元『週刊ゴング』編集長であり、『ワールドプロレスリング』の解説でもおなじみ、新日本プロレスの語り部であり、最近はブログも開設して絶好調の“GK”金澤克彦氏が開幕直前の『G1 CLIMAX XXI』を大予想!!　過去のデータに裏打ちされた独自の“GK”予想を、前後編でズバリ直撃インタビュー!!　
 　
■「本命と対抗はズバリ真壁＆内藤！　そして大穴はまさかの……?」 　
——金澤さん！ 今日はよろしくお願いします！
 　　
金澤　はい、よろしく。……でも、俺は芸能人じゃないけど、『G1』予想していいんですか？（笑）。
 　　
——ワハハハ！ たしかに今回の『G1』パンフレットで、芸能人の方々を中心に予想を聞いてますけど（笑）。金澤さんには、よりたくさんの人に読んでもらえるようインタビュー形式でたっぷりお送りするんで、よろしくお願いします！
 　　
金澤　うむ。よろしい！
 　　
——まず、今回の『G1』の全体を見ての感想からお願いします。
 　　
金澤　そうだね。いつもなぜか『G1』って、割と片方のブロックに実力者がズラリと揃っちゃいがちなんだよ。そのクセどっちのブロックも混戦になるのが通例なんだけど（笑）。今回は見事にバラけたなって。凄くバランスがいいよね。
　 　　
——なるほど。では、Aブロックの本命、対抗からいきましょうか？
　 　
金澤　やっぱり最終戦までもつれるとは思うんだけど……本命と対抗はズバリ真壁刀義！ そして内藤哲也！
　　　
——真壁と内藤のどちらかが勝ちあがる、と。
　　　　
金澤　どっちが本命でも対抗でもいいぐらいだね。で、大穴と言ったら失礼になるんだけど……IWGPヘビー級王者の棚橋弘至かな。
　　　
——なんと大穴が棚橋！
 
　
金澤　というのも、タナは過去、IWGP王者で2度、『G1』に出てるんだけど、どちらもよくないんだよね、成績が。
　　
——その理由はなんでしょう？
金澤　タナの場合、ケガを負いつつの『G1』出場ってパターンが多いんだよね。現在は、コンディションはいいと思うけど。タナは、相手の技を徹底的に受けまくるタイプだから、連戦は非常にツラい。消耗度が大きすぎるんだよね？ もちろん一発勝負には強いんだけど……。
　　
——今回も王者としてメインを張る機会も多いですし。
　　
金澤　……と考えると、今回もツライんじゃないかなって。ここまで王者として、あまりに身体を酷使してるじゃない？ 本人は絶対言わないけど、4月3日（後楽園の）永田戦も腰がヒドい状態だったみたいだし。優勝戦線には残ってくるとは思うけど。ただ、最大のポイントは最終戦（8月14日両国大会）で内藤戦があるってことなんだよね？
——お〜、最終戦の内藤がひっかかると。
　　
■新日本内の“ニュースター待望論”を担うのは、内藤しかいない！
　　
金澤　内藤は、去年一年 “棚橋越え”を目標にやってきた。結局、去年の戦績は1勝２敗1分けで力の差を見せつけられた。今回も棚橋戦に向かってまっすぐ向かってくるだろうし、モチベーションが凄く高いと思う。大舞台で勝つことに集中してくるから、ここは内藤が勝つんじゃないかな。
　　
——しかも今回、内藤へのファンへの期待度がメチャクチャ高いですし。
　　
金澤　高いね〜！ ネットのファン投票なんかを見ても、内藤への支持が断然高い。新日本内の“ニュースター待望論”を担うのはやっぱり内藤しかいないし、若い世代で頭一つ飛び抜けてる。時代の後押しもあって、ここは内藤が来るんじゃないかな〜って。
　　
——その“内藤目線”で見ると、Aブロックは相当におもしろいですよね。
　　
金澤　うん。裕二郎との因縁対決（8月1日福岡大会）もあるし、高山善廣とももちろん初対決（8月10日代々木大会）でしょ？ いったいどういう試合をするのか凄く楽しみ。バーナード戦（8月13日後楽園大会）なんかも棚橋vsバーナードと比較する意味でもおもしろい。そして、永田裕志（8月2日福岡大会）というデカい壁をはたして攻略できるのか？
　　
——永田さんは、「内藤とはシングル初対決じゃないかな？」と言ってました。
　　
金澤　たしかそうだね。これで、永田に小僧扱いされるようなら、スター候補生としては、話にならない。いずれにしても内藤には注目したいね。
　　
——もう一方の真壁選手に関しては？
　
金澤　真壁にしたら、去年10月にIWGPベルトを落としてから、大きなチャンスがないし、再挑戦の機会もない。本人も、内心くすぶっているだろうし。ここで実績を作らないとIWGPに挑戦できないなら、絶対に『G1』を獲るしかない！ そういう強いモチベーションを感じるんだよ。
　
——なるほど。ちなみに“第三世代”と親交が深い金澤さんから、永田さんの名前が挙がらない理由は……？
　
金澤　いや、『NEW JAPAN CUP』優勝、『チャンピオン・カーニバル』優勝と、今年前半の活躍を見ても永田が絶好調なのは間違いないんだよ。ただし！ Aブロックには永田にとって “鬼門”と言うべき、後輩の突き上げ……永田裕志をつけ狙う高橋裕二郎（8月6日愛知大会）とヒデオ・サイトー（8月14日両国大会）がいるからなんだよねぇ（笑）。
　
——しかも、よりにもよって二人もいるという（笑）。
　 
金澤　そう！ だから、いつもの最悪のパターンが頭に浮かぶ。去年の最終戦でも、裕二郎に足をすくわれてしまった。今年の最終戦は、ヒデオ・サイトーだから、またイヤ〜な予感がする（笑）。
　
■GKの注目カードは、真壁刀義vs高山善廣、そしてアーチャーvsバーナード!!

