6月30日(木)、都内・後楽園ホールで開催されたDDTの『ディック東郷国内引退興行〜IKIZAMA〜』に新日本プロレスの邪道&外道が参戦した。ユニバーサル・プロレス時代の後輩・東郷の国内引退に華を添えることになった邪道と外道。
メインイベントでは外道が東郷の日本国内引退試合の相手として登場。東郷に望まれての登場だったが、これがシングル初対決だ。試合前、手を差し出してきた東郷に対して、外道は「ノー」と握手を拒否。苦笑いする東郷だったが、ここでゴングだ。まずはグラウンドの攻防を展開する両者。これが終わると、まず先手を奪ったのは外道だ。コンプリートショットを東郷にさんざん防がれてしまったものの、上手くカウンターのニーリフトを入れてダメージを与える。そして、場外に出るとイス攻撃を敢行。さらにゴングを叩く木槌でさんざんいたぶった。
まだまだ外道の攻撃は緩まない。リングに戻ると、コーナーの金具を剥き出しにして、東郷を叩きつける外道。みぞおちから腹あたりをしたたかに打った東郷は悶絶だ。そんな東郷を外道はロープの上に落としたり、フットスタンプを食らわしたりと徹底的に痛めつける。続けてボディシザーズでガッチリと東郷の胴体を固めてスタミナを奪うと、今度はスリーパーだ。
だが、東郷も気合いで立ち上がる。飛び付きのスタナーで形勢逆転。場外に出た外道にスピード感あるトペ・スイシーダで追い討ちだ。さらにリングに戻るとシルバーブレットを投下。コーナーに追い詰めるとパンチを連打し、得意のクロスフェースを仕掛ける。しかし、ここを逃れた外道は場外で東郷を鉄柱に叩きつけて反撃。一方の東郷もリングに戻ると前方回転エビ固めから丸め込み技を次から次へと仕掛けていく。外道もこれに応戦するが、東郷は外道得意の外道クラッチの体勢に。しかし、これはフェイント。外道クラッチにいくと見せかけ、すかさず外すと突っ込んできた外道をクロスフェースに捕らえたのだ。
ここを必死に逃れた外道だったが、続けて東郷のペディグリーを被弾。しかし、東郷の必殺技・ダイビングセントーンを被弾寸前でかわして再び反撃だ。バックキックからコンプリートショットで東郷をマットに叩きつけると、座った状態の東郷に対して、強烈なトラースキック! さらに串刺しのニーリフトから、腹への蹴り上げと厳しい攻撃を次から次へと見舞っていく。そして、頃合いを見計らってスーパーフライ! だが、東郷をヒザを立ててこれをガード! 遂に両者ダブルノックダウンという状況に陥ってしまった。
なんとか立ち上がった両者。パンチ合戦の中、劣勢となった外道は上手く東郷を捕まえるとレフェリーにぶつける。そして、レフェリーが倒れている隙に急所攻撃から外道クラッチであわやという場面を作った。これでも3カウントを奪えないと外道は再び東郷の腹を蹴り上げてから、ストマックバスター。そして、必殺のスーパーフライを発射だ。
しかし、東郷も3カウントを許さない。場内が大「東郷!」コールに包まれる中、復活してきた東郷に外道はロープに叩きつけられてから、ラリアットを立て続けに2発被弾。東郷のペディグリーをこらえて逆に逆さ押さえ込みを仕掛けてみせたが、反撃もここまでだった。東郷の気力みなぎるパンチ攻撃を受けると、もはや足元も覚束ない状態に。その状態からこの日、2発目のペディグリーを被弾した外道は、続けてトップロープからダイビングセントーンも食らい万事休す。もはや返す気力もなく、東郷との最初で最後の一騎打ちは敗戦となってしまった。
