4月9日(土)、全日本プロレスの『GAORA SPECIAL 2011 チャンピオン・カーニバル』(4月8日〜13日/後楽園ホール)に出場している新日本プロレスの永田裕志が3日目を迎えた。
昨日の公式戦で三冠王者の諏訪魔を倒し2連勝を飾り、Aブロックの単独トップに立っている永田の相手は船木誠勝。こちらは初日に諏訪魔に敗れたものの、昨日は大森隆男に勝利し、1勝1敗という成績だ。永田にとっては優勝を狙う上で最後の難所。全日本の3・21両国大会でのタッグマッチでは永田がバックドロップホールドで直接フォールを奪っているが、初の一騎打ちの行方は?
永田コールと船木コールが交錯する中、遂にゴング! 静かな立ち上がりだったが、永田がローキックを放つと船木も呼応。永田が睨みつけ胸を突き飛ばすと、船木は強烈な張り手を連打してきた。これで永田がヒートアップ! 感情的になって船木に掴みかかる。そして、船木に蹴りを食らわしにいった永田。しかし、船木に蹴り足を捕まれ倒されると、その後は鋭い蹴りの連打を食らってしまう。
場外でも船木のキックの連打にさらされた永田。しかし、船木を鉄柵に叩きつけフロントキックを一撃して流れを変える。リングに戻ればアームブリーカーで船木の左腕に一撃。左腕に照準を絞り、腕ひしぎ、サッカーボールキック、アームロック、ストレートアームバーなどで一点集中攻撃だ。
勢いに乗る永田は船木の掌底も組み付いて防御し、そのまま押し倒してグラウンドへ。腕極めのケサ固めで船木をじっくりと絞り上げる。しかし、ここで極めきれず、続くアームブリーカーをスリーパーで切り返された永田。ミドルキックの連打を食らい、腕ひしぎに捕らえられる。ここは脱出したものの、船木の掌底とキックを浴び、フロントスリーパーに捕まった永田。これを投げ技で切り返すと、エクスプロイダーで逆襲開始だ。
キックの連打で反撃し、船木がアンクルホールドを仕掛けてくれば、腕固めで切り返す。この日も沸き起こる「シロメ!」コールの中、白目をむいて腕固めだ。だが、船木も屈しない。腕固めから逃れると、頭突きを連発。この船木の捨て身の猛攻を凌いだ永田は垂直落下式ブレーンバスターでマットに串刺しにすると、延髄斬りからバックドロップだ。これをカウント2で返されると、今度はハイキックを放った永田。だが、船木に腕でブロックされると、待っていたのは船木の掌底連打だ。これで棒立ちになったところに船木の右ハイキックがズバリ! 前のめりに倒れた永田はそのまま船木に押さえ込まれ3カウントを奪われたのだった。
試合後、倒れた永田に船木のほうから歩み寄り握手。意識が朦朧としている永田だったから、船木から手を挙げられ、健闘を称えられていた。
■4月10日(日) 全日本プロレス
『GAORA SPECIAL 2011 チャンピオン・カーニバル』 東京・後楽園ホール
〔2011 チャンピオン・カーニバルAブロック公式戦〕30分1本勝負
◯ 船木誠勝 〈全日本プロレス/2勝1敗=4点〉 (13分07秒 右ハイキック→体固め) 永田裕志 〈新日本プロレス/2勝1敗=4点〉 ×
■永田裕志のコメント
永田「何が起こった……? こんな感覚10年前ぐらいに受けたかもしれない。気がついたら、『もう一回やろう』ってさ。うろ覚えでなんとなく感じるのは普段の船木誠勝の闘いぶりじゃなかったね。ビンタというか掌打というか、学生の頃にUWFのビデオで観た船木誠勝だった。緑のパンツ履いて、ジャパンのマークの入ったコスチュームの船木誠勝だった。あまり出してないでしょ? それを避けずに正面からぶち当たって吹き飛ばしたかった。腕を蹴ろうが何をしようが、すげえ形相で睨みつけてきましたよね。何回でも蹴ってやるっていうか、そういうこっちの意地に対して、凄い形相で。『ああ、これが闘いだよな』って。いやぁ、面白かったな。負けたんでしょ? 悔しいね。プロレスは奥が深いわ。諦めてませんから」
■船木誠勝のコメント
船木 「いろんな形でぶつかってもいいと思いますし、もっと自由な闘いをしたいです、永田選手とは。この年齢で同年代の選手が凄く貴重になってきますので、闘ったり組んだりして、踏ん張って、この先乗り越えていきたいなって自分は思っているんですけどね。若い選手強いですからね。冗談抜きで真田選手なんか、そんなに疲れてなかったですから、朝来た時。それぐらい回復力早いですから。うちらもキャリアとか技術でなんとかしていかないと難しいと思います。だからこそ、年取ったら年取ったなりに切磋琢磨して、ライバル心もありながら頑張っていくのが人生だと思うんですね。負けないです」
──前に大谷(晋二郎)選手と闘った時に同じ流派というか匂いを感じたとおっしゃっていまいたけど、永田選手からも感じ取れました?
船木 「全くそうですね。永田選手もそうですし、大谷選手も、それから全日本に復帰してから、小島(聡)選手、西村(修)選手、自分がいなくなってから新日本プロレスに入門した選手の素晴らしさを感じています。自分が持っていないもの、自分が知らない間に作り上げて、自分のものにしていますから、その辺は尊敬しかできないです。でも、自分も同じように難しいんで、自分は自分の色を絶対に崩さないようにプロレスをやっていきたいと思います。ただ、自分が辞めてからの新日本プロレスの選手、みんな素晴らしいなと思いました。いまの選手ともやってみたいですけどね。いまの新日本の若い選手とも。それは時がタイミングとチャンスが合えば、実現できると思います。そういうのも含めてプロレスを活性化させないといけないと思います、いまだからこそ。武藤さんが言っている3団体の合同興行も是非やってほしいと思います。やらないとやらないうちに死んでしまいそうで、もったいないですね。時間がないです。いま、誰が残っているんですか? AとBのブロックは?」
──Aは諏訪魔選手、永田選手、大森選手、船木選手が勝ち点4です。
船木 「並んだっていうことですね? じゃあ、次ですね。次でおそらく決勝までが決まるような気がします。あとは明日1日休みなので気を抜かないように。今日の試合は忘れて、明後日に備えたいと思います」
- 2011.4.11
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