1月19日(アメリカ現地時間18日)、KUSHIDAが『AEWダイナマイト』に出場し、AEW TNT王者ダービー・アリンのベルトに挑戦した。
写真提供/All Elite Wrestling
昨年6月に新日本に復帰し、当時IWGPジュニアヘビー級王者の石森太二に宣戦布告するも、手足口病の感染によりタイトル挑戦のチャンスを逃したKUSHIDA。
年末の『SUPER Jr. TAG LEAGUE 2022』ではケビン・ナイトとのタッグで出場。今回は新たな目標に狙いを定め、AEWに初参戦することに。いきなり生中継番組のメインイベント、タイトルマッチで登場となった。
迎え撃つアリンはAEWきっての人気レスラーで、今年1月にサモア・ジョーを下してAEW TNT王座を2度目の戴冠。日本時間22日にはNOAHの横浜アリーナ大会に参戦し、グレート・ムタとのラストマッチに出場することが決定している。今回はその初来日を前に、かつてIWGPジュニアヘビー級王座やNXTクルーザー級王座を保持していた実力者KUSHIDAを相手に、防衛戦を敢行。
WWE/NXTで約3年にわたり活躍し、アメリカで抜群の知名度を誇るKUSHIDAはファンの声援の中、花道を進む。セコンドとしてLA DOJOのケビン・ナイト、ザ・DKCも帯同。続いて王者アリンがベルトを手に、タッグパートナーでありメンターのスティングと共に入場。そしてコーナーに上るとリングを振り返り、KUSHIDAに鋭い視線を送った。
開始のゴング、KUSHIDAは牽制のアリキック連発からフルネルソンへ。そしてハンマーロックで捕らえるが、アリンは切り返してフライングメイヤーからスリーパー。
続くロープワークの攻防からグラウンドの展開になると、KUSHIDAは腕関節を取りにいくがアリンはロープエスケープ。
ならばとKUSHIDAがアリンの左足を捕らえにいくが、アリンは脱出してヘッドロック。だが、KUSHIDAは回避し、ヒップトスから軽快な側転を披露し低空ドロップキックをヒット。
アリンが場外にエスケープすると、KUSHIDAはスライディングキック。だが、かわしたアリンはKUSHIDAを場外で捕らえてフェンスに叩きつける。続いてリングに戻ろうとするも、KUSHIDAはアリンの足を引っ張って先にリングへ。そしてアリンがリングに戻った瞬間、その左腕を蹴り飛ばす。
ここからKUSHIDAは徹底した左腕殺しを敢行。ハンマーロックからアームツイストを見舞い、アリンのダメージを蓄積させる。だが、アリンもKUSHIDAの串刺し攻撃を切り抜けると、逆に串刺しエルボーを炸裂。さらにトペ・レベルサを仕掛けるも、KUSHIDAは受け止めると、顔面にエルボー。
さらにKUSHIDAはオーバーヘッドキックを繰り出すが、この動きを読んだアリンは打撃のコンビネーション。そしてコードレッドを炸裂するも、KUSHIDAはカウント2でキックアウト。ダメージの大きいKUSHIDAが場外にエスケープすると、心配したナイトとDKCが近寄る。
するとアリンはコーナー最上段からトペ・コンヒーロを敢行。だが、これはKUSHIDAがかわし、ナイトとDKCに誤爆。すかさずKUSHIDAはアリンの左腕を捕らえ、そのままアームブリーカーの要領で場外フロアに打ちつける荒技。
KUSHIDAはアリンをリングに戻すと逆水平チョップを連発。アリンもエルボーを返し、ロープに走るが、KUSHIDAはカウンターの掌底。そしてライガーポーズを見せると、追撃の串刺し掌底を炸裂。
たまらずダウンしたアリンを、KUSHIDAはカバー。アリンがカウント2ではね返すと、KUSHIDAはアリンの右足と左腕を痛めつける複合関節技、さらに左腕に足を引っ掛け、リバースインディアンデスロックのようにダメージを与える。
優勢のKUSHIDAはアリンの左腕に低空ドロップキック、エルボー、ストンピングと波状攻撃を浴びせる。だが、アリンも歯を食いしばって立ち上がり、ここから両者は打撃戦に突入。KUSHIDAが強烈なキックを叩き込むと、アリンはエルボーの乱打で押し込む。
だが、KUSHIDAもフライングクロスボディ、そしてオーバーヘッドキックで反撃。さらにハンドスプリングエルボーを繰り出すが、これはアリンが回避し、スコーピオン・デスドロップを炸裂。
ここでダブルダウンとなり、レフェリーはカウントを数え出す。先にカウント7で立ち上がったアリンは、KUSHIDAを引きずり起こしロープに詰めると顔面に張り手を連発。そしてロープに走るが、KUSHIDAは追走して倒立キックを食らわす。
さらにリングに落ちたアリンの左腕に対し、エプロンからジャンピングニーをお見舞い。続いて両者はエプロンで打撃戦に突入。アリンはKUSHIDAの突進をエルボーで食い止めると、KUSHIDAに背後から飛びついて、一回転してのスタナーを炸裂する。
そしてアリンは場外にイスを設置し、エルボーの乱打でKUSHIDAを強制的にイスに座らせると、なんとコーナー最上段からミサイルキックのように決死のダイブ。だが、KUSHIDAは間一髪でかわし、そのまま腕ひしぎ十字でアリンを捕獲。
KUSHIDAはアリンの左腕を痛めつけてからリングへ。ダメージの大きいアリンがエプロンに上がると、KUSHIDAは気合いの雄叫びからロープ越しにアリンの左腕を捕獲。その状態でロープ上に引き上げ、雪崩式アームロックのようにアリンの左腕をマットに叩きつける。
すかさずKUSHIDAがホバーボードロックを決めると、場外でナイトがスティングにタオルを放り投げ、そのタオルをリングに投げて試合を終わらせるようにアピール。だが、スティングは動じずそのタオルで汗を拭い、客席に投げ込んでしまう。
リング上、アリンは必死にロープに手をかけようとするが、KUSHIDAはリング中央に引き戻し、アームロックを決めた状態で飛びつく。
すると、アリンは一瞬のスキをついて脱出し、KUSHIDAの両足を自身の右足に巻きつけると、そのままヨーロピアンクラッチのように押さえ込んで電光石火の3カウントを奪取。KUSHIDAはあと一歩のところまで追い込むも、無念の逆転負けを喫した。
試合後、アリンが握手の手を差し出すと、KUSHIDAは一本指を突き立てリマッチを要求しながら、アリンの手を握り返す。そして、アリンの右腕を掲げて勝利を称えると、抱擁をかわした。