2月12日(日)、NOAHのビッグマッチ『GREAT VOYAGE 2023 in OSAKA』(エディオンアリーナ大阪第1競技場)に、新日本のレスラーたちが登場した。
写真協力/プロレスリング・ノア
■デスペラードが“引退目前”NOSAWAと合体、YO-HEY&矢野組に快勝!
第5試合ではエル・デスペラードがNOSAWA論外とタッグを結成し、NOAH正規軍のYO-HEY&矢野安崇組と対戦。この一戦の発端となったのは1.21横浜アリーナ。YO-HEYとのシングル対決を制したデスペラードのもとに、NOAHの2.21東京ドームで引退するNOSAWAが現れ、最後の頼みとしてタッグ結成を要請。デスペラードはNOSAWAに敬意を表し、約6年ぶりに方舟マットに登場することに。
デスペラードはNOSAWAとのコラボのオーバーマスク、そしてお揃いのTシャツで入場。
試合はYO-HEY&矢野組がデスペラード&NOSAWAにゴング前に襲い掛かり開戦。だが、デスペラードは逆に場外戦でYO-HEYを痛めつける。
戦場がリングに戻ると、デスペラード組は連携攻撃を狙うが、YO-HEY組は切り抜けてダブルのプランチャ。しかし、海千山千のデスペラード&NOSAWAはうまく回避する。
その後もYO-HEY組は機動力で活路を見出そうとするも、NOSAWAがレフェリーのブラインドをついて矢野に急所蹴りを繰り出すなど、随所で狡猾なインサイドワークを見せる。デスペラードも若手の矢野に厳しい攻めを見せる。
徹底的にいたぶられた矢野だったが、NOSAWAをブレーンバスターで投げつけてピンチから脱出。続いてデスペラードとYO-HEYのマッチアップとなり、両者は高度な技の読み合いを展開。
デスペラードがツイスト・オブ・フェイトを切り抜ければ、YO-HEYもギターラ・デ・アンヘルを回避。そしてYO-HEYはデスペラードを場外に追放し、ノータッチ式トペ・コンヒーロを炸裂。
さらにYO-HEYは必殺の顔面Gをデスペラードに食らわせてカバーするも、これはNOSAWAがカット。スイッチした矢野はデスペラードにガムシャラにエルボーを乱打。そしてミサイルキックを決めると、YO-HEYと合体技を狙うも、これはNOSAWAが巧みに妨害。
そしてデスペラードが矢野に一気にギターラ・デ・アンヘルを炸裂するが、矢野は必死にカバーをキックアウト。さらに丸め込みを連発し、デスペラードから金星を狙う。だが、最後はデスペラードがスパインバスターからのピンチェ・ロコで、奮闘した矢野を撃沈。
試合後、デスペラードとNOSAWAはファイティングポーズでやりあう構えを一瞬見せるも、これは観る者へのフェイントで、最後はガッチリと抱擁をかわした。
●デスペラード&NOSAWAのコメント
デスペラード「(※2人並んでイスに座って)スゲェ楽しかったんですけど……」
NOSAWA論外「ちょっと、遊びすぎた部分もあるんだけど。本音を言うと、昨日もDRAGON GATEさんに最後呼ばれて、今日もシンニホンプロレス、いやストロングスタイルの皆様のおかげで、こうやってNOAHのリングで最後、俺、エル・デスペラードとタッグを組めて、もうなんか、今日が引退試合でもいいなぁって。昨日もそう思って、今日も思って、もしかしたら俺もう、体も見ての通りボロボロで、もうなんか悔いがないっていうか、もしかしたらほんと、今日が引退試合だろ……」
デスペラード「いやいやいや。まぁでも、キツイのはわかりますけど、ちゃんと自分が決めたケツまでいきましょうよ」
NOSAWA「ただもう今日、(デスペラードとは)初めて組んでるんだけど、なんかものすごい懐かしい、懐かしい雰囲気で、あのーこう、試合をしてるというか。もう感謝……」
デスペラード「いや、とんでもない、こちらこそ。俺がCMLLっていうデカイとこでやってるとき、さんざん聞かされたよ。あれだけデカイ会社の人間、メキシカンがNOSAWA論外の名前を出して、日本人の名前を出すんだぞ。名前聞いただけであいつら、『NOSAWAヤバイぞ』『NOSAWAヤバイ』としか言わねぇんだ。(※NOSAWAがお縄を頂戴するポーズをとるのを見て)ほら! あんまり明確に言えないですけど(苦笑)。大丈夫ですか?」
NOSAWA「大丈夫。俺にコンプライアンスなんてないから(苦笑)」
デスペラード「アハハハハハハハ」
NOSAWA「悪い方で……」
デスペラード「あぁ~、こんなに楽しい試合も、この1回限りかぁ……。ほんとうに悔しぃ~」
NOSAWA「でも1回できたんだから、俺は感謝」
デスペラード「ありがとうございました」
NISAWA「そのね、俺がそれこそメキシコでかぶってたマスク、半分なんか似てるような(デザイン)のマスク。モチーフは(※左上腕に彫られているタトゥを指して)これだって本人も言ってるから。一生、俺にロイヤリティー入ってくんのかなって。引退してもデスペラードからロイヤリティーもらって生活できるなぁって(苦笑)。安泰、安泰……。ハハハハハ」