試合後、東郷と抱き合った外道。東郷から、「外道さん、自分は外道さんが先輩で良かったです。ボクがこの業界に入ったときに4人の先輩がいました。邪道さん、外道さん、デルフィンさん、サスケさん。自分はこの4人の先輩に出会わなかったら、ここにいなかったでしょう。そして、外道さん。今日は念願のシングルマッチ叶えてくれてありがとうございました」という感謝の言葉を送られた。一方の外道もマイクを持つと、「おい、東郷! おめえは俺の中で過去現在未来において、ベストのレスラーだ。ありがとう!」と惜別の言葉。その後、東郷のワールドツアー壮行会に邪道と共に登場し、花束を贈呈。3人で記念写真に収まったのだった。なお、この花束贈呈にはみちのくプロレス時代の仲間であるタイガーマスクも駆けつけている。
■6月30日(木)DDT『ディック東郷国内引退記念興行〜IKIZAMA〜』 東京・後楽園ホール
〔ディック東郷国内引退試合〜スペシャルシングルマッチ〜〕時間無制限1本勝負
◯ ディック東郷〈DDT〉
(25分23秒 ダイビングセントーン→片エビ固め)
× 外道〈新日本プロレス〉
■ディック東郷のコメント
東郷 「本当に最後に念願だった外道さんと闘えて感無量です。今日が初対戦だったんですけど、やっぱり終わってみて、外道さんの偉大さがわかりました。試合はボクが勝つことができましたけど、外道さんはボクにとって永遠に師匠です。それは変わりません。リング上でも言いましたけども、本当にいい人たちに恵まれてきたなと心から思います」
また、セミファイナルに邪道が登場。アントーニオ本多と異色のタッグを結成し、ザ・グレート・サスケ&TAKAみちのくと対戦した。
いずれも東郷とは縁の深い4人。邪道はいきり立つアントンを押さえて先発を買って出ると、東郷と同様に後輩であるTAKAと対戦。TAKAのショルダータックルを仁王立ちで受け、逆にショルダータックルで蹴散らし、パワーの違いを見せつけた。しかし、続くアントンがサスケに場外でサスケスペシャルVer.2.8を食らうと、戦場は場外へ。TAKAに先程のお返しとばかりに鉄柱へと叩きつけられた。
リング上はアントンが捕まる展開に。サスケ&TAKAの老獪なテクニックに翻弄される場面が多かったが、邪道の「アント〜ン!」というゲキに応えるように、ルー・テーズ・プレスで逆転する。そしてタッチを受けた邪道がラリアットでサスケ&TAKAをなぎ倒す。そして一気呵成の攻撃でサスケを場外に追いやると、今度はTAKAにクロスフェース・オブ・JADOだ。TAKAがジャストフェースロックに切り返そうとすると、すかさずもう一度クロスフェース・オブ・JADOに捕らえてみせた。だが、ここはサスケのカットで仕留め切れず。逆に代わったサスケの渾身のマッハ!!!!を心臓に受け、時間差で倒れ込んでしまったのだった。
その後、サスケの前方回転エビ固めを踏ん張ってこらえた邪道。チャンスを作ってアントンに繋ぐ。アントンはサスケのパンチとエルボー攻撃の前に再び劣勢を強いられるが、コーナーに頭を叩きつけられ、逆に気合いが注入。パンチとエルボーでサスケを殴り倒してみせた。しかし、サスケも譲らない。マッハ!!!!をアントンに叩き込みダウンさせると、自分の世界に入りすぎたのか、近寄ってきた味方のTAKAにまで一撃。さらにカットに入ってきた邪道とも渾身の一撃を入れ合い、4者ダウンという状況になってしまった。
ここでいち早く息を吹き返したのはサスケ。TAKAがアントンをみちのくドライバーで叩きつけると、最後はTAKAが邪道をジェストフェースロックに捕獲している間に、サスケがサスケスペシャルX ver.10.2 セグウェイ(物まね禁止)をアントンの肩口に炸裂させ、トドメを刺した。試合には敗れた邪道だったが、アントンに乗せられて、最後はお得意の尻出しパフォーマンス。観客に美尻を見せ付け、喝采を浴びていた。
