3月6日(日)、都内・両国国技館にて、ZERO1が旗揚げ10周年記念大会となる『プロレス』を開催。故・橋本真也さんの息子・大地のデビュー戦が話題となる中、10年前のZERO-ONEの旗揚げ戦のメインイベントで橋本さんとタッグを組んだ永田裕志が参戦した。
今年に入って、ZERO1の旗揚げ10周年記念大会の開催を聞きつけた永田が参戦表明。ZERO1サイドが用意した相手は、かつて新日本との抗争で永田と2度にわたって激闘を繰り広げた田中将斗だった。
まずはグラウンドの攻防を展開した両雄。永田の張り手が合図となって、途端に攻防が激しくなる。先手を取ったのは永田。キチンシンクで田中の動きを止めると、左ヒザへも集中攻撃を食らわせる。エルボー、キックもぶち込み、田中は左ヒザのダメージもあって防戦一方だ。
ようやくカウンターのラリアットで流れを変えた田中は場外でテーブルプレスを炸裂させて反撃。スーパーフライもお見舞いして、主導権を握りかけた。しかし、永田も田中のスイング式DDTをマジックスクリューで切り返す頭脳戦法を披露。ここからは両雄の一進一退の攻防となった。
ブレーンバスター合戦に始まり、永田はキック、田中はエルボーと、リング上ではそれぞれの得意技が次々と炸裂していく。そんな中、エクスプロイダーを決めた永田。田中をコーナーに据えると、今度は雪崩式のエクスプロイダーを狙った。ところが、田中は頭突きで返り討ち。そして、すぐさま本日1発目のスライディングDをぶち込んだ。
永田も負けじと雪崩式エクスプロイダー、串刺し式のヒザ蹴りを決め、急角度のバックドロップも爆発させる。一方の田中は永田の2発目のバックドロップを空中で切り返し、すぐさまロープに飛んで2発目のスライディングD! しかし、永田はこれを上手くキャッチして白目式腕固めに切り返す。場内のビジョンに永田の白目が映しだされると、観客から大歓声が起こった。
だが、これで決めきれなかった永田は田中からエルボー連打、ラリアットの反撃を食らう。そして、後頭部、顔面と2発連続でスライディングDを被弾。ここはキックアウトした永田だったが、続けて田中が放ったスライディングDを返すことができず。永田が3度目の対戦にして、遂に田中に初の敗戦を喫した。
■ZERO1『BIGMARCHプレゼンツ ZERO1・10周年記念大会 プロレス』
〔ZERO1vs新日本プロレス/シングルマッチ〕60分1本勝負
◯ 田中将斗〈ZERO1〉 (18分22秒、スライディングD→体固め) 永田裕志〈新日本プロレス〉 ×
■永田裕志のコメント
永田 「ちくしょう! ZERO1に出て、勝利を献上したという事実が余計に悔しいし、俺を奮い立たせてくれるね。田中将斗、敵ながらアッパレですよ。これだけの攻撃を食らって勝ったんだから。また一つ、抜かしたってことだから。最後にZERO1の10周年記念大会、超満員にした大谷社長、おめでとうございます!」
■田中将斗のコメント
田中 「ああ、きつい。頭ぶっ飛んだね。やっぱり、一発一発強烈やわ。まあ、シングルでやっと勝って、こんなんで永田裕志のすべてを超えたとはまったく思ってへんし。現時点でもあいつは最高の敵じゃと俺は思っとるし。まあ、なんぼでもやりたい。なんぼでもやらなあかんねん。あんな元気なヤツ、俺よりキャリアあるヤツの中で見たことないしね。俺も勉強せなあかんし、勉強させられることはいっぱいある。だから、俺はまだまだ永田とやらなあかんような気がするねん。俺はいろんな人から学べることは少なくなってきたかもわからんけど、永田に学ばなあかんことはまだまだいっぱいある。そういう選手ですよ、やっぱり」
──10周年記念興行での勝利に関しては?
田中 「試合以外のことで、試合前、大谷がリングに上がった時、俺ずっと花道から見ていて、やっぱこんだけのお客さんが俺たちのことをまだ見たいと思ってくれている。全国にも来れなかった人もいるし。だから、俺らがもっと頑張って、1回目の10周年、何年かぶりの両国やったから、これだけの期待もあったし、橋本大地のデビュー戦っていうのもあったし、でも次、来年やりますよってやったら、これだけの人が来てくれるかって言ったら、いまの状態だったら、俺はないと思う。でも、そういうような機会があれば、これ以上のお客さんを入れていこうと努力せなあかん。満足してはあかん。今日来てくれたお客さん、PPV観てくれたお客さん、いろんなことで俺らを応援してくれているお客さん、本当にどうもありがとうございました。以上です」