デスペラード「現物支給で大丈夫ですか?」
NOSAWA「まぁでもほんと、このもっと(※デスペラードを指して)ならず者、(※自分を指して)問題児……ならず者みたいな選手がもっとプロレス界にいて、もっと団体の垣根をぶち壊して暴れてほしいッスよね、もう。俺が辞めちゃうんで。本当はもっと時代が早かったら一緒に、団体関係なしに、鈴木みのるでもぶん殴りに……昨日も言ってやったんだけど、もうそんな歳でもないし、辞めてく人間だから。逆にストロングスタイルで、エル・デスペラードが鈴木みのるをぶっ飛ばすところを、俺は見たい!」
デスペラード「それ、俺が言ってないのに、殴られるの俺なんですよ」
NOSAWA「それはしょうがない。鈴木みのる(の首)は自分で獲ろ。おつかれ、ありがとう、感謝、ムーチャス・グラシアス」
デスペラード「ありがとうございました。(※立ち上がって握手を交わし、肩を組んで控室に戻りながら)もっといっぱい試合したかった、一緒に! チキショー!」
NOSAWA「ほんとに。本音を言うと……」
●YO-HEYのコメント
YO-HEY「あぁ、クソッ! なんだこの気持ち。なんだろ? 悔しい。悔しい……。悔しいけど、楽しかったってのもあるし。でも、やっぱり悔しい。楽しさってのは、前、1月21日の横浜アリーナで十分感じたわけで、今回もまたおんなじような結果になってしまった。そりゃ悔しいよ。まだまだでも……。今日、いろいろチェンジがあって、吉岡(正起)の代わりに(パートナーが)矢野(安崇)になったかもしれんけど、そんなン関係ない。矢野もすごい頑張ってたし。俺は、まだまだやりたい。デスペラードさんよ、まだまだ、まだまだ俺は、あんたと試合したいぞ。あとなんだ、新ユニット組んだらしいな。ストロングスタイル? そのストロングスタイルを、ぶっ潰すぐらいの勢いで、次もう1度、あんたの前に立つから。よく覚えていうてくれ」
※矢野安崇はノーコメント
■“タカ&サトシ”杉浦&小島組が北宮&稲葉組に敗戦、GHCタッグ王座から陥落…!
第7試合ではGHCタッグ王者の“タカ&サトシ”杉浦貴&小島聡組が、4度目の防衛戦としてマサ北宮&稲葉大樹組を迎撃。
挑戦者組はゴングを待たずに仕掛け、勢いを示す。だが、百戦錬磨のタカ&サトシはペースを握らせず、重厚な攻めで崩しにかかる。
そしてタカ&サトシは稲葉に狙いを定め、打撃でダメージを蓄積させる。だが、稲葉が自力でピンチを切り抜けると、北宮が大暴れ。
しかし、杉浦は膝蹴りで北宮の動きを止め、「サトシ、先にいっちゃうぞバカヤロー!」と叫んでから雪崩式ブレーンバスター。北宮も負けじと肉弾ファイトで応戦し、力強いスピアー、ブレーンバスターを食らわす。そして、両者はショルダータックルの相打ちでダブルダウン。
続いて稲葉が小島にラリアットを連発して猛攻。しかし、小島はマシンガンチョップから「いっちゃうぞバカヤロー!」の雄叫びを上げ、ダイビングエルボーを投下。それでも稲葉はエルボーで立ち向かうが、小島はDDTで鎮圧。
劣勢の稲葉は卍固めからジャーマンを狙う。しかし、小島は切り抜けて後頭部にラリアット。そしてタカ&サトシは稲葉にダブル攻撃を狙うも、杉浦のフロントキックが小島に誤爆。
ここから挑戦者組が巻き返しを見せ、北宮がコーナー最上段からダイビングセントーンを敢行。しかし、小島は寸前でかわし、ラリアットの体勢に。だが、北宮&稲葉組はカウンターのスピアー&ネックブリーカーを炸裂。
そして北宮が監獄固めで小島を捕獲。小島も応戦するが、北宮はラリアットをかわしてサイトー・スープレックス。続いて北宮は首刈り監獄固めで小島を捕らえ、稲葉も杉浦を卍固めで捕獲。北宮がそのまま締め上げると、ついに小島は無念のギブアップ、タカ&サトシは防衛に失敗し、王座陥落となった。
●小島聡のコメント
小島「(※杉浦に肩を担がれて引き揚げてくる。インタビュースペースまでたどり着くと、フロアに大の字になる。目を閉じたままで)北宮と稲葉、あいつら本物だ。なんだかんだ言って、NOAHの未来を背負っていくだけの(ものを)持ってるじゃないか。
あれだけタカに奮起されて、あれだけの頑張り見せて、あいつらからほんとにプロレスリングNOAHの未来が見えたよ、俺には。本当に素晴らしい相手だと思うよ。本当に俺は、いい相手に恵まれてるよ。まだまだこれから、精いっぱい頑張ってさ、頑張りゃまたいいことあるだろ。な、タカ?
(※と言って閉じていた目を開けるが、そばに杉浦はいない)。あれ? あれ? タカ! またいねぇのか、あいつ! オイ! 俺やられてんのに! なんでいねぇんだタカ、いっつも! ふざけんな、お前! オォ! クッソー! タカのバカヤロー、お前!(※と叫んでインタビュースペースを出ていく)」
※杉浦はノーコメント