——では、最後にAブロックの注目カードは？
　　 
金澤　棚橋vs内藤も気になるけど……ここは真壁vs高山かな？ やっぱり、高山によって、真壁というレスラーが覚醒させられた部分もある。かつてはノアに二人でタッグで乗り込んだこともあったでしょ？ ベルトは取れなかったけど、あの小橋健太を相手にラリアットでダウンさせたり、凄いインパクト残したじゃない？ ある意味、師弟対決だし、真壁が成長を見せ付ける意味でも興味深いよね。
　　
——あと永田裕志vs高山善廣（8月11日代々木大会という注目カードもあります。
 　
金澤　かつて東京ドームで闘い、初対決でその年のベストバウトを獲ったカード。王者時代の永田は、「いろんな選手と闘ったけど、高山と闘ったとき、初めて体力差を感じた」というコメントを残してるんだけど、今回は昔のような試合になるのか？ かけひきに重きをおいた重厚な試合になるのか？ アラフォー世代として、「おまえらにこの試合ができるか？」みたいなド迫力の試合を見せてほしいよね。
　　
——その高山さんの名前も挙がってなかったですね。
　
金澤　高山にももちろん期待感はあるんだけど、「連戦だとコンディションがどうなのかな？」って心配があるんだよ。シングル連戦は、本人もひさしぶりでしょ？ 一発勝負でコンディションを作って上がれば、「さすが帝王！」という部分はあるけど、今回は開けてみないとわからない。
　　
——なるほど。
　　
金澤　あとはランス・アーチャーvsジャイアント・バーナード（8月5日、後楽園ホール）もおもしろいよね。アンダーソンはバーナードの兄弟分だろうけど、アーチャーは今後、バーナードと並び立つくらいの存在になるのか？ 2メートル級の大型選手がガンガン当たったら、どうなるんだろうって。これも『G1』らしい贅沢なカードだね。……まぁ、とにかくAブロックは、真壁と内藤、この二人がどっちか上がります！
　
——よくわかりました！　では、次回はBブロックについて、よろしくお願いします！
 　
【金澤克彦氏の『G1』予想:Aブロック】
★本命＆対抗＝真壁刀義、内藤哲也
★大穴＝棚橋弘至

★注目カード
・棚橋弘至vs内藤哲也（8月14日、両国国技館）
・真壁刀義vs高山善廣（8月13日、後楽園ホール）
・ジャイアント・バーナードvsランス・アーチャー（8月5日、後楽園ホール）
 
 
★金沢克彦オフィシャルブログ「プロレス留年生 ときめいたら不整脈」  
http://ameblo.jp/gk-kanazawa/
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