3月21日(月・祝)、都内・両国国技館で全日本プロレスが『2011 プロレスLOVE in 両国 Vol.11』を開催。東日本大震災の影響で開催が危ぶまれていたが、予定通り決行し、新日本プロレスからは獣神サンダー・ライガーと永田裕志が参戦。船木誠勝と鈴木みのると対戦した。
この対戦カードは船木の発案によって実現したカード。ライガーと船木という新日本時代の先輩後輩のノスタルジックな再会に加え、犬猿の仲である永田と鈴木、そして初遭遇となる永田と船木と、興味深い顔合わせが詰まったタッグマッチだ。
選手は一人ずつの入場。今日のライガーは白と銀に赤のラインの入った特別仕様のコスチュームだ。一方、前日に『NEW JAPAN CUP』を制して絶好調の永田もリングに上がると、キレのある敬礼ポーズを披露した。
まずはライガーが船木と約20年ぶりの対戦。若手時代を懐かしむようなグラウンドの攻防を行った。そして、ライガーが永田とタッチしたことで、船木との対戦が実現。両者とも得意のキックでを激しく打ち合った。続けて永田は仇敵・鈴木といきなり激しいビンタ合戦を展開。 鈴木がサッカーボールキックを放てば、永田も腕折りで応戦するなど、激しさを増す。さらに代わったライガーも鈴木に掌底をぶち込んでいく。
ライガーは船木からのキック攻撃を受け続けたものの、掌底一発で逆転。続けて永田が船木に延髄斬りを食らわし、ナガタロック2に捕える。ところがここで鈴木が救出に登場。今度は船木と二人がかりのキック攻撃を永田は食らってしまった。さらに永田が船木にフロントスリーパーに捕らえられると、ライガーも鈴木のスリーパーに捕まってしまうなど、新日本組はピンチに陥る。
しかし、永田がこれを外すと4者乱れての乱撃戦。ここでライガーは船木にあびせ蹴りを放つ。しかし、船木にかわされてローリングソバットを逆に被弾。だが、永田がすかさず出てきて、コーナーでの串刺し式のヒザ蹴りを炸裂させた。これで流れを掴んだ永田はバックドロップで船木をマットに叩きつけると、最後はガッチリともう一発バックドロップホールド! 見事に船木から3カウントを奪取し、アウェーのマットで勝利を手にしたのだった。試合後、船木とは握手をかわしたライガーと永田だったが、鈴木は大荒れ。最後までライガーと永田に食ってかかり乱闘を繰り広げていた。
また、メインイベント終了後、リング上で全日本の次期シリーズ『チャンピオン・カーニバル』への意気込みを語る三冠王者・諏訪魔の前に、参加を希望する選手たちが続々と集結。マイクを手にアピール合戦を行った。そのオオトリとして永田も登場。永田がマイクで「おまえら、もっと面白いプロレスを見たいか? ならばここで参戦表明してやる。2011年『NEW JAPAN CUP』優勝者の永田裕志が、今年の『チャンピオン・カーニバル』に参戦するぞ!」と叫ぶと、会場中から大「永田」コールが発生した。永田の『チャンピオン・カーニバル』参戦は本当に実現するのか? その動向に注目が集まる。
■全日本プロレス『2011 プロレスLOVE in 両国 Vol.11』
〔スペシャル・タッグマッチ〕45分1本勝負
◯ 永田裕志&獣神サンダー・ライガー〈新日本プロレス〉 (8分26秒、岩石落とし固め) 鈴木みのる〈パンクラスmission〉&船木誠勝〈全日本プロレス〉 ×
■獣神サンダー・ライガー&永田裕志のコメント
ライガー 「俺らがどこに押されている部分があったか? 言ってみい、マスコミよ! 俺らに押されている部分があったか? プロレスのタッグマッチ、1+1が5にも10にもなるんだよ。それがいまの結果だろう! 向こうはなんだ? 1+1が2か?」
永田 「全日本プロレスの看板の目の前で勝利者インタビュー!」
ライガー 「勝利者インタビュー! 鈴木は何なんだ? 全日本の人間か? 船木は何なんだ? 全日本の人間か? フリーなのか? もしあれが全日本の人間なら、新日本が勝ったってことだ。それが全てだ。今日のタッグマッチを観ていて、俺らに危ない場面があったか? 俺と永田裕志、新日本の天下を取った男だ! 昨日、取ったんだよ、この男は! その男と組むんだぜ? 1+1が2にも10にもならあな。『NEW JAPAN CUP』優勝おめでとう! それと全日本の征伐、ありがとう!(永田とガッチリ握手)」
永田 「鈴木ぃ〜〜! 焦ってんな!」
ライガー 「ハハハハハ!(その後、永田のコメント中、笑いっ放し)」
永田 「イライラしてんな! 何そんなに焦ってんだ、あいつは! 手に取るようにわかるぜ! イライラして、鬱憤が溜まって、吐き出そうにも吐き出せない! 目の前に俺と獣神サンダー・ライガーがいて、そこに吐き出したかったのに、吐き出さずに飲み込んだよな? 鈴木が口惜しがるところ、俺は見るのが凄い快感なんだよ! 何度でもこの快感を味わいたい。鈴木、そして船木誠勝。ちょっとしか触れられなかった。今日の心残りだな。船木誠勝、ちょっとしか触れられなかった。でも、その先に無限の可能性が感じられた。このままでは終わりたくないし、それが俺の本音」
ライガー 「永田、俺もプロレスファンとして、おまえと船木を見たいよ」
永田 「ありがとうございます」
ライガー「おまえと鈴木より。鈴木って、あんなに弱かったのかと思うよ。拍子抜けさ。何かに迷ってんじゃねえか? あいつは他団体に行って、初めて光る男なのか? 自分の団体じゃあんなもんなのか? プロじゃねえ! 俺は永田と船木誠勝……見たいねぇ〜。見たいでしょ? 見たい、見たい! やれよ!」
永田 「そうっスね。考えときます」
ライガー「おお、考えるな! やれ〜! 俺も見てえ、ありがとう!(と言って、コメントブースから退場)」
永田 「まあ、このリングに上がってみて、観客の声援が期待値を物語っていたな。ノスタルジックに浸るんではなく、現在進行形の闘いを見たがっている。今日、その闘いを半分潰したのは鈴木だ。あいつの焦りが試合を潰した。俺が大人だったから、完璧に決着がついたけど。俺の顔を見たら、余計に腹が立つだろう。凄え快感でしたよ。俺が参戦して、ここでずっと何年ものさばっている鈴木みのるに焦りが見える。何年ものさばっていた男の価値観って、そんなもんなんだ、この全日本プロレスでは。俺には少なくともそう見えた。4年も5年もここで中心人物として闘ってきて。俺は6年か7年ぶりだぜ、全日本プロレスに参戦するのは。なぜ焦る? もっとデーンと構えられないのかね? アウェーで新日本に闘いを挑むのは得意だけど、実はホームの人間としてデーンと構えていることにいまいちできない鈴木の弱点をちょっと感じたね。まあ、会見の言葉でわかってたよ。妙にホームを気取ると言葉数が少なくなるというかね。アウェー、外敵か、俺は? 外敵の快感をちょっと感じたよね。この魅力ある全日本マットに何か残したいなっていう気持ちがいま一瞬芽生えたかな。いやぁ、外敵って本当にいいもんですね。以上」
- 2011.3.22
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