6月5日、明石大会の試合開始前に記者会見が行なわれ、6月4日京都大会の試合中に頚椎を負傷した中西学選手について、三澤威メディカルトレーナーが現在の状況と今後の見通しを説明した。
中西選手は、京都大会で行なわれた6人タッグマッチに出場。井上亘選手のジャーマンスープレックスホイップを受けた直後に身動きができなくなり、病院へ緊急搬送され、精密検査を受けていた。
三澤トレーナーの話によると、中西選手のケガは中心性脊髄損傷。現在は、一時的に見られていた麻痺や痺れといった症状もなくなり、順調に回復に向かっている状況だという。
■三澤トレーナーのコメント
三澤「昨日のリング上でも意識は清明で呼吸もしっかりしていたんですけど、上半身、特に左腕の麻痺があったのと、下半身の力が入らないということで病院に搬送しました。でも、検査をしたころにはもう手は動くようになって、麻痺も取れていました。CTスキャン、レントゲン、MRIとすべて検査をした結果、脊髄や骨に損傷は見られないということで、中心性脊髄損傷ですね。これは、脊髄へ外的に強烈なショックがあって、一時的に脊髄から出る運動神経が麻痺したということです。現在は手のしびれ感はあるものの、動き等は改善しています。本人ともさっき電話で話をして、『首は痛いけど、ほかは大丈夫です』ということでした」
——もう身体は動くということですか?
三澤「動くんですけど、首を動かしたときに万が一脊髄を傷つけるといけないので、一応、首を固定して寝たままの状態で徐々にこれから身体を動かしていって、大丈夫かどうかというのをゆっくり確認していく段階ですね」
——首を固定した状態でも、手を動かして電話はできるということですね?
三澤「はい。下半身も動かせます」
——中心性脊髄損傷というのは、まれに見られるケースなのですか?
三澤「そうですね。ダメージを受けて、脊髄自体に傷はないけども、身体が麻痺したとかいうのであれば、だいたいそういう診断になりますね。野球の赤星(憲広)選手などもそうでしたし」
——回復さえすれば、今までどおり普通に生活ができる?
三澤「それは問題ないと思います」
——運動もできるし、プロレスもできる?
三澤「まあ、そのへんになってくると、回復具合を見なければ、いまは断言できないので。やっぱりもとからの蓄積もあると思いますし。それを今回のケガでどのぐらいカバーできるかという部分の問題になってくるので、それは回復してきてから判断したほうがいいかなと思っています」
——回復はいつごろになりそうですか?
三澤「たぶん数日ぐらいの話になると思います。首を寝た状態から何も問題がないかを確認しながら、少しずつ起こしていくので。それに何日かいるということです。いまの時点では、まだ何とも言えません」
——すぐに選手生命へ影響を及ぼすようなケガではない?
三澤「そういうのは、ぜんぜん発見されなかったです」
——中西選手はどんなことを話していましたか?
三澤「本人は『迷惑をかけて申し訳ない』ということを言っていました」
——復帰時期について何か言っていましたか?
三澤「その話は自分とはしてないですね。ただ、家族のほうには『また復活する』と言っていたみたいですけど」
——今回の件について、三澤トレーナーの見解は?
三澤「今回のことに関しては、受け身のタイミングなどでなったんですけど、どうしてもその前提には蓄積されたダメージというのがある。それは疑いようがないもの。これをもし考えるとしたら、若手のころからの首の鍛え方とか、試合スタイルの話なども含めて考えていかないといけないのかな?という感じはします」
なお、これと併せて中西選手の試合欠場が発表され、6月5日明石大会、6月7日ディファ有明大会の対戦カードも一部変更されることとなった。
- 2011.6.5
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