(・サイトー)とか矢野に追い回されたのは、僕的に不本意ではありますけどね。勝手に解釈すれば、「“それだけの存在”なのかな?」と。だって、(狙うのが)誰でもよければ、ずっと高橋(広夢)の髪の毛を切っていればいいわけだからさ(笑)。
——そして迎えた10月10日両国国技館の一騎打ちは、完勝でした。
永田 野上(慎平)アナの髪を切りに行ったり、そういうことはありましたけど、矢野を相手にそこそこいい試合ができて、その上で勝つことができたので、けっこう満足してますね。
——その直後、棚橋選手が内藤選手を破り、IWGP王座V8に成功。ここで挑戦に名乗りをあげましたね?
永田 今年、ちょっといろいろ動いてみて、結果も出ていて。まだ残り3ヶ月ある中で、「これで終わりにしたくないな」と。自分自身のテンションもコンディションも、最高潮にあるし。やっぱり「1月4日の東京ドームで、メインを取りたいな」と思ってね。となると、やっぱり待ってちゃいけないわけですよ。
——だから、行動に出たということですね。
永田 ヒデオと矢野に付きまとわれているとき、「このままズルズル行くのはイヤだな」って凄く思ったんです。だから、「とりあえず、矢野は完全に返り討ちにしよう」と思っていて(余裕の表情で)。そういう中で、リングに上がっちゃいました。それと、同僚の中西学選手がケガで長期欠場しているというのは、僕の中で大きかったですね。
——というと?
永田 体調がいいとはいえ、自分もいつ動けなくなるかわからない。だから、やれることをやれるうちにやっておきたいと思って。それと、「中西選手に1日も早く復帰してもらいたい」という僕からのエールもあります。
■歴代の王者が築いてきた軌跡を、ちょっと軽く見ちゃったのかな?
——そういえば、来年はデビュー20周年ですね。それも今回の挑戦と関係が?
永田 いや、それはないです。記念の年どうこうじゃなくてね。「思い残すことはしたくない」と思ったから。
——では、棚橋選手がV10の記録を破るかもしれないことを、意識しましたか?
永田 記録というのは、いつか破られるものですからね。記録以上に、僕のいまの状況を意識したということです。“選りすぐりのチャレンジャーと試合をして、内容を残した上で勝つ”というのは、僕的にはそんなに難しいことではないんで(自信満々で)。
——しかし、チャンピオンとしての棚橋選手の評価は、非常に高くなっていますが?
永田 僕が記録を作ったときは、“プロレスの力量とは違う部分の強さを持つ連中”が来てね。だから、どんな試合になるか、ファンも想像がつかないんですよ。期待していた人もいただろうし、冷めて見ていた人もいただろうし。その全員を納得させなきゃいけない中でメインイベントを張り、どれも恥ずかしくない試合をできたという僕の誇りは大きいし。それはたぶん、いまの新日本でできるチャンピオンクラスの選手はいないでしょうね(キッパリ)。
——説得力のある言葉です。
永田 ただ、防衛記録というのは、俺の心に響くものではあったけど。
——それが大きな要因ではないということですね?
永田 「ドームでメインを獲りたい」ということだよね。そこで、棚橋が対戦相手に矢野を選んだところに、俺を“V10の辻褄合わせ”にしたのかなと(笑)。でも、俺だったらV10に並んでから、V11の相手に指名しますけどね(笑)。
——V10の記録を持つ2人が闘うということですね。ところが、2人の対戦が決定しかけたとき、矢野選手が暴挙に出ました。あの瞬間、何が起きたかわかりましたか?
永田 「まあ、そんなもんだろう」ぐらいな感じ。でも、お客さんは騒然としてましたね?俺が倒れているあいだに、ベルトを獲られたの、あれ!?
——そのとおりです。そして、矢野選手はIWGP王座を略奪し、「管理下に置く」と理不尽なことを言っています。
永田 それは矢野が言ってるだけであってね。それを断固として認めないという、IWGP実行委員会の裁定がほしかったよね。IWGPを巻いてきた歴代の王者は、そういうものに対して凄くこだわると思うし。歴代の王者が築いてきた軌跡を「ちょっと軽く見ちゃったのかな?」と。そのへんにも怒りを感じましたね。僕だけじゃないと思いますよ、それは。
■怒りのブルーミストが出るかもしれない。“目には目を”ですよ。
——本当に前代未聞の異常事態ですね。
永田 いまさら何を言ってもムダでしょうけど。まあ、甘いですよね。でも、やっぱりその原因を作ったのは矢野だから。
——棚橋選手も試合後に激怒していました。
永田 だけど、棚橋もホントに怒ってるかどうかわかんないですよね?俺だったら、怒り狂って試合後にエアギターなんてやらないよ(呆れて)。ファンのためにというのはわかるけど、なんか怒りが見えなかったというかね。
——同じ立場だったら激高していましたか?
永田 矢野をエアギターでブン殴って、ベルトを取り返しましたよ(キッパリ)。
——それじゃあ、効かないでしょう(笑)。そんな永田選手の怒りをよそに、次のIWGP戦は棚橋vs矢野に決定。この一戦をどう見ますか?
永田 棚橋は自分から「やる」と言った以上、最高級の試合でしっかりと矢野を叩きのめして、防衛するべきですよね。そうすることで、ファンのイヤな思いというのも消せるでしょうし。彼の義務でしょうね。
——おそらく、勝ったほうとのタイトル戦が組まれると思いますが、どちらと闘いたいですか?
永田 どっちでもいいですよ。矢野が勝ったら、この怒りをストレートにぶつけられるし。もちろん、棚橋が防衛したら、彼の意識する記録の重さとか、俺が血と汗と涙を流して築いてきたV10の記録というものを肌で味あわせながら、ベルトをいただきますよ(自信満々で)。
——「どっちでもいい」というのは、少し意外な気がしました。
永田 相手がどうのではなく、今回(の目的)はIWGPだからね。
——矢野選手の反則殺法も、臨むところですか?
永田 怒りのブルーミストが出るかもしれない(ニヤリ)。“目には目を”ですよ。
——では、いずれにしても次はチャンスですね?
永田 でも、決まるかな〜!?(笑) 俺、“リマッチ権”とか、そういうの1回も使ったことないから。防衛記録を持っていたって、次に挑戦したの4年後ですよ!?
——たしかに(笑)。
永田 (挑戦表明のとき)あそこに上がった時点で、「『矢野を倒しただけでは実績が足りない』というのであれば、もう一つハードルをもらってもいい」と思っていたしね。それでも文句を言われるんだったら、“最多防衛記録保持者の権利”を使ってみようか?ようやく、初めてね。
——では、永田選手のタイトルマッチでの勇姿は、必ず見られそうですね!
永田 どうかなー!?(笑) まあ、そうなることを期待していて下さい!
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