なお、この試合の前には東郷率いるFECの一員であったCHAOSの石井智宏が登場。やはりFECのメンバーであった日高郁人と、東郷の教え子である佐々木大輔とのトリオで、カズ・ハヤシ&FUNAKI&佐藤悠己と対戦。全日本プロレスのカズと激しくやり合うなど活躍し、最後は佐々木の勝利をアシストした。
〔6人タッグマッチ〕45分1本勝負
◯ 佐々木大輔〈フリー〉&日高郁人〈ZERO1〉&石井智宏〈新日本プロレス〉
(13分46秒 NOW OR NEVER→片エビ固め)
カズ・ハヤシ〈全日本プロレス〉&FUNAKI〈WWE〉&佐藤悠己〈K-DOJO〉 ×
〔タッグマッチ〕60分1本勝負
◯ ザ・グレート・サスケ〈みちのくプロレス〉&TAKAみちのく〈K-DOJO〉
(16分59秒 サスケスペシャルX ver10.2 セグウェイ〔物まね禁止〕)
邪道〈新日本プロレス〉&アントーニオ本多〈フリー〉 ×
■邪道&アントーニオ本多のコメント
邪道 「見てのとおり、今日はパンツのヒモもしっかりと締めて、ディック東郷国内引退試合、ちゃんと気を引き締めてやろうと思ったんだよ。そうしたら、最後、ディック東郷の遺伝子を持つアントーニオ本多、こいつを讃えてやろうと思ったんだよ。パッと見たら、ケツ出てんじゃねえか、この野郎」
アントン 「すいません。頭打って、前後不覚になっちゃって」
邪道 「不覚になりすぎだろう、おまえ!」
アントン 「後ろのほうが余計で」
邪道 「バカヤロウ! ケツ出すのは俺が先なんだよ!」
アントン 「すいません。順序を履き違えたというか」
邪道 「おまえよ、先輩を立てる気持ちがねえんだよ」
アントン 「でも、自分のケツはお相撲さん止まりで、ここにはラインが残っています。つまり、自分は雨乞いをする巫女さんのように、ケツを出してくださる雷神を待つ儀式として、このような半ケツを出したまでです」
邪道 「わかりにくいよ! そうか、誰が雷神だよ!」
アントン 「すいません」
邪道 「そのおかげで、この観客、いいモノが見られたじゃねえか。なかなか見られなくなっているからな。封印にさしかかっているかもしれないからな、俺のケツは。天のみぞ知る、神のみぞ知る。おい、よく書いとけよ。俺のケツはそんな安くないからな」
アントン 「そう! 出場するかどうかわからない、そんなケツを私は呼び覚ましたかった。予想していなかったわけじゃないんですけど、頭を打ってその欲望が表に出てしまった。その結果です。すいません」
邪道 「それよりよ、サスケの心臓パンチ! 反則だろう、あれ! 2発も食らったよ」
アントン 「警察呼んだほうがいいですよ!」
邪道 「心臓止まって、まじ5秒、死んだおじいちゃんの顔が見えてきたよ」
アントン 「見えましたか、三途の川で。おじいちゃんが川で洗濯してましたか?」
邪道 「こっち来るなって言っているじゃねえか!」
アントン 「ダメです! 外道さんはまだ行かないです!」
邪道 「おい、俺は邪道だよ! おまえ、マジ間違いだろ!」
アントン 「すいません! 勢いで外道さんと言ってしまいました! 邪道さんは行けない! なぜなら、この世でたくさんケツを出さないといけないんだ! だから、三途の川は渡れません。すいません、おじいちゃん」
邪道 「おじいちゃん! 待っててくれ!」
アントン 「待っててくれじゃないですよ!」
邪道 「アントン、今日はありがとう!」
アントン 「センキュー・ベリー・マッチ!」
(と言いながら四つにガップリと組合い、お互いのケツを出しながら引き上げていく)