3月22日(火)、都内・九段下にあるホテルグランドパレスにて、全日本プロレスが記者会見を実施。『GAORA SPECIAL 2011 チャンピオン・カーニバル』(4月8日〜4月13日/会場はいずれも後楽園ホール)の開催発表を行い、新日本プロレスから永田裕志が出席した。
昨日の全日本両国大会に出場した永田は、メインイベント終了後に三冠王者・諏訪魔の前で他の選手たちと共に『チャンピオン・カーニバル』出場をアピール。この日、正式に『チャンピオン・カーニバル』への参戦が決定し、発表された次第だ。『チャンピオン・カーニバル』は2ブロックにわかれての総当りリーグ戦。AとB、両ブロックの1位が優勝決定戦を行う。なお、永田はAブロックにエントリーされている。
■出場者
【Aブロック】
諏訪魔(08年優勝 7年連続7度目の出場)
船木誠勝(2年連続2度目の出場)
浜亮太(3年連続3度目の出場)
KONO(2年連続2度目の出場)
永田裕志(新日本プロレス/初出場)
大森隆男(フリー/7年ぶり8度目の出場)
【Bブロック】
太陽ケア(06年優勝 8年連続10度目の出場)
KENSO(初出場)
真田聖也(3年連続3度目の出場)
ジョー・ドーリング(2年ぶり3度目の出場)
鈴木みのる(パンクラスMISSION/09年度&10年度優勝 6年連続6度目の出場)
秋山準(プロレスリング・ノア/11年ぶり9度目の出場)
■永田裕志のコメント
永田「昨日の両国大会、7年ぶりに全日本プロレスに参戦させていただきましたが、思ったより短い時間で終わってしまって、自分の中で物足りなさが残っておりました。大会全体を拝見させていだきまして、最後に三冠王者の諏訪魔選手の素晴らしい挨拶を聞いていたところ『チャンピオン・カーニバル』の優勝宣言が出ました。『チャンピオン・カーニバル』、この手があったかと。瞬間的にひらめきましてですね、そこに各選手たちが自己主張してリングに集まっている中で、最後の最後に出ていって、衝動的に参戦表明をしてしまいました。『NEW JAPAN CUP』で優勝して大変興奮している中、取った行動とはいえ、『チャンピオン・カーニバル』に初出場して初優勝できるように最大限、頑張りたいと思います」
■質疑応答
──同じブロックでマークする選手は?
永田「昨日の試合で船木さんとやり足りないと思って、『チャンピオン・カーニバル』に出場しようと思いました。そして、同じブロックに船木さんがなってくれたので、まずそこは意識させていただきます。それと幸運なことに三冠チャンピオンが同ブロックになってくれたので、そこも当然意識します。まあ、全員意識したいところですが、一番強いところだとこの辺ですかね」
──Bブロックから誰が勝ち上がってきそうか? あるいは誰に勝ち上がってきてほしい?
永田「Bブロックはいま見たんですけど、生粋の全日本プロレスの選手が真田選手しかいないのかなと思いましたので、大会を盛り上げるためにも頑張ってほしいな、と。ホームなんで」
■永田裕志の囲み取材
──昨日、衝動的に参戦を表明したということですが、改めて記者会見に出てみていかがですか?
永田「いや、凄いメンバーになったな、と。全日本プロレスの『チャンピオン・カーニバル』というよりは、プロレス業界の強い選手が集まったリーグ戦になったなと思いましたね。やっぱり、昨日のお客さんの反応もそうですけど、ノアの秋山選手が参戦表明して、とおったということが一番大きかったと思いますし、そこに現チャンピオンの諏訪魔選手がいて、この大会に2回優勝している鈴木みのるがいて、ホントに強者が集まったリーグ戦だなと思いました」
──一つのリーグ戦の中で、全日本、新日本、ノアの選手が集まって争うということは意義深いことだと思うんですけど。
永田 「G1でもそういうのなかったでしたっけ? 全日本とZERO1と新日本が揃ったことはあったけど、全日本とノアが揃ったことはなかったような気がしますね。まあインパクトは大きいですよね。ノアの選手が全日本の『チャンピオン・カーニバル』に出るっていうのは。逆に新日本の『NEW JAPAN CUP』覇者としてボクが出る以上、インパクトがあるんじゃないかな、と。まあ、他人ごとのように言っていますけど、それだけの選手が集まった中でどうかき回してやろうかな、と。どう面白くしてやろうかな、というのがありましたんで。まあ、衝動的に言ったっていうのは、諏訪魔選手の言葉の中でプロレスの力で苦しんでいる人たちに力を与えたいっていう発言っていうか、コメント……まあ素晴らしい挨拶でしたけど、それを聞いている時に『ああ、プロレスの凄い力を被災地の皆さん、全国に与えるんなら、俺の力は絶対に必要じゃん』っていうモノを勝手に解釈しましたんで。じゃあ、どうかき回して、どう暴れ回ってやろうかっていうのは、いま凄いありますよね」
──永田さんは『NEW JAPAN CUP』に優勝したばかりで、ある意味、新日本のトップとしての重圧というか、負けたことを考えるとリスクが大きいと思うんですけど。
永田「まあ、それは結果的に十字架を背負って、ボクは様々な闘いに挑んできたんで、この19年間。あのう、もっと大きいリスクを背負って敗れ去ったこともあるので、あんまり気にしませんね。逆に自分はそうやって強くなってきたと思っているんで。勝とうが負けようが様々なことに挑戦してきたんで、それを怖がっていてはできないし。逆に勝ち上がって得るモノが多ければ、ボクがテーマに掲げる『プロレス業界に永田裕志ここにあり』をアピールするうえでは新日本プロレスの中でだけではダメだと思いますし。3月にZERO1と全日本プロレス、両方の両国大会に出て、その流れで全日本プロレスの『チャンピオン・カーニバル』、自分をアピールするこのうえない恰好の舞台ですよ。そこに負けたらなんとかっていうリスクは考えようとは思わないです」
──同じブロックの三冠王者・諏訪魔選手に対してはどのような印象がありますか?
