3月5日(土)、都内・有明コロシアムにて開催されたプロレスリング・ノアの『GREAT VOYAGE 2011 in Tokyo』にIWGPタッグ王者に君臨しているジャイアント・バーナードが参戦。メインイベントで杉浦貴が保持するGHCヘビー級王座に挑戦した。バーナードの王座挑戦は、王者・杉浦の大型外国人と防衛戦をしたいという希望から実現した。他団体の外国人も挑戦者として視野に入れていた杉浦は、新日本プロレスの1・30後楽園大会を視察。その時、猛アピールしたのがバーナードだったのだ。
正式決定後、ノアの2・16後楽園大会に出陣したバーナードは試合後に杉浦にエプロン上へのパワーボムを敢行。2・19前橋大会で行われた調印式でもテーブルにパワーボムで叩きつけ、杉浦の腰にダメージを負わせることに成功した。バーナードは、ノアのみならず新日本のリングでも絶対的な強さを見せつけてきた杉浦からベルトを奪い、「シンニッポン、イチバン!」を叫ぶことができるのか?
新日本ジャージを着たカール・アンダーソンと共にIWGPタッグベルトを携え、堂々入場してきたバーナード。G+視聴者からの花束もリング外にポイ! こんなバーナードに対して、ノアファンは大ブーイング。試合が始まるとまずはバーナードがショルダータックルで先制。場外においてはブレーンバスターを食らわせるなど、杉浦の腰にダメージを与えていく。場外で杉浦が立ち上がれずカウントが数えられている間は、本部席にあったGHCのベルトを掲げて、またもやファンからブーイングを浴びたのだった。
杉浦の腰に照準を絞って攻め立てるバーナード。エルボードロップ、キャメルクラッチ、さらにコブラツイストなどで、徹底して杉浦の腰にダメージを与えていく。杉浦のエルボーと前蹴りによる反撃も最小限に食い止め、コーナーに上がったところを下から場外へ蹴り落とす荒技も見せた。そして、場外からエプロンの角に叩きつけるパワーボム! バーナードは再びGHCのベルトを肩にかけ、大いに勝ち誇ったのだった。
さらにバーナードの攻勢は続く。串刺しのボディアタックから、リバーススプラッシュ2連発。さらにボルドーボムでも杉浦をマットに叩きつけたバーナードは、バーナードボムの体勢に! しかし、杉浦は高々と持ち上げられた瞬間、空中で切り返し、すぐさまバーナードの左足をキャッチ! アンクルホールドに捕える。そして、ジャーマンへ! だが、バーナードの体は持ち上がらず、自身の胸の上にバーナードの巨体を落下させてしまった。
このチャンスにバーナードはボディプレス、バーナードボムを決める。そして、バーナードライバーの体勢に入る。だが、会場のファンの声援で杉浦が甦る。間一髪これを防ぐと、ついにバーナードの巨体をジャーマンで投げることに成功。ヒザ蹴り、前蹴りでバーナードの動きを止めると、今度はオリンピック予選スラムでも投げ切った。
これで失速したバーナードは張り手合戦でも競り負け、エルボーを食らってダウン。そして、ランニングニーを連続で被弾し、ショルダータックルも顔面に食った。さらに2発目のオリンピック予選スラムを食ったバーナード。ここはなんとか肩を上げたものの、最後はこの日3発目のオリンピック予選スラムでトドメを刺され、3カウントを聞いたのだった。
■プロレスリング・ノア
3月5日(土)『GREAT VOYAGE 2011 in Tokyo』 東京 有明コロシアム
〔GHCヘビー級選手権試合〕60分1本勝負
◯〈王者/プロレスリング・ノア〉杉浦貴 (20分32秒、オリンピック予選スラム→体固め) ジャイアント・バーナード〈挑戦者/新日本プロレス〉 ×
■ジャイアント・バーナード&カール・アンダーソンのコメント
バーナード 「言い訳は何もしない。今日はGHCヘビー級チャンピオンのスギウラに負けてしまった。これは言いたくないし、認めたくないが、彼はとってもタフな男だ。完敗だ! しかしこの試合はもう過去のことだ。このバーナードとカール・“マシンガン”・アンダーソンのバッド・インテンションズは最高のタッグチャンピオンだ!」
アンダーソン 「俺たちは新日本の最高のチャンピオンだ! ノアのベストタッグチーム、挑戦しに来い! いつでも誰でもいいぜ!」
バーナード 「もしもノアから出てこないのであれば、俺たちは全日本でもドラゴンゲートでもWWEでもTNAでも、どこでも行って防衛する! 俺たちこそ新日本! 俺たちこそ真のタッグチャンピオンだ! 1、2、3!」
アンダーソン 「(マシンガンを撃つ構えで)ダダダダ!」
■杉浦貴のコメント
──改めまして、防衛ありがとうございます。
杉浦 「ありがとうございました」
──勝ちましたが、腰はいかがですか?
杉浦 「試合やっている時はどうしようもないですけどね、冷えてくると多分、固まってくるでしょうね」
──攻撃を加えられたダメージとあれだけ重い体を持ち上げると、いずれも腰にきたと思うんですけど。
杉浦 「そうですね。でも、ボクはあれしかないんで。やっぱ、大きいのぶん投げて勝つほうがお客さんも喜ぶでしょ?」
──相手はIWGPタッグの現チャンピオンでしたけど、その実力はいかがでした?
杉浦 「いやぁ、やっぱり圧力は凄かったですよね。あのままのペースでいったらあれでしたけど。まあ、ちょっとディフェンスに回った時に打たれ弱いのかなって気がしましたけど、攻撃力は凄いですね。いままで闘った外人の中で一番」
──打撃力を感じさせるように、杉浦さんの右目が腫れ上がっているんですけど。
杉浦 「いや、これは投げた時に、2発目のオリンピックスラムかな? キレイに投げ切れなくて、だから返されちゃって」
──相手の攻撃で印象に残っているのは、エプロンの角へのパワーボムもありましたけど。
杉浦 「あれ、受け身が取れないですよ。全体的に平面だったら体全部で吸収できるんだけどね。角だから。角でないから、腰に入っちゃうんですよね」
──試合時間の前半、8割、9割はずっと攻撃を受けている状況だったんですが、何が最後逆転する力を生みましたか?
杉浦 「お客さんの声援もあるし、あとは何回も防衛しているんでね。しかもホームの有コロで負けられないでしょう」
──これで9回目。この9回という数字はどうお感じになりますか?
杉浦 「いや、巨人と並んだでしょう(笑)。ちょっとだけ小橋さんの背中が見えてきたかなっていう感じですね。ちょっとだけね」
※撮影:山本正二
- 2011.3.6
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