10月7日、「DESTRUCTION’10」10月11日(月・祝)両国国技館大会に向け、記者会見が開かれたあと、内藤哲也と対戦する棚橋弘至が囲み会見を行った。
——内藤選手は会見で自信マンマンでしたが?
棚橋 ハイ。ま、勢いに乗ってるな、と感じました。ただ、カチンとは来ましたね? まぁ、俺もわかってて、“100年に一人の逸材”とか“エース”とか言ってますけど、それはそれでいいじゃん? それはあらためて突っ込むところいでもないじゃんって。そう思いません?(笑)。……ま、レスラーっていうのは、出世試合とか出世シリーズとか、ボーンと上がる時期があるならば、内藤は今年、凄い飛躍の年になったと思うんですよ。それを許してしまったのは、俺のせいなんで、止めるのも俺かな、と。叩き潰すのも……愛でしょう!(拳を手の平に叩き付けながら)。
——「キャラが被ってる」とか、そういうことは?
棚橋 ちょっと! いま、いかん言葉が出ましたよ!(笑)。ま、キャラではないんですけどもね。いまは“地”なんですけど。むしろ、真面目に闘っていた頃のほうがキャラなんですけど(笑)。
……いや、評価はしてますよ? それに会社が評価してるじゃないですか? これは内藤が評価されての試合順だと思うんで、タイトルマッチやシングルが何個もあってセミですから。ただ、危機感という部分ではいまのところはないっすね。
——やってきたことが違う?
棚橋 ま、それもありますし。ボクや永田(裕志)さんとかが、上の世代、武藤(敬司)さんたちと闘ったときは、ハンパなかったすね。「超えようとするとき、普通のジャンプでは足りないよ?」と武藤さんに言われたんです。「いつもの2倍、3倍飛ばないと」って。それは、試合に勝つ、という以上に存在感だったり、そういう部分でも言ってるんだろうと。ただ、いつのまにか追われるようになって……そういうのも順ぐりかな、と。
——中邑vs後藤は気になる?
棚橋 イメージとしては、宮本武蔵vs佐々木小次郎というか。ただ、前哨戦を観てもね、あまりボクは乗れなかったんで、当日、おたがいがどこまでさらけだすか? という部分。
中邑が「後藤、さらけだせ!」と言う割には、「言ってる中邑があまりさらけ出してないんじゃないか?」と。査定試合と言うなら、「ほとばしるような試合をしてほしい」とは思いますけどね。
——棚橋と内藤はさらけ出しているもの同士?
棚橋 うん。まぁ、さらけ出しているもの同士ですし、もうさらけ出しすぎて、隠すところないっすよ(笑)。ま、スターダストは警戒してますよ? ただ、俺も飛び続けますよ?
——前回の試合は、G1ベストバウトとも言われますが、クオリティの高いものを目指す?
棚橋 まぁ、内藤がどこまでヒザにこだわってくるか? そこがポイントになるでしょうね。……ただ、この10月の『DESTRUCTION』という大会は、2007年の後藤(洋央紀)戦で非常に手ごたえを感じたし、「試合内容で押せる大会」というイメージが強いんで、今回も超盛り上がると思うんで、その中でも群を抜きたいですね! ……あ〜。でも、こいうのってひさしぶりっすね。囲まれる感じ(笑)。やっぱ、いいっすね! もっとチヤホヤされたいから、俺の時代に引き戻しますよ!
——真壁vs小島の挑発合戦をどう見る?
棚橋 うん! あれはおもしろいですね。本音だから。なんだろう? 俺は、チャンピオンとしての真壁選手の力量というものを、あの記者会見でメチャメチャ感じましたね。「また、一つステージ上がったな」と。というのは、フリーという立場からしたら、「小島選手から、ああいう発言が出てもいいんじゃないかな?」と。
むしろ、真壁選手が言ったことは、小島選手が言う部分なんじゃないかな、と。でも、そういう部分を期待しても出ないじゃないすか? 出ないでしょ? だから、あえてね? 真壁選手が言って、対立構造というか、見るべきポイントを観る側に与えた、という部分では、「ああ、このタイトルマッチおもしろくなりそうだな」と感じたんで。そこは、記者会見の記事やサイトを見た人はみんな思ってるんじゃないかなって。……いや〜、いいこと言うなぁ〜(笑)。