永田「凄い素質、素材、無限の可能性のそういうモノを持っている選手だっていうのは、試合を見たり、話を聞いたりしてわかります。ただ、まだ未完成だよなって。そこは十分付け入るスキはいくらでもある、と。三冠チャンピオンが敗れたら、その時点である程度、全日本プロレスは手中に収めたようになりますしね(ニヤリ)」
──うまくいけば、『NEW JAPAN CUP』勝って、4月3日にIWGPに挑戦して獲って、『チャンピオン・カーニバル』に優勝すれば三冠挑戦というのもあるわけじゃないですか? 一応4つのタイトルが一気に転がり込むわけですけど。
永田 「ああ。『NEW JAPAN CUP』を獲ったのもそうだし、こうやって行動したこともそうですけど、ボクが行動を起こす時はボクからっていうよりも、チャンスが近づいてきますよね。IWGPの連続防衛記録を築いた時の軌跡が十分、業界の中で生きている証しだな、と。だから、過去にひたるんではなく、現在進行形、未来へ新しい軌跡をドンドン作っていかなきゃな、と。特に今年はそういう思いが強いですね」
──反対ブロックのKENSO選手のコメントにだいぶ反応されていたようですけど、響いてくるモノがありましたか?
永田「ビチッと響いてきましたね(笑)。なぜだか、ビチッと言われると、ゾクッてくるんですよね」
──『チャンピオン・カーニバル』は初出場ですけど、『チャンピオン・カーニバル』という大会自体に対する永田さんの印象は?
永田 「子どもの頃、全日本プロレス中継で見てましたからね。業界に入ってからはあんまり見てないですけど、プロレス入る前は。ジャイアント馬場さんがブルーザー・ブロディをボディシザースドロップで勝ったのとかね。あれは確か昭和56年でしたっけ? 決勝戦。夕方5時からのプロレスは見せてもらっていたんで(笑)。8時になると『2階行って勉強しな』って言われていたんですけど。あと、その前の年のジャンボ鶴田さんがジャーマンでディック・スレーターにジャーマンで破ったヤツとかね。その辺が覚えてますね、リアルタイムで見たのは」
──世界一過酷なリーグ戦と言われていましたけど、『G1』を経験されている永田さんから見てどうですか?
永田 「過酷かどうかはやってみてから感じてみます。意外にG1と形式が似ているんで、『G1』をやっぱり10年以上やっているボクとしては案外慣れているのかな、と。この方式は。その過酷なリーグ戦を何度もやっているボクにとっては意外にその辺の切り抜け方、闘い方は十分熟知している。それは19年のキャリアが染み込んでいますから、はい。まあ、いろんな対戦相手と闘いながら、いろんな講釈だったり、波紋だったりをドンドン投げかけて。もし、このトーナメントの結果次第でその先ができるかどうかという部分では、さらにボクにチャンスがくるかもしれないんで、そうなるように頑張ります。業界を面白くしますんで」
同ブロックの諏訪魔や船木との対戦はもちろん、決勝に勝ち上がれば怨敵・鈴木、そして団体の垣根を超えたライバルであるノアの秋山、かつての後輩・KENSOなど、永田絡みのカードは興味深いモノが多い。『NEW JAPAN CUP』に続き、シングルのリーグ戦制覇の偉業を成し遂げるか? 今年の春は永田から目が離せない!
- 2011.3.22
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