JAPW 13周年記念大会2連戦を終えた獣神サンダー・ライガーは、そのまま大西洋を越えてドイツで予定されている大会に参戦のためハノーバーに飛んだ。
アメリカでの試合は今年1月、ロサンゼルス「レッスル・リユニオン」、5月のJPWAに次いで3度目。6月から9月にかけてメキシコに長期遠征しているだけでなく、メキシコ、アメリカでベルトを獲得していることを考えると、北半球を制覇したといってもいい。海外での活動が多かったことからプロレス大賞では各賞にノミネートすらされなかったが、特別に「国際レスラー賞」を受賞してもおかしくない2010年の活躍だった。
12月13日、ニューヨークJKF国際空港からドイツへ旅立ったライガーだが、空港へ向かう車中でひと足早く今年を振り返ってもらった。
−−まずはJPWA 2連戦を終えての感想を。
ライガー 最高でしたね。1試合目のところ(ニュージャージー州)はもう3回目になるんで、「またよく来てくれた」っていう感じで迎えてくれて。2日目(フィラデルフィア)は初めてだったんで、「ライガーってどんなレスラーなんだろう?」っていう目で見てくれていましたね。同じアメリカかもしれないけど、お客さんの目は違っていたんで2日目は緊張もしましたけど、最高のパフォーマンスを見せられたかなと。
−−しかもタイトル(JPWAライトヘビー級)まで獲得しました。
ライガー (6WAYイリミネーションは)慣れないというか、初めての試合形式でしたけど、新日本プロレスのレスラーとして、ライガーとして、リングに上がれば闘いを見せるだけなんで。でも2日目はタイトルマッチって知らなくて。ゲートの裏で出番を待っているときに「ベルトは?」って言われて。「エッ?」って思ったら、「タイトルマッチだからベルトを持って。早く!」って。あわてて控室に戻ってベルトを手にリングに向かったんです(笑)。午前中にサイン会があって、「その時にファンと写真を撮るからベルトを持ってくるように」って言われてたから持っていってたんでよかったんですけど。でも、あれは焦りましたね。
−−そういうちょっとしたことが試合にも影響するもんなんでしょ?
ライガー そうなんですよ。試合に向けて盛り上げていた気持ちを削がれてしまうっていうか。でも、防衛できてよかったですよ。これでベルトを持って帰れるっていうことで満足してます。
−−知らない相手とのタイトルマッチとあって、気持ちの持っていき方も難しかったと思うんですが…。
ライガー 相手のことを考えると集中できなくなってしまうんで。どこに行っても、だれが相手であってもライガーはライガーだし、第1試合であろうがメインであろうが、どういう試合が組まれようが、リングに上がればライガーワールドを作れるっていう自信はあるので。それさえ作れれば自分の試合ができるわけですから。だから初めての相手であろうと、そういうことは感じないですね。これまでに何度も経験してきてますから。
−−今年を振り返ると、1月のロス、夏場にはメキシコに長期遠征、そして年末の世界一周ツアーと…。
ライガー 日本にいないね(笑)。